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「悪魔」を彷彿とさせるS14シルビアオーナー「周りはドン引き…ママ友は出来なかった」
「ルミライズ」でドリフト女子にインタビュー!
2022年10月1日に富士スピードウェイで開催された、女性だけのドリフト大会「ルミライズ」。年齢層もドリフト歴もさまざまな女性たちが、次々にタイヤを滑らせていく姿はまさに壮観そのものでした。
とくに上級クラスでは、プロと見紛うほどド派手なドリフトを披露する参加者も。車両の面でも、アグレッシブなエアロパーツや独特のペイントにより個性を演出する車両が散見されます。
そうしたなか、「悪魔」を彷彿させる強烈な外観のS14シルビアが目に留まりました。待機ブースを訪れてみると、ドライバーと思しき女性のほか、アウトドアチェアに腰掛けるご年配の方々の姿が。どうやらご家族でこのイベントに参加されているようです。
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「ドリフト趣味」を67歳の父と楽しむ
上級クラスで件のS14シルビアを振り回していたのは、普段は工場に勤務しているという「こにゃま。」さん。話を聞くと、なんとご一家でドリフトを楽しんでいるのだとか。
「今回は参加者の立場ですが、一家でドリフトの走行会を主催することもあるんですよ。父は67歳でドリフトをしていて、母の方は走りませんが、毎回イベントのお手伝いをしてくれています。
お家も完全に車を弄るための建物になっていて、リフトもありますし、積載車も置いてありますし……ちょっと見たらビックリするくらいだと思いますね」
ご家族でドリフトにのめり込むケースはなかなか見られるものではなく、なにより「67歳でドリフト」というお父さまには驚くばかりです。
上のお話からすると、「こにゃま。」さんもお父さまの影響でドリフトを始めたように聞こえますが、どうやら最初にハマったのは彼女の方だったそう。
「私が免許を取る頃、ちょうど『頭文字D』が流行っていたんですよね。当時はまだ、S14のCMが流れていました。女優の宝生舞さんが『あの目がたまらんわ~』とか言っているヤツですね。
免許を取って最初に乗ったのは、知り合いから譲ってもらったスカイラインで、自然と走行会なんかにも参加するようになりましたね。長く続けてはいますが、基礎練をすっ飛ばしてしまっているので、まだまだ全然、やっとまともに滑らせられる程度なんです」
保育園の送迎もドリ車で……
インタビューでは謙遜した姿勢を見せるものの、コース上ではS14をド派手に振り回していた「こにゃま」さん。愛機の特徴的な外装は、一体何をモチーフにしたものなのでしょう。
「増田レーシングというところが、サメをイメージした車両でフォーミュラ・ドリフトに参加しているのを見て、『私もこんな感じにしてみよう』と思ったんですよ。このシルビアはサメじゃなくて、何だろう……具体的に何のイメージかはわからないんですけど、アレンジしてこういう風になりました。
カラーも結構変えていて、もともとは母から『もっと女の子らしい車に乗ればいいのに』と言われたことがきっかけで、まずピンクに塗り替えたんですね。それから、40歳を過ぎてもう少し落ち着いた色にしようと思い、今のパープルがかったカラーにしたんですよね」
普段の通勤には別の軽自動車を使っているという「こにゃま。」さんですが、お子さまが小さかった頃にはドリ車で保育園の送迎をしていたといいます。
「小さい頃からこの車に乗せてドリフトに連れて行ったり、なんなら保育園や病院もこれで行っていましたね。いや、周りのママはもうドン引きですよ。なので自然と、ママ友みたいな存在はいませんでしたね」
それでも、走行会やイベントで培われる関係性もあり、人との交流には困っていないのだとか。この大会においても、互いに顔なじみの方が多いようで、競技の合間に参加者間の交流が活発に行われていました。
- 執筆者プロフィール
- 鹿間羊市
- 1986年生まれ。「車好き以外にもわかりやすい記事」をモットーにするWebライター。90年代国産スポーツをこよなく愛し、R33型スカイラインやAE111型レビンを乗り継ぐが、結婚と子どもの誕生を機にCX-8に乗り換える...