更新
ハイオクとレギュラーの性質や燃費の違いは?ポイントはオクタン価?
ハイオクガソリンとレギュラーガソリンの性質とは?
貴方のクルマは、どの燃料を使っていますか
ガソリンスタンドに出かけると大抵3色に分かれたノズルが並んでいますよね。
慌てて間違える方はいないと思いますが、給油の間違えが起こらないように給油ノズルは、赤はレギュラー、黄色はハイオク、緑は軽油と色分けがされています。
その中でも多く使われているハイオクとレギュラーについて、その性質を確認しましょう。
そもそもガソリンってどうやって出来るの?
そもそも「原油」「石油」「ガソリン」の違いをご存知でしょうか。
「石油」は海底や地下に堆積した有機物が変化してできたもので、それらが埋蔵されている場所=油田から採掘されます。
採掘されたばかりの、不純物が多くて使えない石油のことを「原油」と呼びます。
採掘されたものは原油と呼ばれ、次の工程である精製作業により、性質のちがう石油製品に分けられます。
それらの石油製品のうち、自動車などの燃料として使うにふさわさしい純度に生成されたものが「ガソリン」となるのです。
性質の差はイソオクタンの割合によって決まる
ガソリンの主成分は炭素「C」と水素「H」の化合物である炭化水素「CH」から出来ていて、その多くはイソオクタン(化学式はC8H18)で構成されています。
また、次に多いのはノルマルヘプタン(化学式はC7H16)になります。
イソオクタンは圧縮熱に強く、ノルマルヘプタンは圧縮熱に弱く自己発火いという特徴があります。
このイソオクタンの割合の違いにより、燃料としての性質に差が生まれ、ハイオクとレギュラーに分かれるのです。
「オクタン価」とは?
主成分にあたるイソオクタン
主成分にあたるイソオクタン=ハイオクタンの割合に「オクタン価」と言う数値を使います。
「オクタン価」は、エンジンの点火系統にて、安定して燃える指標です。
また、アンチノック性を示す指標とも言えます。
ノッキングとはエンジンの不自然な振動や異常音の事で、これを起こしにくくする事をアンチノックといいます。
つまり「オクタン価」が高ければ高いほど、ノッキングが起こりにくくなり、性能の高いガソリンと言えます。
日本のJIS規格では
ハイオクガソリンの場合、「オクタン価」96以上の決まりがあります。
スタンドで販売されているものは98~100のものがほとんどで、良質なものが日本では供給されています。
レギュラーガソリンの場合では、「オクタン価」89以上になります。
ハイオクの「ハイ」は、「オクタン価」が高い「High(高い)」の意味です。
「オクタン価」が高いほど引火性が高く、圧縮熱に強く自己着火性が低い事になります。
ハイオクガソリンとレギュラーガソリンの燃費の違いは?
レギュラーガソリン車にハイオクガソリン
例えば、レギュラーガソリン車にハイオクガソリンを入れたら性能や燃費は向上するのか気になりますね。
基本的には、レギュラー車はレギュラーガソリンを入れた時に最適のパフォーマンスを発揮するよう設計されていますので、ハイオクガソリンを入れても、性能が上がるどころか、燃費が下がってしまう可能性が高いです。
ですが、ケースバイケースで排気量の大きい車や、一部の車種ではハイオクガソリンを入れると燃費が上がるという情報もあります。
ハイオクガソリン仕様車にレギュラーガソリン
また逆に、ハイオクガソリン仕様車にレギュラーガソリンを入れたらどうなるかも気になりますね。
こちらの場合、古い車でない限りハイオクガソリン車にレギュラーガソリンを入れた時、ノッキングセンサーという点火セッティングを調整するコンピューター回路がありまして、実害はないようになっています。
まれな状況下においてレギュラーガソリンしか入れられない状態は「想定済み」のようです。
ですが当然、ハイオクガソリンを使った時と比べて、高回転域まで使った時のみ10%前後パワーダウンするといわれます。
ハイオクガソリンとレギュラーガソリンは混ざりにくい
ハイオクガソリンの成分に含まれる洗浄剤、摩擦調整剤により分子構造が異なるため、ハイオクとレギュラーは簡単には混ざりません。
ハイオクガソリンとレギュラーガソリンを混ぜた場合
それでもハイオクとレギュラーを混ぜたとしても、車は走れます。違う種類のガソリンが入れられても、ノッキングセンサーのコンピューター制御によって調整できる機能がついているからです。
ハイオク限定車に注意!
ハイオク車の中にはハイオク限定車というクルマがあります。
こちらに限っては、燃費が落ちるか試してみないようにお願いします。ピストンの圧縮比が高いエンジンが搭載されている場合があるためです。
ハイオク限定車にレギュラーガソリンを入れると、スムーズにピストンが回転出来ないだけでなく、エンジンに重大なダメージを与えてしまう事もあり得ます。
軽油に要注意!
ただし、ディーゼル車の燃料になります軽油を入れると自動車が走らなくなります。
レギュターガソリンやハイオクガソリンとは異なり、まったく性質のちがう石油製品に分けられますので走らないどころか、故障したり、廃車になったりする恐れもあります。
したがって、ガソリン車に軽油、軽油車にガソリンも絶対にやめてください。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...