更新
「高速道路でのエンジンブレーキは迷惑?危険?」NEXCO東日本に理想的なブレーキングについて聞いてみた
フットブレーキとエンジンブレーキのどっちを使う?
「速度が出やすい長い下り坂や高速道路では、フットブレーキを使いすぎないようにした方がいい」という話を耳にすることがありませんか?
一方で、SNS上では「エンジンブレーキは迷惑だ」とか「エンジンブレーキを多用していたら警察から注意された」といった議論が行われていました。
エンジンブレーキとフットブレーキ、停止や減速にあたってはどちらを使うのが望ましいのでしょうか?また、後続車が危険と感じるのは実際どちらなのでしょうか?
高速道路の整備などに従事しているNEXCO東日本の担当者に、ブレーキの使い方について話を聞きました。
確かにエンジンブレーキしか使わないのは危険だが……
NEXCO東日本の担当者は以下のように話します。
「一般道路と比較して、高速道路はフットブレーキによる事故が多発する傾向にあります。そのため、やむを得ないとき以外はフットブレーキを使いすぎないように周知しています。
具体的には、フットブレーキを踏んだことで、後続車が止まりきれずに追突してしまうという事故の防止です。車間距離を空けていないことも原因ですが、フットブレーキを強く踏むことで、速度が急激に落ち、後続車のブレーキが間に合わないことが多いようです。
ただし、エンジンブレーキのみの減速では、後続車にブレーキをかけていることがわかりにくく、いつの間にか前方の車に急接近してしまう可能性も高くなります。
そのため、高速道路走行中のブレーキのかけ方としては、フットブレーキを複数回にわけて踏み、ブレーキランプを何回か点灯させ、後続車に減速の合図をすることが重要となります。」
議論になった「エンジンブレーキは迷惑だ」という意見についても前出の担当者に伺いました。
「エンジンブレーキを多用すれば、徐々に速度を落とせますので、決して間違った使い方をしているとはいえません。
しかし、前方が渋滞していたり、故障車が止まっていたりする状態でエンジンブレーキしか使わなかったとすれば、止まりきれないばかりか、後続車が減速していることに気づきにくくなる可能性があります。
エンジンブレーキのみで減速しているところに、後続車が追突・接触してしまうという話は、高速道路上ではまれに聞く話です。
適度にフットブレーキも多用するべきだと思いますし、仮に事故が発生したらおそらく警察も『エンジンブレーキばかり使うのは危ない』と指摘をしたと思います。」
- 執筆者プロフィール
- 室井大和
- 1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...