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「初日の出暴走」ってまだあるの?年末年始の取締り経験がある元警察官に聞いてみた
令和式“初日の出暴走”は神出鬼没?
年末年始、特に大晦日から元旦にかけて集団で暴走する「初日の出暴走」。ピークと言われる1980年代には全国に3万人以上の暴走メンバーがいたと言われ、一度に100台以上の不正改造車が暴走していたと言われています。
その当時は、派手に装飾されたバイクが多く、爆音を響かせながら強引にタンデム(二人乗り)して蛇行運転していたといいます。
車でもバイクと同じように、巨大なウイングやバンパーが取り付けられており、ひと目見ただけで暴走族とわかるような特徴で走っていました。クラクションを鳴らしたり、車外に聞こえるような大音量で音楽を鳴らしたりして、蛇行運転を繰り返していました。
近年ではSNSを活用し、場当たり的に集合する暴走族が多く、どこに現れるのか以前よりも把握しにくくなっています。
暴走行為に遭遇…そのときどうすればいい?
数年前の大晦日に偶然「初日の出暴走」と思われる集団に遭遇したという知人はその時の様子を次のように話します。
「静岡県内を走行中、異変に気づいたのは、複数台の覆面パトカーとハイエースのようなバンタイプの警察車両がサイレンを鳴らさずに後方から近づいてきたことでした。
その直後、パトカーからのスピーカーで『今いる道路から左折して停車してください』というアナウンスの指示が聞こえてきました。
すぐに左折できなかったので、路肩に停めたところ『ここで停車すると、あとからやってくる車両集団に巻き込まれる(追突のおそれ)ので、もう少し先まで進み、左折してください』と指摘されました。
しばらく様子を見ていると、クラクションを鳴らしながら蛇行運転してくる車の集団が通過していきました。
そのときの車両は、派手な装飾などはなく、どこにでもいそうな一般的なセダンだったのを覚えています。」
こうした集団での暴走行為に遭遇した場合、前述の知人は「いち早くその場から離れることが重要です。」と話します。
その場ですぐに止まると、車両の集団にのまれてしまいます。最悪の場合、追突される可能性もあります。前方や後方から車両の集団が迫ってくるような場合には、すぐに右左折するなどして、集団とは逆方向に避難しましょう。
- 執筆者プロフィール
- 室井大和
- 1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...