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【急がば追い越すな】渋滞で一番早く進む車線は「渋滞学」で証明済って本当?
意外にも”お得”な車線は一番左だった?
状況にもよりますが、先述のデータなどから考えると「一番お得な車線」は第一走行車線といえるかもしれません。「渋滞学」の権威である東京大学の西成活裕教授も、渋滞時は左車線を走ることを推奨しています。
西成教授が行った実証実験では、高速道路(関越道)渋滞時のクルマの平均速度は「第一走行車線:25.6km/h」「第二走行車線:20.6km/h」「追い越し車線:16.3km/h」であったそう。
しかし、第一走行車線は合流もあり、パーキングエリアやサービスエリア付近で混雑しそうなイメージもあります。
たしかに一時的には合流部分で遅くなるものの、出口や分岐もあるため一気に進むことも多く、結果として追い越していったクルマを抜いてしまうことも珍しくないそうです。
車線ごとの流れの差はなくなりつつある?
ただし、最近では「車線ごとの流れの差」はなくなりつつある様子。というのも、『渋滞は追い越し車線で発生しやすい』という事実が認知されてきたからです。
NEXCO東日本でも、追い越し時を除いて”キープレフト”を推奨しており、車線に「キープグリーンライン」を設置するなど、渋滞軽減に努めています。
こういった対策や、先述の啓蒙活動などもあり、混雑時に追い越し車線から走行車線へ移るドライバーが増加。結果として、特殊なポイントを除き、車線ごとの交通量の差は次第に小さくなり、交通の流れはどの車線にいてもほぼ変わらなくなってきているようです。
となれば、渋滞緩和のためにはやはり「車間距離」が重要。一定の車間距離が保持できれば、前方車がスピードを落としたとしてもクッションの役割を果たし、後続車へのブレーキ伝播を防ぐことができます。
混雑し始めたからといって、むやみに車線変更を繰り返せば後続車がブレーキを踏むことになり、渋滞の発生あるいは悪化の原因に。さらには割り込まれたからといって、前方車にピッタリとくっついて走行すれば、ブレーキの影響を受けやすくなってしまいます。
車線による時間差はなくなりつつあるため、”車間距離”を意識して、無駄なブレーキを踏まない運転を心がけたいところですね。
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- 執筆者プロフィール
- 成田 佑真
- 1993年生まれ。普段は医療機器販売を行っているが、暇があれば自動車関連記事を読み漁る。現在の愛車はA4。子どもの頃からマークⅡに憧れ、社会人になりマークXを購入。週末は必ず手洗い洗車を行い、ドライブに出...