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クリーンディーゼル車を大事に乗るために!普段から注意したい注意点とメンテナンス方法とは?

車のメンテナンスのための各種ツール
©Kabardins photo/stock.adobe.com

愛車のメンテナンスは、ついつい後回しにしてしまいがちではないでしょうか。
車を通勤に使っている方の場合、「朝は時間がなくてなかなかできていない…」、という方もいらっしゃることでしょう。
しかし、車の調子を維持するためには、日ごろのメンテナンスがとても重要となります。

日ごろのメンテナンスはガソリン車、クリーンディーゼル車どちらも大切です。
メンテナンスを怠れば、車の年式が古くなるにつれさまざまな箇所が劣化し、気づいたときには修理代が何十万円もかかってしまうなんてことにもなりかねません。
なかでもクリーンディーゼル車は、クリーンディーゼル車にしかないパーツが多く存在し、特有の故障などもあるため注意が必要です。

今回はクリーンディーゼル車のメンテナンス方法や、よく起こるトラブルについて分かりやすく解説していきます。

クリーンディーゼル車とは?

車から排出される排気ガス
©kv_san/stock.adobe.com

クリーンディーゼル車とは軽油を燃料として走る車のことを指します。
大きなパワーが特徴的なクリーンディーゼル車は、山道など足場の悪い道でも比較的スムーズに走行することができます。
また、高速道路のような高負荷の走行も得意としているため、長距離を頻繁に乗られる方にはピッタリな車だといえるのではないでしょうか。

船などの大きな機械に使用されることの多いディーゼルエンジンは、構造上、軽自動車など小さな車には使用することができません。
車でもバスやトラックなどの大型車に多く使用されている歴史を持ち、ガソリン車よりも乗用車としての歴史は浅いのです。

ガソリンとは違う部分が多いため注意すべき箇所も異なる?

クリーンディーゼル車とガソリン車との大きな違いは、以下の4点です。

  • 使用する燃料(軽油)
  • エンジンの燃焼方法(自然発火方式)
  • 排出する排気ガスの成分(主な成分PM、NOx)
  • 排気ガスを浄化する装置(DPF装置、尿素SCRなど)

細かく見るとたくさんありますが、上記の4点が大まかな違いとなります。

まず、クリーンディーゼル車で使用する燃料は軽油です。
点火プラグを用いて強制的に爆発させるガソリン車と違い、クリーンディーゼル車では圧縮した熱を利用し自然発火させています。
自然発火をさせるためには、大きなパワーで空気と燃料を混ぜた混合気を圧縮しなければなりません。
つまり、ガソリン車よりも混合気を圧縮する力は大きいのです。

そして排出するガスの成分にも違いがあります。
ガソリン車での排出ガスの主な成分は「CO(一酸化炭素)」「HC(炭化水素)」ですが、クリーンディーゼル車では「PM(粒子状物質)」「NOx(窒素酸化物)」が主な成分となります。
排出ガスの成分が違えば、その成分を浄化し無害に変換する装置も違うものを使用しなければなりません。
クリーンディーゼル車では、「DPF装置」や「尿素SCRシステム」を採用し、有害な排出ガスをできるだけ大気に放出しない努力を行っているのです。

以上の点がクリーンディーゼル車の大きな特徴だといえます。
ここだけ見てもガソリン車とかなり違っていることを、理解できたのではないでしょうか。
ではクリーンディーゼル車を使用するにあたり、注意すべき箇所をご紹介していきます。

クリーンディーゼル車はガソリンに比べエンジンオイルが汚れやすい?

オイルポットから注がれるオイル
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名前にクリーンと付けられていますが、クリーンディーゼル車のエンジンオイルはガソリン車よりも汚れやすいという特徴を持ちます。
理由は、燃焼室に直接燃料を噴出しているためです。

ガソリンエンジンではディーゼルエンジンと違い、空気と燃料を混合させる部屋が設置されています。
しかし、ディーゼルエンジンでは混合気を圧縮させ、その熱を利用していることから、どうしても燃焼室に直接燃料を吹かなければなりません。
また、「インジェクター」と呼ばれる燃料噴出装置内には、高い圧力で圧縮された燃料がいつでも噴出できる状態で待機しています。
ディーゼルエンジンでは、燃料を噴出する圧力も利用し、高い圧力を作り出しているのです。

