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「落石注意」…実際の危険性はどれくらい?国交省に聞いたらびっくり回答が
僕は趣味が登山ということもあって、これからの時季は山間部にドライブする機会がグッと増えます。しかし、一般的な道路と違い、山間部の道路には思いも寄らぬ危険が潜んでいるものです。
落石の危険性はどれくらい?国交省に聞いてみた
日常生活の中ではあまり感じませんが、日本の国土の約75%は山だと言われています。そのすべてに道路が通っているわけではありませんが総体的に考えれば、日本では山間部をドライブする機会が多いということになります。
山間部の道路で問題なのは、まずその道幅。日本全国の山の道を走ってきましたが、観光道路を除けば、まず広い道はありません。最近は「酷道」などという言葉も定着しているように、国道や県道でもクルマ1台分の幅しかない道路はざらにあります。また、予算の都合なのか、交通量が少ない道路はメンテナンスが悪く、舗装はガタガタ、穴が開いたまま…。酷い場所になると、ガードレールも壊れたままだったりします。
そんな道を走る場合は、普段以上に気を遣いますが、特に緊張するのがある警戒標識がある場所です。その警戒標識とは「落石の恐れあり」。斜面を岩が落ちている図が描かれた黄色い標識で、皆さんも一度は遭遇したことがあると思います。
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この看板は、落石の危険性がある場所に立っているのですが、果たしてどれだけ危険性があるのでしょうか。国土交通省・道路局企画課に聞いてみました。
「どれだけの頻度、どれだけの確率で落石があるから警戒標識を設置するという規定は特にありません。道路管理者が、ここは過去の実績から考えて落石の恐れがあるからということで、警戒標識を立てていると思います。」
僕が標識がある道を走った時も、路面に岩や石が落ちていたり、上からパラパラと小石が降ってきた経験があります。一番恐ろしかったのは、拳大の石が眼前に落ちてきた時。しかし、道路標識がある場所ではある程度の心構えができますが、そうではない道でも落石の恐れはあります。例えば、舗装されていない林道です。
国道や県道の場合、危険箇所では標識などで注意が促されている他、法面(人工的な斜面)をアスファルトやゴム、金網などで補強していることがほとんどです。しかし、林道は本来は林業用に通していることもあり、国道や県道ほど安全管理が行き届いていません。仕事柄、林道は1年を通じて定期的に走りますが、春先などは大きな岩が道を塞いでいるなんてことも。
危険な道を見た目で見分けるには?
ちなみに、僕の30年ほどの運転経験から鑑みると、落石の危険性がある道や条件には、ある一定の定義があります。第一に地質、地形。切り立った崖や渓谷の間を通した道で、岩がモザイクタイルのように細かく剥がれやすそうな場所では、よく落石があります。また、太古に海底だったと思われる砂岩質の岩も崩れやすくなっています。
上に高山がある、急峻な沢と交差する場所も注意が必要です。大雨の後は、沢沿いを大小の石や岩がガーターを転がるボーリングの球のように落ちてくる時があるからです。樹木が生えて折らず、上に大きな岩があるような場所も危険箇所です。
気象条件も、落石に影響する場合があります。特に落石が多くなるのが、台風などによる豪雨の後です。土がたくさんの雨水を含むことから地盤が緩くなり、落石が発生する危険性が高まります。雪解けのシーズンも危険です。溶けた雪がズレたり、地盤が緩くなることで、落石が起こりやすい環境となるからです。
前述の通り、春に開通したばかりの山道には、路面に石や土がいっぱい落ちていたりします。加えて、動物が多く生息しており、自動車用道路の上に獣道があるような所や、登山道がある場所でも落石が発生しています。
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落石に遭遇したらどうすればいい?
では、落石に遭遇したらどうしたらいいのでしょうか。正直、これは運を天に任せるしかありません。
前述のように、山間部の道は幅が狭く、落石があった場合にとっさに除けられるシチュエーションは稀です。危険箇所は、安全かつ速やかに通過するしかなさそうです。経験からいうと、小石や土がパラパラと落ちている場所は危険が迫っていると言えるので、急いで通過した方が良さそうです。また、大きな岩が落ちていた場合は、迂回せずに引き返した方が無難ではないでしょうか。
超大型と言われる台風が年に何回もやってくる昨今は、落石以外にも倒木や地滑りにも注意が必要です。一番の自己防衛策は、大雨が降ったらしばらくは山間部の道には行かない、ということかもしれません。
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- 執筆者プロフィール
- 山崎 友貴
- 1966年生まれ。四輪駆動車専門誌やRV雑誌編集部を経て、編集ブロダクションを設立。現在はSUV生活研究家として、SUVやキャンピングカーを使った新たなアウトドアライフや車中泊ライフなどを探求中。現在の愛車は...