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EVへの乗り換えは、経済面も含めて本当にエコ?ディーラーマンの回答が優秀すぎた

日本の車に対する税制度にも批判的な意見が

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日本には車の整備状況を管理するため、車検制度があります。その際に2年分まとめて支払う税金があるのですが、このうち重量税は、新車登録から13年経過している場合に課税額がアップする仕組みになっています。

たとえば1.5トンの車であれば新車と比べて年間9,600円の差となり、1回の車検では2年分となる1万9,200円の負担増になります。

これに関しては、「13年過ぎたら負担増って仕組みおかしくないか?車を長年大事に使ったら重課税って意味わからないわ」「国に愛車を捨てろって言われてる…。環境のためだか知らないけど、税金で嫌がらせは違うでしょ」と非難が集まっています。

自動車は機械であるため、経年で不具合が起こりやすくなったり、燃費性能が悪くなりやすいのはたしか。しかし、車を長く愛したい人にとっては、納得がいかない制度であるのは間違いないでしょう。

また日本は災害が多いため、「EVに集中するのは危険では?」という意見も見られました。充電ステーションなどが災害でダメージを受けた場合、充電できなくて困るのではと心配している方もいるようです。

無理してでもEVにすべき?ディーラーの見解も聞いてみた

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いろいろな条件が複雑に絡みあうため、「EVへの乗り換えを急ぐべきか」という論争には決着をつけにくいもの。しかし素人ではなく専門家ならどうかと思い、EVを取り扱うディーラーさんに話を伺うことにしました。


――現在、新車登録から13年で課税額が上がる仕組みになっていますが、実際に車は13年前後で環境に対する負荷は増すものでしょうか。

ガソリン車の燃費で言えば、13年が経過するより前から悪化していくはずです。さらに消耗品の交換回数も増えるため、環境への負担が大きくなるという言い方はできると思いますよ。

――実際に環境への配慮からEVを選択する方は多いでしょうか。

胸の内では1つのポイントになっているかもしれませんが、EVを選ぶポイントとして環境配慮を口にされる方はそこまでいらっしゃいませんね。やはり経済的な部分や、先進性を挙げていただくパターンが多い認識です。

――環境保護を第一に考えた時、ガソリン車に乗っている人はEVへ乗り換えた方が良いと思いますか?

環境を考えるのであれば、個人的にはEVへの買い替えをおすすめします。製造時のCO2排出は今の問題であるため、将来的に改善できるのではないでしょうか。ガソリン車の走行燃費を劇的に改善するよりも、実現性のある話に思えます。

ただ一方、経済的な面で見ると無理をしてまで買い替える必要はないと思います。走行距離や自宅の様式によっては、EVの車両価格をペイするのが難しくなるためです。

たとえば個人宅にお住まいなら自宅で充電しやすいですが、マンションだと都度充電ステーションによらなければいけないなど、ライフスタイルによってはEV導入を急ぐ必要はない人もいることは確かですね。


ディーラーの方のお話の通り、どんなに優秀なハイブリッドシステムを採用したとしても、エンジン搭載車の燃費が現在の数値から劇的に改善するのは難しいかもしれません。

それに比べたらEVをとりまくCO2排出量やインフラの問題は、まだ解決できる余地があるということなのでしょう。

しかし、日本に住むすべての自動車ユーザーにとって、EVは現時点での最善の選択肢であるとはまだまだ言い難いようです。

環境への配慮という大きな視点も大切ではありますが、自分のライフスタイルや経済的事情を鑑みて「現時点では保留」という選択を取ることも、まったく間違いではないでしょう。

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執筆者プロフィール
小高皐月
小高皐月
1979年生まれ。会社員を経て、知人の縁で編集プロダクションに就職。子育ての経験を活かして様々な記事を担当していたが、取材をきっかけにドルオタ化。クルマを走らせながら一人でカラオケするのが大好きで、歴...

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