「燃焼室に直接燃料を吹きかけると、どうしてエンジンオイルが汚れやすいの?」と疑問に思う方もいることでしょう。
なぜならば燃焼室を構成させているパーツは、ピストン、シリンダーヘッド、バルブの3つからなり、ご存じの通りピストンの回りにはエンジンオイルが潤滑しています。
ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比べ、未燃焼ガスやススが発生しやすいという特徴を持ちます。

ディーゼルエンジンで発生したススなどの汚れが、ピストンの回りをつたいエンジンオイルに溶け込むことで汚れやすくなるのです。
また、ディーゼルエンジンのエンジンオイルは増えることもあります。
理由としては、ディーゼルエンジンでは燃焼を促すため、2~5回ほどに分け燃料を噴出しており、どうしても液体のまま燃えきらない燃料ができてしまうためです。
その燃えきれなかった液体の燃料がシリンダーブロックなどに落ちることで、エンジンオイルと混ざりオイルが増えたように見えます。

燃えカスや燃え残った燃料はエンジンオイルからすればゴミです。
ゴミを含むと劣化の原因となってしまい、結果エンジンオイルの性能ダウンにつながってしまいます。

【メンテナンス】こまめなオイル管理が大切

クリーンディーゼル車では、ガソリン車よりもこまめなオイル管理が必要だといえます。
理由は先ほど述べたように、ガソリン車よりもエンジンオイルが汚れやすいためです。

また、燃焼室に直接燃料を吹きかけるディーゼルエンジンでは、うまく燃えなかった燃料がピストンの隙間から落ち、まるでエンジンオイルが増えたように見える現象も発生します。
つまり、オイル交換を怠っていると気づかないうちにオイルの量が増え、ピストン運動の抵抗になってしまうのです。

そうなると燃費の低下につながるため、定期的なオイル交換はクリーンディーゼル車にとって必要不可欠なメンテナンスだといえるでしょう。

クリーンディーゼル車を連想させるメーカーといえば、三菱かマツダのイメージが強いのではないでしょうか。
このエンジンオイルは、マツダ純正ディーゼル用のエンジンオイルです。

基本的にディーゼル車用のエンジンオイルには、「DL-1」という規格を使用します。
トラックなど大型車の場合は話が変わりますが、乗用車ではこの規格で大丈夫です。

しかし、マツダのスカイアクティブは少し特殊なエンジンとなっているため、スカイアクティブ専用のエンジンオイルがあります。
スカイアクティブエンジン搭載車のエンジンオイルを交換する際は注意しましょう。

クリーンディーゼルのエンジンオイルは洗浄効果が高いって本当?

クリーンディーゼル車用のエンジンオイルには、清浄分散効果のある添加剤が多く含まれています。
そしてクリーンディーゼル車に、ガソリン車用のエンジンオイルを使用することはできません。

理由はディーゼル用のエンジンオイルは軽油が燃焼工程で発生した、「硫黄酸化物」を中和させるアルカリ成分が、ガソリン車用のエンジンオイルよりも多く入っているためです。
硫黄酸化物とは、燃料が燃えた際発生する燃えカスであり、エンジンおよびその他のパーツを腐食させてしまうという特徴を持ちます。

そして、硫黄酸化物はガソリン車よりもクリーンディーゼル車の燃焼工程で多く発生します。
そのため、硫黄酸化物を中和させるための添加剤が、ガソリンよりもディーゼル用のエンジンオイルの方が多く含まれているのです。
つまり中和作用を持っていて添加剤の少ないガソリン用のエンジンオイルを、クリーンディーゼル車に使用し続けると、車にダメージを与えてしまいます。

またディーゼルエンジンは、圧縮圧力がとても高いという特徴を持ちます。
圧縮比の低いクリーンディーゼル車も開発されていますが、クリーンディーゼル車の一般的な圧縮比はガソリン車の約1.5倍であり、良い圧縮が行えなければエンジンの動きは極端に悪くなり、ノッキングの原因にもなりかねません。

そのためディーゼル用のエンジンオイルは、比較的粘度が高く、ガソリン用のエンジンオイルに比べて選べる粘度の幅も狭いのです。

この2点をまとめるとディーゼル用のエンジンオイルは、

  • 清浄分散作用が高い
  • 粘度が高く選べる粘度幅が狭い

という特徴を持ち合わせています。

これらの理由によってクリーンディーゼル車には、ガソリン車用のエンジンオイルを使用することができないのです。

実は街乗り用には向かないクリーンディーゼル車

カナダのトロント市内を走るトラム
©Raicho/stock.adobe.com

乗用車に使用されているディーゼルエンジンですが、実は街乗りには適していません。
もともとディーゼルエンジンは、船や大型車のみに使用されていたエンジンです。
乗用車に使用されるようになったのは、ガソリンエンジンよりも遅く、軽自動車にはそもそもディーゼル車自体がありません。

