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左側通行の国と右側通行の国一覧まとめ|その違いが生まれた理由は?
右側通行が世界では主流
日本はご存知のとおり左側通行です。法律でも「車両は、道路の中央から左の部分を通行しなければならない。」と定められています(道路交通法第17条第4項)。
しかし世界的には左側通行は少数派。右側通行の国が圧倒的に多いことが現状です。外車=左ハンドルのイメージとなるのは、輸入車のほとんどが右側通行の国で生産されている車だからというわけですね。
右側通行と左側通行の国の状況
この地図では青色が右側通行、黄色が左側通行となっています。世界地図で見ると一目瞭然ですね。圧倒的に右側通行が主流ということがわかります。
左側通行の国は
世界では70程度の国や地域が左側通行のようです。日本以外だと次に思い浮かぶのはイギリスではないでしょうか。
ほかにはオーストラリア、ニュージーランド、パプアニューギニア、インド、香港、ケニア、南アフリカ共和国などです。これはかつてイギリスの植民地であった地域となっています。
タイのように植民地になっていない国でも、近代になってイギリスの制度や技術等を取り入れた際に、影響を受けて左側通行となった場合もあるようです。
左側通行の理由
国や地域によってその理由はさまざまです。
日本では武士が右手で刀を取りやすいように、身体の左側に刀を差しているため、という説が有力です(右側通行で対面すると通り過ぎるときに刀同士がぶつかってしまいます)。
そのまま現在でも左側通行となったのは、イギリスの制度を取り入れながら近代化したからです。実は中世まで遡ると世界でもやはり左側通行が多かったということが分かっているそうです。
これも日本の刀の例と同じように、右手で武器を取りやすいためだったという説があります。また、馬車も左側通行だったようです。これもやはり馬に鞭を打つ際に対向車と干渉しにくいことが理由にあるとも言われています。
つまり、左側通行というのはそれなりに合理的な理由に基づくものだということですね。
右側通行の国は
160程度の国や地域が右側通行を採用しているようです。イギリス以外のヨーロッパの国々はほぼ右側通行となっています。アジア、アフリカ、アメリカなどでもイギリス以外との関係が深かった国は右側通行が主流です。
元イギリスの植民地であったアメリカ合衆国でも右側通行となったのは、独立したときにイギリスの影響を捨てたことと、フランスの援助等を受けたからとも言われています。
右側通行の理由
左側通行の理由で説明したように、ヨーロッパの国々も中世までは左側通行が主流でした。
しかし、フランス革命の中で右側通行にしたという記録が残っています。その変更を指示した人物はナポレオンでした。戦術的に有利だったからという説が有力なようです。
ナポレオンはその全盛期、大陸ヨーロッパの大半を支配下に置きました。その過程でナポレオンが道路の整備もしていきました。
そのため広範囲にわたってその影響を受けました。イギリスはナポレオンの支配を受けなかったので、そのまま左側通行が残った形になるのですね。
ここから右側通行が世界に広がっていくことになりました。これもイギリスの例と同じように、大陸ヨーロッパの国々の影響を受けたからでしょう。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...
- 監修者プロフィール
- 鈴木 ケンイチ
- 1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレー...