更新
車中泊も快適!バンの車内にカーテンを取り付ける5つの方法
キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です
我が家のアルトピアーノは、トヨタの商用車タウンエースバンをベースにした車中泊仕様の簡易キャンパーです。
大人2名が就寝できるソファベッドに、家電も使えるサブバッテリー・システム+1500Wインバーターを備えており、車中泊をするのに過不足なく使用できるお手軽さが魅力。
しかし、いかんせん内装はベース車の商用バンのままなので、「趣」とか「雰囲気」というものが全くありません。
たった一晩の事とは言え、ただ眠る事ができれば良いというものではなく、そこには、車内に居る事や食事や宿泊する事を楽しめる空間、くつろげる空間というものがあって欲しいと考え、アルトピアーノ車内の快適リビングルーム化に取り組むことにしました。
目次
車内をカスタムする上でのテーマや目標
まず、自分にとって「趣」や「雰囲気」がある車内、「居る事が楽しい」「寛ぎの空間」とはどんな空間なんだろうか…という事をイメージする事から始めました。
アルトピアーノには、車内居住部分の大部分をソファベッドが占め、車両後部の左右に、電装系のコントロールパネルと、オプションの冷凍冷蔵庫が備え付けられています。
収納スペースは一切なく、各々の上部が木製の棚のようにしつらえられているのみで、戸棚や引き出し等は一切ない極めてシンプルな車内です。
シンプルで質素な車内は、余計な備品や家具類が設置されていないため開放的、かつ四方にある窓によって非常に明るく、筆者はこの開放的で明るいアルトピアーノの室内をとても気に入っています。
そのため、インテリアをカスタムするに当たって、まず以下の2点を決めました。
- 車内の明るさを損なうようなカスタムはしない
- 車内の開放感を損なうようなものを設置しすぎない
しかし反面、四方に窓があり遮るものがないため、車内は外から丸見えでプライベート感がないのも事実です。
元が商用車なので、プライバシーの確保が意識高く作られていないのは当然なのですが、キャンピングカーや車中泊車両として使用する以上、ある程度のプライバシーの確保は必須。
「明るく」「開放的」な空間を損なわない一方で、外部からの視線を遮ってプライベート感のある車内作る…という点にカスタムの目標を置く事にしました。
ちなみにこれらのカスタムは、あくまで外部からの視線を遠ざけるためのもので、就寝時などに完全に外界と遮断した空間を作るための「目隠し」ではありません。
「目隠し」用には、販売店オプションの「遮光パネル」を購入していますので、就寝時にはパネルを取り付けることで外部からの視線を完全に遮断しています。
エアリーでナチュラル系、快適な癒し空間を志向
そもそもの話しをすれば、アルトピアーノの購入動機は、自然の中でオートキャンプをするのはもちろんですが、よく考えていたのが、ドライブ中に車内で休憩や食事が取れる、のんびり過ごせるクルマが欲しい…ということでした。
そのため、車内で気持ちよく過ごせることが車内作りの大きなテーマである事は確かで、目指したのは、「モノトーンの無機的な空間」や「ポップでカラフルな空間」「贅沢なラグジュアリー空間」等ではなく、「エアリーでナチュラルな車内にそよ風が渡るような空間」でした。
こうして、自分の好みのイメージを固めていき、明るく開放的な良さを損なわないよう、透け感のあるふんわりしたカーテンや、コットンのようなナチュラルなイメージのカーテンを取り入れ、外部からの視線を遮ることにしました。
場所によってカーテンの取付方法は5パターン
アルトピアーノは、タウンエースバンのままの鉄板むき出しのところが多く、乗用車のような快適装備や豪華な内装・インテリアとは無縁です。
しかし、筆者の車両はGLグレードのため多少は内装が施されている部分や、キャンパー仕様のオプションが装備されている部分もあり、逆にそれがカーテン設置の方法をいくつも考えなければならない原因となっていました。
例えば、窓の周囲に鉄板があれば「マグネット」での設置が最も簡単で確実な方法ですが、内装が貼られていたり、何らかの装備でマグネットでの取り付ける事が難しい場合は、その場所に応じた取り付け方を考案しなければなりません。
その結果、最終的にカーテンを取付ける場所によって5種類の設置方法を考案することとなりました。
カーテン設置時の自分ルール
タウンエースバンの車内インテリアをカスタムする上で、2つの自分なりの禁止ルールを設けました。
- 突っ張り棒(伸縮タイプ)は使わない。
- カーテンレールは使わない。