理由としては大きな圧力が必要であるため、エンジンの小型化が難しいのです。
そしてディーゼルエンジンは、燃焼室に直接燃料を吹きかけ爆発を発生させています。
得意とする走行シーンは、高速道路や山道などの、アクセルを思いっきり踏み込むなどエンジン負荷の大きい場面であり、エコ走行と呼ばれるエンジンに対し負荷の小さい走りは苦手なのです。

では、クリーンディーゼル車は、なぜ負荷の大きい走りが得意なのでしょうか。

ストップアンドゴーを繰り返しているとススがたまりやすい

街乗りでは信号などが多くストップアンドゴー、つまり停車したり発進したりという動作を多く繰り返します。
クリーンディーゼル車の特徴として、街乗りなどではエンジン内にススなどの燃えカスがたまりやすく、未燃焼ガスも発生しやすい状況となります。

理由は最もトルクが必要な停車時からの発進は、多くの燃焼を必要とするためです。
クリーンディーゼル車は大きな力が必要な場合、燃料を増やすことでパワーを作り出します。
つまり大きなパワーが必要な場合、空気に対して燃料の濃度が濃くなるということです。

そうすると、どうしても燃焼しない燃料が出てきてしまい、ススなどの燃えかすがどんどんたまっていきます。
逆に高速道路などの負荷の大きい走りでは、燃料と空気の割合がうまく保たれており、ススなどの汚れが出にくい傾向にあります。

また、エンジンが暖まることでたまったススなども燃やしきってくれるため、エンジン内をきれいな状態に保つことができるのです。

しかしエンジン内部に固着したススなどは、簡単に落とすことができません。
たまったススを燃やしてくれるといっても、頑固にこびり付いてしまえば取り除くことは難しく、燃焼室やシリンダー内に汚れがたまってしまうと、ノッキングの原因になり得ます。


つまり、定期的にカーボンやススを取り除いてあげることが、クリーンディーゼル車を長く乗り続けるためには大切なメンテナンスだといえるでしょう。

では目視で確認することも、簡単に掃除することもできないエンジン内部をどうやってキレイにすれば良いのでしょうか。
オススメなのは、定期的に燃料添加剤を入れてあげるという方法です。

燃料添加剤にはたまったカーボンやススなどの汚れに浸透し、エンジンの爆発と同時に汚れを焼いてくれるという効果があります。
即効性はないものの、長く使っていくことで頑固な汚れを取り除く効果が期待できます。

この商品は有名な燃料添加剤です。
ガソリン車とクリーンディーゼル車どちらにも使用することができ、洗浄効果も高いことから根強い人気を誇ります。
一度も入れたことがないという方は、試してみてはいかがでしょうか。

燃料添加剤を入れる際はタイミングが重要

燃料添加剤を入れるタイミングは、

  • 燃料満タン
  • エンジンオイル交換前

この2つのポイントに注意しておきましょう。

基本的に燃料添加剤を入れるタイミングに決まりはありませんが、燃料に注入し希釈しながら使用する添加剤なので、燃料を満タンにした状態での使用をオススメします。
逆に、燃料が少なすぎた場合、添加剤の濃度が濃くなってしまうので注意が必要です。

また、先ほどもお伝えしましたが燃料添加剤はエンジンルームや、燃料の通路に溜まった汚れを落とす効果があります。
浮かせた汚れは、再度燃焼させたり固着をはがしたりすることで落としているのです。
その汚れはエンジンオイルによって回収され、結果的にエンジン内をキレイに保つことにつながります。

つまり燃料添加剤を注入すると、通常よりもエンジンオイルが汚れやすい状態だということです。
せっかく新しいエンジンオイルに変えても、燃料添加剤の効果でエンジンオイルが汚れてしまってはもったいないですよね。

また、エンジンオイルを交換したばかりだと、次回交換まで取り除いた汚れが再度、エンジン内を循環してしまうことにもなりかねません。

燃料添加剤を使用する際は、以上の点に気を付けることで添加剤の効果をさらに向上させることができます。

ススがたまるのはエンジン内部だけじゃない!

