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ATF交換は必要ない?自分で出来る?適切な交換時期や方法、費用まで
ATFの交換は自分(DIY)で出来る?
ATFの交換は、DIYするには不向きな作業になります。
ハッキリいえば、正しく深い知識がないと適合オイルを調べることも難しく、ディーラーや量販店、ガソリンスタンドなどにあるATF交換用の機械を使ったほうが圧倒的に短時間で終わることに加えて、自身で行う場合は繰り返し同じ作業をする必要があるからです。
というのも、ATFの交換作業自体が何度もオイルの入れ替えを行い、古いオイルと新しいオイルの割合を増やしていく交換方法なので、大量のオイルを使用します(廃油も大量に発生します)。
先ほど例に出したCX-3のオイル量で説明すると、7.8Lのうち5Lくらいを上抜きや、下抜きで抜いたとして、抜いた分新しいオイルを入れるアイドリングをしてAT内のオイルを循環させるという作業を数回繰り返し行い、例えば4回実施したとすると、約20Lのオイルを使用します。
ということは約20Lの廃油処理も考えなければいけません。
20Lを身近なもので例えると、2Lのペットボトル10本分とか、灯油の赤いポリタンク1本分とおよそ同じ量になる油の処分をしなければならなくなるわけです。
ATFチェンジャーという機械があれば、ATFを抜きながら足せるのでオイルを入れたり抜いたりして繰り返し同じ作業をする必要もなく、使用する量も少なく済み丁寧に交換しても10L前後やればオイルの抜き替えが終わります。
また、ゴミが混入しない状況で作業しなければならないという条件もあり、素人が機械なしでやるには、非常に面倒な作業となります。
そもそも、自分の車に適合したオイルを調べる時点で、しっかりとした知識や動作原理を理解していないと、エンジンオイルのように簡単に交換できる類ではありません。
ATFの交換費用
ATFの交換費用は、作業料金と新しいATFの費用を合わせて8,000円~30,000円ほどが相場です。
ATFの価格帯には広い幅があり、純正品だと5,000円前後から購入できるものもありますが、社外品もあり、種類や特性の幅が広くラインナップされています。
ATFの選び方
ATFは価格重視で選ぶのではなく、愛車に適合する特性をもったATFを購入する必要があります(適合する中で安いものを選ぶという意味では問題ありませんが、適合を間違うと直接の故障原因にもなりますので、ディーラーなどで相談するのが最も保証の効く方法といえます)。
というのも、一般的にATFの規格はいくつかあり、代表例がGM社のDEXRONや、FORD社のMERCON、国内市場ではJASO「M315-1A」という3つの規格があります。
細かく分類していくときりがないので説明を割愛しますが、同一の自動車メーカー内で複数種類があったり、そもそも車用でなく航空機用のものを使ったり、オリジナルブレンドでなければならないモデルのものやミッションオイルを使用するモデルなどの例外もあるためです。
ATではなくCVTでも似たような例があり、日産のエクストロイドCVTは専用のトラクションフルードが使用されているため、他のCVTF(CVT用に作られたオイル)がNGであったり、スズキ・ダイハツの乾式複合ベルト式CVTではCVTFではなくギアオイルを使用したりするといったものもあります。
最良はディーラーでの交換がベスト
このようにATFやCVTFの交換は、他のオイル類と比較しても必要となる事前の知識レベルが大きく異なり、ATFやCVTFにはそれらに精通した知識が必要になります。
結果として取り扱うオイルに、大きな価格差と特徴の振れ幅があり、これが要因で交換にかかる費用も車種によっては大きく異なることとなります。
つまり、メーカー指定のATFを利用することがATF交換時の思わぬトラブルを最小限にすることが出来るといえるでしょう。
ATF交換をして、車のもつ性能を維持しよう
オイル関連の作業は、車のもっている性能を引き上げる作業ではなく、車がもっている性能を100%に近づけるためのメンテナンスです。
したがって、新車の時は燃費が良くキビキビ走っていたものが、ATFの劣化が車にとっての負荷にしかなっておらず、加速が悪くなり燃費も悪くなってしまうというケースは十分に考えられます。
各メーカーとも推奨する交換タイミングがあり、定期点検の時でもよいので、一度相談してみてはいかがでしょうか。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...