これらの理由は簡単で、走行中に「ガチャガチャ」「カタカタ」とった騒音がうるさいためです。
まんま商用バンのタウンエースバンは、ただでさえ騒音やノイズへの対応が重視されていませんので、走行中に余計な音を出すものをさらに増やしたくなかったためです。
スチールパイプとカーテンリングによる取付け方法
タウンエースバン車内で、最も先にカーテン設置に取り組んだのは左右のリアクオーターの窓でした。
この部分は、周囲に内装が貼られていて鉄板部分がないので、もっとも簡単なマグネットによる設置ができませんが、加工用のネジ穴を利用して窓の上部にパイプを渡し、カーテンリングでカーテンを吊る方法を考えていました。
そこで、ネット通販等でタウンエース車内に取り付けられるパイプを探したのですが、なかなか思うようなものが見つからないし、見つけても直径25mmのステンレスパイプ90cmで1,500円前後とかなり高額。
最悪それを使うにしても、もっと安価に入手できるパイプはないかと探した結果、ディスカウントショップで「スペーシアパイプ」という製品を見つけ、こちらを使用することに。
スペーシアパイプは、高機能プラスティックを密着被覆した「溶融亜鉛メッキ鋼管」(要は周囲をプラスティックで覆った鉄パイプ)ですが、いわゆるステンレスパイプよりも軽量で、皮膜に色を付けられることから、赤白青緑茶などのカラーも豊富で、そして何より90cmで298円と非常に安価であることに魅力を感じました。
また、取付けもアルトピアーノ車内への取付けにちょうどよい形状のものが専用ブラケットとして発売されており、6mのタッピングで簡単に取り付ける事ができる点も大きなメリットです。
ただ予想していなかったのは、パイプからカーテンクリップまでの距離が空く点です。
ブラケット下向きの場合、窓の上部に3cmほどのカーテンがかからない部分が生じてしまいましたが、これは、ブラケットを上向きに使う事でパイプ位置を上げ、カーテンが窓よりも上になるように設置できました。
一部に想定外の出来事がありましたが、ブラケットを逆向きに使う事で事なきを得、結果的に、パイプのカラーも内装に近いもので違和感がありませんし、ブラケット(クリームとこげ茶2種あり)のこげ茶もアクセントになっていていい感じにカーテンを取り付ける事ができました。
しかし、本来下向きに使うブラケットを逆向きに使用した事で、パイプが内装に密着してしまい、カーテンリングが自由に動かなくなってしまったのは少々残念です。
また、カーテンやクリップを通販サイトで購入したので高コストです。
- カーテン:1,570円×2(Amazon)
- カーテンリングクリップ20個入り:1,498円(Amazon)
- スペーシアパイプ:298円×2(コーナン)
- スペーシアパイプ専用ブラケット:58円×4(コーナン)
- トラスタッピング 6mm×25mm3個入り:98円(コーナン)
トータルで、7,062円の想定を大きく上回るコストがかかりました。
これ以降、部品・用品は100円均一ショップやホームセンターでの調達がメインとなりました。
マグネットテープと強力両面テープによる取付け方法
リアハッチの窓は、プライベートガラスの採用で多少は視線の妨げ効果はあるのですが、それでも、車内で過ごすとなると、開口面積も大きいので視線をもう少し遠ざけるためのカーテンが必要と思われました。
しかしリアハッチは、キャンプ中には上げた状態のまま開放しておく事も多いので、カーテンの着脱が容易であるという条件も加味してカーテン取付方法を検討。
結果、「マグネットテープ」と、「強力両面テープ」の2つのアイテムを使用しました。
写真のように、マグネットテープ(下側)の接着面に、強力な両面テープ(上側)を重ねて貼り合わせ、両面テープの上にさらにカーテンを貼り付けました。
また、カーテンは平らにベタ付けにせず、自然な動きが出るように、ヒダ山を付けながら貼り付けています。
実は初めはもっとオーソドックスな方法にトライしていて、カーテン自体にマグネットテープを通してみたのですが、あまり磁力の強くないマグネットテープと鉄板の間に布1枚を挟む事で、磁力が足りずにすぐに脱落してしまいました。
両面テープを挟んだことで、マグネットテープは直接車体に付きカーテンを支えられる磁力を維持していますし、外そうと思った際には簡単に取り外す事ができます。
また、両面テープは水洗いする事で何度でも粘着力が復活するので、カーテンの交換の際も繰り返し使える点で使い勝手が良いアイテムです。
リアハッチへのカーテン設置に要した費用は以下の通りです。
- カーテン 60cm×45cm:200円×2(ダイソー)