最新式のスポーツマフラー
©fabrus/stock.adobe.com

クリーンディーゼル車ではガソリン車には取り付けられていない、DPFという装置があります。
この装置はクリーンディーゼル車から排出される粒子状物質(スス)を吸着させ、ある程度たまれば高温の熱で焼き、たまったススを取り除きます。
たまったススを取り除く作業は「DPF再生」とよばれ、通常は高負荷のかかった走行中に自動で行われているのです。

定期的に行われるDPF再生ですが、再生頻度はススのたまり具合によって変わります。
高負荷で走行中はススが発生しづらくなります。
それに対し街乗りなど低負荷の走行中はススがたまりやすく、当然DPF再生頻度も短くなってしまうのです。

しっかりDPF再生がされているならいいのですが、低負荷での走行を続けているとDPFに与える熱を作り出すことができず、ずっと再生されない状況になってしまう場合もあります。

最悪の場合、チェックランプが点灯しアクセルを踏み込んでも速度が上がらない、などの症状が現れるため注意しましょう。

定期的に高負荷の運転を心がけてあげれば車の調子が良くなる

クリーンディーゼル車が街乗りに向かない大きな理由は、燃焼がうまく行われず未燃焼ガスやススが発生しやすくなってしまうからです。
高負荷で運転した場合、スムーズな燃焼が行われているためエンジン内にススがたまりづらくなります。

また、高負荷走行では燃焼がスムーズに行われるだけでなく、低負荷でたまってしまったススなどを焼き、排出してくれるのです。
クリーンディーゼル車においてススがたまりすぎて、燃焼に影響を及ぼしてしまうほど汚れがたまるということは、エンジンを壊してしまう可能性が高くなります。

ノッキングの原因やパワーがでないなど、トラブルも増えてしまい長く乗り続けることは困難となってしまうでしょう。
エンジン内部の汚れは簡単に落とすことはできません。

キレイにしようと思った場合、エンジンのオーバーホール、つまりエンジンを車から取り外しさらに分解、洗浄が必要となってきます。そうなると金額や時間がかかります。
そうならないためにも、そもそも汚れをためないというメンテナンスが最も重要なのです。

そして簡単にエンジン内の汚れを取るメンテナンスとして、高負荷での走行が挙げられます。
普段街乗りしかしていない、近距離での走行が多いという方は、ススがたまり固着してしまう前に長距離ドライブをしてみてはどうでしょうか。

クリーンディーゼル車の燃料は地域によって違うの?

疑問符のカードを持つ女性
©New Africa/stock.adobe.com

クリーンディーゼル車は、寒い地域でエンジンがかかりづらくなります。
しかし北海道などの寒い地域でも、クリーンディーゼル車は普通に走っています。
理由は軽油の種類にあり、軽油には数種類の規格が存在し規格によって、

  • 引火点
  • 流動点
  • 目詰まり点
  • セタン数値

などさまざまな数値が変わるのです。

セタン数値とは、軽油にのみ使用される数値であり、自己着火のしやすさやノッキングのしにくさを総合し数値として表しています。
数値が大きくなればなるほど、ノッキングが起こりづらく自己着火しやすい軽油だといえるのです。

余談ですがこのような数値はガソリンにも存在し、ガソリンでは「オクタン価」という数値を用いてノッキングの起こりづらさを数値化しています。

例えば特1号という規格では引火点は50℃以上ですが、特3号では引火点が45℃以上となります。
つまり特1号よりも特3号の方が、寒い地域でも燃焼しやすい燃料であるといえるでしょう。

このように軽油は販売されている地域で規格が違っており、地域にあった軽油を入れ走行することが大切なのです。

寒冷地に行くなら現地で燃料補給を

もしクリーンディーゼル車で旅行に行く際は、燃料補給の際に注意が必要です。
関西圏など温暖な地域に住んでいて、北海道など寒冷地域にクリーンディーゼル車で旅行に行く際は、現地で給油を行いましょう。
理由は規格が違うと寒い地域ではエンジンがかからなかったり、軽油が凍ってしまったりする可能性もあるためです。

エンジンがかからないだけなら良いですが、燃料が凍ってしまうと燃料の通路が膨張し割れてしまうなどのトラブルに発展しかねません。
「では寒冷地へ旅行に行きたい場合どうすれば良いの?」という疑問も出てくることでしょう。

クリーンディーゼル車に備え付けられてある説明書にも書かれていますが、寒冷地に行く際は燃料を1/2まで減らし、現地で給油するという方法が一般的です。
現地で売られている規格の軽油を混ぜることで、できるだけ燃焼しやすい状態にしてくれます。

