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あのエモ装備は海外からの圧力によって消えた?走行時の“キンコン音”消滅の真相

2代目シビックが最後まで標準装備としていたが……

高速道路
©︎beeboys/stock.adobe.com

1986年の義務化廃止以降も、日本国内で流通する車に対しては、速度警告音を出すための装備が装着されていましたが、次第に姿を消していくようになります。市販モデルの標準装備で残っていたのは、2代目のホンダ シビックが最後です。

キンコン音自体は2000年代の初頭まで生き残っており、一部車種でディーラーオプションとして装着することができました。ただ、2010年以降はディーラーオプションの設定もなくなり、キンコン音は完全に姿を消します。

現在市販されている車では、軽自動車で85km/h以上、普通乗用車で105km/h以上出しても、キンコン音が流れることはありません。そもそも現在、高速道路の一部区間では、キンコン音のなる速度を大幅に超えた最高速度である120km/hが設定されている区間もありますし、車の性能や道路事情が昭和49年当時から大きく変わっているのです。

「キンコン音」を思い出すと懐かしい気持ちに…

@show999/stock.adobe.com

筆者がこの音を聞いていたのは、平成元年式のトヨタ カムリの中です。子供だった筆者は、高速道路を走行していて、心地よい揺れから睡魔が襲ってくる中、薄れゆく意識の中で「キンコン・キンコン」という音を聞いていました。

当時、運転していた父は、キンコン音が鳴ると寝ている家族を起こしてしまうと気を使い、なるべくキンコン音が鳴らないように速度調整をして、レジャー帰りや里帰りの時に運転していたようです。

今や不要としか思えない装備ですが、当時は子供ながらに父親の気遣いを運転中に感じられる瞬間でもありました。キンコンとなることで、ドライバーに注意を促すとともに、多くのドライバーに対して「安全に家に帰る運転をしよう」と思い直すきっかけを与えていたようにも思います。

当時、キンコン音を聞きながら運転していた人にはもちろん、その音を聞きながら助手席や後部座席で車に揺られていた人にとっても、懐かしい音だと思います。

完全復活の必要はありませんが、ON・OFFスイッチをつけて、現代の車にも取り付けられるとうれしくなる装備の一つではないでしょうか。少々エモさも感じることができそうです。

名前で損してそうなクルマ

トップシェードがあると、あの機能が作動しない…?

同乗していて『イヤだなぁ』と感じる瞬間

執筆者プロフィール
Red29
Red29
1980年代生まれ。国産ディーラーでの営業職として働き、自動車関連の執筆者として独立。ユーザー目線に立った執筆を心掛けています。愛車はトヨタプリウス。ホットハッチに代表される、小規模小パワーのクルマが...

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