- マジックテープ:100円(ダイソー)
- 両面テープ 30mm×2mm×3m巻き:1,050円(Amazon)
トータルコストは、1,350円でした。
両面テープと目玉クリップによる取付け方法
アルトピアーノの進行方向右側のスライドドアには「4連排気ファン(換気扇)」が設置されています。
カーテンは換気扇部分を覆わないようにする必要があり、そのため鉄板にマグネットで取り付ける事はできない構造です。
換気扇は、後付けの木製ボードに4つのファンが取り付けられており、「木製ボードには穴を開けない」という前提で取り付け方を考えたのですが、ふとした思い付いたのが、両面テープで目玉クリップをボード下部に貼り付けるという方法。
取り付け方法は至って簡単で、両面テープを目玉クリップの大きさにカットし、目玉クリップを押し付けて固定するだけです。
接着面の小さな目玉クリップをどこまで支えられるのか不安でしたが、予想以上にしっかりと取り付ける事ができたので、そのまま正式採用しました。
カーテンは、ホームセンターで購入した木製丸棒(直径7mm)に通し、目玉クリップで挟んでいます。
木製の丸棒は近所のホームセンターで90cm98円という安さですが、カーテンを吊る程度なら問題のない強度をもっている上、小さな目玉クリップでも充分に支えられる軽量さが特徴です。
また、丸棒をカーテンごと目玉クリップで挟む事で、カーテンのズレ防止にもなっています。
両面テープ+目玉クリップは、設置から2週間ほど経過していますが、まったく脱落する気配はなく、安定してカーテンを保持してくれています。
こちらのカーテン設置に要した費用は以下の通りです。
- カーテン 60cm×45cm:200円(ダイソー)
- 目玉クリップ(小)12個入り:100円(ダイソー)
- 木製丸棒 7mm×90cm:98円(コーナン)
- 両面テープ 30mm×2mm×3m巻き:1,050円(Amazon)
トータルコストは、1,448円でした(両面テープは他の場所でも計上しているので重複しています)。
木製丸棒とマグネットクリップによる取付け方法
左側のスライドドアに関しては、閉じておく事もあれば、開放しておく事もあるので、どちらの状況にも対応するカーテンの設置が必要。
そこで、1枚のカーテンで両方に適用するのは難しいため、通常時の窓カーテンと、開放時の丈の長いカーテンを別個に設置する事にしました。
スライドドアを閉じた際のマグネットクリップによる取付方法
進行方向左側のスライドドアのカーテン設置は最もオーソドックスな取付けで、7mmの木製丸棒にカーテンを通し、マグネットクリップでスライドドアの鉄板に取り付けました。
このカーテンは、走行中の視界確保のため、通常時は取り外しておくか、巻き上げてクリップ留めしています。
マグネットの磁力の強さにもよりますが、今回購入したマグネットクリップは若干大判なサイズで、両サイドに1個ずつでも十分カーテンを支える事ができています。
ちなみに、強力なマグネットクリップを使用する事でカーテンはしっかり設置できますが、移動や取り外しの際にマグネットの横ずれで塗装に傷をつけてしまう場合がありますので、充分な注意が必要です。
この部分へのカーテン設置に要した費用は以下の通りです。
- カーテン 60cm×45cm:200円(ダイソー)
- マグネットクリップ(大)2個入り:100円(ダイソー)
- 木製丸棒 7mm×90cm:98円(コーナン)
- 目玉クリップ(小)12個入り:100円(ダイソー)※カーテン巻き上げ時用
トータルで498円と非常に低コストで設置する事ができました(目玉クリップは他所と重複計上です)。
スライドドア開放時のカーテン取付け
スライドドアを開放した際のカーテンは、開口上部からシート座面の高さまでをカバーする大きさのものを取り付ける事にしました。大きなサイズで好みの柄のカーテンがなかったため、アイロンテープで同じカーテンを2枚つなげて使用しています。
設置場所は車外で、少し長めの丸棒にカーテンを通し、スライドドア外側にマグネットクリップで取り付けました。
写真はあえてカーテンをずらして丸棒を見せていますが、通常は端までいっぱいにカーテンを通し、カーテンごとクリップして車体に取り付けています。
車外設置にした理由は、左右に隙間を作らないために、横幅一杯の長さの丸棒を使いたかった事と、車内のマグネットが使用できる鉄板の位置が低く、上部に隙間ができてしまうためです。
なお、雨天の場合にはそもそもスライドドアを開放しておかないので、このカーテンの出番はなく濡れや汚れなどを心配する必要はありません。
この部分へのカーテン設置に要した費用は以下の通りです。
