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今最も《アツい車》?プラグインハイブリッド(PHEV)のメリット・デメリットは

PHEVの弱点は「バッテリー容量の少なさ」

しかし、バッテリーのエネルギーのみでの走行=EV走行をメインに考える人にとっては、PHEVは物足りなさを感じてしまうかもしれません。

EVと比較すると、PHEVは駆動用モーターと走行用バッテリーを使ったEV走行での航続可能距離が短くなっています。車種にもよりますが、一般的なEVが200kmから500km程度の連続走行ができるのに対し、PHEVは50kmから100km程度の走行可能距離にとどまっています。

EVとPHEVで、EV走行ができる能力差があるのは、システムの仕組みが根本から違っているためです。

EVにはエンジンは搭載されておらず、モーター+バッテリーの組み合わせで走行することを前提に設計されています。高出力のモーターに大容量のバッテリーが組み合わされているため、長距離走行も可能な実力を備えています。

@Michael Flippo/stock.adobe.com

一方、PHEVはハイブリッド車(HV)と同じように、エンジンもしくは駆動用モーターを、燃料や走行用バッテリーに蓄えたエネルギーを使って状況に応じたモード切替によるドライブを楽しめます。ブレーキ減速などで発生した「回生エネルギー」を走行用バッテリーに蓄えられる仕組みです。

そのほかにも、外部から電気で走行用バッテリーを充電できる機能を搭載しています。

そのため、PHEVはエンジン・駆動用モーター・燃料タンク・走行用バッテリーと、EV以上に搭載するメカニズムが増えてしまい、車体に収まらなくなります。

そこで、車体のバランスを考えて、もっとも優先度の低い走行用バッテリーの容量を小さくしているのです。これが、EV走行が可能となる距離がEVより短い原因のひとつです。

このような特徴を踏まえると、PHEVをEV走行モードのみで使おうと考えている人は、自分が主に車で出かける行動範囲が50km~100km圏内かどうかを確認する必要があるでしょう。

行きつけのスーパーや病院などが近くにあればよいですが、常に片道1時間以上かけて出かける必要がある場合は、EV走行のみでは賄えない可能性があります。

PHEVを充電せずに使用するメリットはある?

PHEVは「EV走行を可能としたエンジン車」とも定義でき、セールスマンから伺った話にもあったとおりエンジン単体でも走行することはできます。

では、PHEVを充電せず、ガソリンのみで使用するメリットはあるのでしょうか?

筆者は非常時にこそ、ガソリンを使用して発電できるPHEVのメリットを充分に活かすことができると考えています。

PHEVにある程度ガソリンが給油されていれば、非常時に充電ができなくてもガソリンがなくなるまでは車を走らせることができますし、PHEVを家庭に電力を配給するための移動式電源として使うことも可能だからです。

日本のPHEVで代表的な車種となっている、三菱 アウトランダーPHEV

バッテリーの充電がなくて走らせられないトラブルを避けられたり、複数の充電方法が仕組みに取り入れられていたり、災害時には生き延びるためのエネルギー源となったり、さまざまな使い方をすることができます。

2030年代に、世界に点在する自動車メーカー各社がエンジン単体からEVへシフトしていくと考えられていますが、日本の各メーカーが取り組んでいるPHEVを搭載した車も将来の自動車業界に残していくべきでしょうし、ユーザーも選択肢のひとつで考えてよいのではないでしょうか。

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執筆者プロフィール
長谷川 優人
長谷川 優人
1990年生まれ。30代突入と同時期にライター業を開始。日常系アニメと車好き。現在所有はワゴンR(MH95S)。アニメ作品の聖地巡礼などで、各地へドライブに出かける。

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