軽油は地域ごとに数種類存在

軽油には数種類の規格が存在するのですが、規格によって具体的にどのくらい違うのかをご紹介します。

特1号 1号 2号 3号 特3号
引火点 50℃以上 45℃以上
流動点 +5℃以下 -2.5℃以下 -7.5℃以下 -20℃以下 -30℃以下
目詰まり点 -1℃以下 -5℃以下 -12℃以下 -19℃以下
セタン数値 50以上 45以上

この表では分かりやすい数値だけを抜粋しご紹介しています。
見ていただけると分かるのですが、特1号が温暖な地域用の軽油であり、数字が上がるほど寒冷地に適用できる軽油となっています。
特に流動点に関してはかなり幅が大きく、特1号の軽油で冬の寒冷地に行けば軽油が流れずエンジンがかからない、というトラブルに発展してしまうと容易に想像できることでしょう。

燃料の入れ間違いは絶対にNG

NGサインをする手
©Hanasaki/stock.adobe.com

クリーンディーゼル車で、最も気を付けなければならない点が燃料の入れ間違いです。
これは絶対にしてはいけないミスであり、特に普段ガソリン車に乗っている方などが、クリーンディーゼル車をレンタカーなどで借りた場合に起こる頻度が高いトラブルとなっています。

ではなぜ燃料を入れ間違えただけで車が壊れてしまうのかというと、燃料が爆発するタイミングが大きく違っているからです。
ガソリン車とクリーンディーゼル車を比較した場合、クリーンディーゼル車の方が圧倒的に圧縮圧力が高くなっています。
つまり狭い部屋に空気を押し込む力が強いということです。

また、自己着火のクリーンディーゼル車に比べ、ガソリン車では点火プラグによって強制的に火をつけます。
クリーンディーゼル車にガソリンを入れてしまった場合、爆発のタイミングがずれノッキングやパワー不足が起こるだけでなく、ガソリンは流動性が悪い、つまり流れづらいため燃料ポンプや燃料を噴出するインジェクターが破損してしまう可能性もあります。

もしクリーンディーゼル車にガソリンを入れてしまったなら、すぐにエンジンを止め修理工場へ持って行きましょう。

修理ではインジェクターの交換が必要になることも

燃料を入れ間違った場合、修理代は高額になります。
理由は先ほどお伝えしたように、インジェクターや燃料ポンプを交換しなければならないためです。

しかし燃料の入れ間違いに気づき、すぐにエンジンを止めたなど損傷具合が少ない場合は、再度使用できる可能性も高くなります。
その判断は車の状態を見てみないと分からないので、対応してくれた整備工場で確認しましょう。

燃料を入れ間違った場合でも、車は走行します。
しかし気づかず走行し続けていると、さまざまなチェックランプが点灯し最終的にはエンジンがかからなくなってしまうため、普段乗りなれていない車を給油する際は給油する燃料には十分に注意しましょう。

ガス欠にも注意!

燃料残量の警告灯
©PixieMe/stock.adobe.com

クリーンディーゼル車ではガス欠に注意しなければならないと、聞いたことがある方も多いと思います。
なぜかというと、燃料が無くなってしまったり極端に少なかったり場合、燃料のホース内に空気が入り込みます。

「エアがかんでいる」とも呼ばれる現象で、燃料の中に空気が入り込むとインジェクターから燃料を吹くことができなくなってしまい、結果、エンジンがかからないなどのトラブルに発展してしまうのです。

何度もお伝えしていますが、クリーンディーゼル車は圧縮による熱を使用し爆発を引き起こします。
これは軽油が混ざった混合気の場合に限った話であり、軽油が含まれていない空気をいくら圧縮しても爆発を引き起こすことはできません。
この現象がエンジン内で起こることにより、エンジンがかからないというトラブルが発生しているのです。

対処方法としては燃料を補給し、入り込んでしまった空気を抜けば解決します。
古い車ではエア抜き用のつまみやボタンがあったようですが、現在のクリーンディーゼル車は、キースイッチをオンにして数回回すと、自動でエアが抜ける仕組みになっています。
一度エンジンがかかってしまえば、エアが抜けているということなのでそのまま走行することが可能です。

もし気になる方は数分間アイドリングを行い、燃料の通路を一巡させると安心できるのではないでしょうか。

執筆者プロフィール
MOBY編集部
MOBY編集部
新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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