- カーテン60cm×45cm:200円×2(ダイソー)
- アイロンテープ:100円(ダイソー)
- マグネットクリップ(小)3個入り:100円(ダイソー)
- 木製丸棒 5mm×180cm:98円(コーナン) ※必要なサイズにカットして使用
こちらのトータルコストは698円でした。
園芸用支柱とアシストグリップによる取付け方法
運転席・助手席にカーテンを設置することで、アルトピアーノの車内を外部の視線を程よく遮ったプライベート空間が完成する予定でしたが、ここでも想定外が生じました。
実は、本来予定していた取付位置は、運転席・助手席上部に何か所かある「キャップ」の場所でした。
その中には当然「ネジ穴」があるものと考えていたので、そのネジ穴を利用して、ブラケットでパイプを固定するなり、目玉クリップを固定する事を想定していましたが、実際にはネジ穴はありませんでした。
対策を考えましたが、運転席・助手席に設置されている「アシストグリップ」の間にパイプや棒を渡してカーテンを吊るす方法しか思い浮かばず、たまたま自宅にあった園芸用の支柱(120cm)がピッタリだったため、左右のアシストグリップ間に支柱を渡し、100均で購入した幅42cmの暖簾を3枚通す事で、無事カーテンを設置する事ができました。
ただ取付位置が想定より約15cmほど前方になったことで、暖簾の幅が足りず、両サイドに隙間が生じてしまいました。
そこで、もう一枚同じ暖簾を用意し縦半分に切断。両サイドに布用接着剤で接着し幅を追加。端をマグネットで車体に固定する事で隙間を埋めています。
この部分に要した費用は以下の通りです。
- カーテン(暖簾タイプ4枚):100円×4(セリア)※うち1枚は半分にカットして隙間埋めに使用
- 園芸用支柱3本:100円(ダイソー)※実際には自宅にあったものを使用したため参考価格。
- 目玉クリップ(大)6個入り:100円(ダイソー)
- 布用接着剤:487円(Amazon)
カーテン取付け方法まとめ
アルトピアーノへのカーテン設置については、車自体にカーテンを巡らせる事は想定されていないので、カーテンを設置しやすい工夫や配慮はなく、場所によって適した設置方法を採用する必要がありました。
最も簡単でオーソドックスな方法は、鉄板がむき出しの状態でのマグネットによる設置でしたが、車内は必ずしも磁石がつく場所ばかりではないので、そうした場所には個別の取付方法を考えなければならず、結果的に5種類もの取付方法を使ってカーテンを設置する事となりました。
カーテン設置を進める中で、幾つかのキーポイントになった場面がありました。
1つは重くて高価なステンレスパイプを取り付けたくなくて色々と物色する中で、軽量で安価な「スペーシアパイプ」を見つけた事でした。
このパイプと専用のブラケットを発見した事が最初のキーポイントだったと思います。
2つ目は、通販サイトで強力両面テープを発見した事です。
この両面テープがなければ、換気扇下へのカーテン設置は、もっと大規模な加工をする事になったはずですので、それを安価に簡単にしてくれた点で大きなキーポイントです。
3つ目は、ホームセンターで木製の丸棒を発見した事です。
カーテン耐荷重がありつつ、細くて安価なパイプを探していた際に発見した丸棒は、その時に望んでいた条件全てをクリアしてくれました。この丸棒があったからこそ、目玉クリップによる設置が可能になったのでこれもキーポイントでした。
毎日、常に「どう取り付けよう?」「良い方法はないものか」等と考え、ネットで部品を探し、他の方の取付け例も参考にさせていただきながら、ほぼ2か月間に渡って「カーテン取付け」を楽しんできました。
その甲斐あって、ついに念願の快適でくつろげる車内空間を手に入れる事ができたと思います。
DIYでの加工や改造は安全面に影響が出る可能性があります。また、アフターサポートなどを受けることができなくなる可能性もありますので、法令、基準などを遵守した上で自己責任で行ってください。不明な場合は販売店などに確認してから行うようにしましょう。
ライター: Enjoy Camper
キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信!
- 執筆者プロフィール
- 車旅情報Webマガジン「DRIMO」
- キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジンです(https://news.drimo.jp/)。実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるラ...