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荷物の積載方法や、荷物を運ぶことと車との関係

キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です


こんなタイトルだからと言って、勿論ここでトラック輸送などに関する話をしようというわけではない。

キャンピングカーや車中泊で使う「車」と「荷物」との関係についての話だ。

キャンピングカーでも普通の車でも、求める荷物の積載能力は「どう使いたいのか」によって大きく変わってくると思う。

例えば、特別大きな道具を運ぶわけでもなく、快適に車の中で生活しながら旅行をしたいだけなら、必要十分な設備の整ったミニマムなサイズのキャンピングカーが便利で快適だろうと思う。

しかし、目的や用途に照らし合わせてしっかり考えず、イメージやメーカーの謳い文句だけで車を選んでしまうと後悔することにもなりかねない。

そこで、荷物の積載についてのヒントや工夫、問題点について話を進めていきたいと思う。

屋根の上

インフレータブルのSUPボード(空気を入れて膨らますとカチカチに硬くなるボード)や、折りたたみ式のカヤックなら、2シーターのスポーツカーでも乗員がドライバー1人だけなら積めないことはない。

しかし、私の場合はSUPのボードやカヌー・カヤックを扱うことが仕事でもあるため、車内に入らないサイズのボードやボートは屋根に積んで運ばなければならない。

例えば、この屋根に乗っているSUPのボードはレースやツーリング用のボードで、長さが14ftだから、メートルに換算すると4.27mくらいある。シーカヤックの場合は5mを超えていても普通なサイズだ。

全長約5mのこの旧型キャラバンスーパーロングは、中は車中泊仕様になっているが10ft位までのボードは無理なく数本車内に積むことができて、車内に入るボードは中に入れて運んでいる。

そして助手席を倒せばこの14ftも入らないこともないが、このサイズになるとまあ普通は屋根に積む。

中も広いが屋上も広くて頼もしい車だ。

そして「こんなの特殊な例じゃない?」と思う人もいるかもしれないが、SUPのレースは年々ポピュラーになっていてレース人口も増え、この14ftというサイズはレースボードの標準でもあるから、このサイズのボードを運ぶことは決して特殊なことではない。

屋根のタイプによる注意点・問題点

レインガーターとは要するに雨樋のことだけど、これがあるとベース部分が共通の汎用性の高いキャリアを付けることができて大変便利だ。

しかし、最近はレインガーターのある車など乗用車ではほぼ皆無。

それどころかハイエースには相変わらずあるけど、現行のキャラバンにも小型商用車の代名詞的なプロボックスにもレインガーターはなくなっている。

レインガーターがあるとキャリアを取り付けやすく、しっかりしていて安心感があるのが利点だが、付けられる位置の自由度が高いことも大きな利点だ。

現在は屋根にキャリアを付けることもできないような車もあるが、付けることができたとしても付けられる位置が問題となる。

積載物が車から前後にはみ出しても良い長さは、事前に警察に届出をした場合を除き、車の全長の10%まで(横へのはみ出しは全く不可)と決まっている。

例えば、全長が4.5mの車なら、最長で4.95mの物を積むことができる計算となるのだが、例えば前に20cmと後ろに25cmとか、前は0で後ろに45cmならOKということだ。

積載物の長さが車の全長+10%だったらOKという意味ではない。

この例では積載物の長さが4.95mだったとしても、例えば後ろに60cmはみ出して積むことはできない。

それどころか積載物の長さが3mしかなかったとしても、積む位置の関係で車から50cmはみ出してしまったらアウトだ。

要するに、車の中心にかなり近い位置から前後に均等になるようなところにキャリアバーを取り付けらなければ許容範囲最長の物を積むことは事実上不可能に近いことになってしまう。

ミニバンステーションワゴンで車中泊をする人は多いが、意外な盲点となるのがキャリアを付けられる位置だ。

レインガーターがあれば屋根の端から端までほぼ目一杯使うことができて好きなところにキャリアを付けることができる。

しかし、比較的屋根が長くて屋根も有効に使えそうに見えるステーションワゴンやミニバンでも、レインガーターのない車の場合は、実は前後のバーとバーの間隔を広くとれなかったり、付けられる位置が車の中心よりかなり後ろ寄りになってしまうこと案外多い。

前後のバーの間隔があまりに狭いと、長尺物を積んだ時、安定が悪くて危険だ。

また近頃フロントガラスが大きくスラントしていたり、屋根のカーブがきついなど、キャリアを付けられる位置が中心から大きく後ろにずれてしまう車が多い。

これでは規定以上に後ろにはみ出して積むことになってしまうか、無理して前寄りに積むと、これもまたバランスが悪くて大変危険だ。

長尺ものを屋根に積みたいのであれば、車を買う際にその辺りもしっかりチェックしておく必要がある。

ステーションワゴンなのに、こんな位置にしかキャリアを付けられないの?なんて車も実際にあるから、十分注意していただきたい。

これはいすゞビッグホーン。

90年代の車だが、この車も既にレインガーターはなかった。

しかし、屋根が長く平らで、キャリアの前後のバーの間隔も十分広いバランスの良い位置に付けられたので、安心で使いやすい車だった。

キャブコンや最近人気のあるポップルーフも、キャリアを取り付けるのが簡単とは言い難い。

専用のキャリアが用意されているようなこともあるが、基本的にはない場合の方が多いのではないかと思うので、長尺ものを積みたいのであれば、やはり車を選ぶときに注意が必要だ。

しかしキャンピングカーに乗るような人には自分で工夫することが好きな人も多いので、色々工夫してキャブコンの屋根やポップアップルーフにキャリアを取り付けている人も多い。

上の写真は私が以前所有していたポップアップルーフのステップワゴンだ。

キャリアのバーは2×4材で、それにゴムの足を付けて屋根に載せ、FRPのポップアップルーフにしっかり固定した金具にロープで固定していた。

外せない状態に固定する場合は全高が変わるため、構造変更届が必要になる。しかし申請を出しても通らなければ車検も通らなくなってしまうので、自作する場合は十分な注意が必要だ。

もちろん強度の問題など安全面でも十分な注意が必要。

もう一つ注意しなければならないことがある。

キャリアの問題が解決したとしても、キャブコンやバンコンでも中で立てる程の高さのある車の場合は、屋根の上に物を積む際には大抵屋根の上に登らなければならないことになる。

その足場をしっかり確保しておくことや転落しないよう十分な注意が必要だが、風が強い時などは積み込んでいる最中に積載物が飛ばされてしまう可能性も高い。

自分や自分の荷物の安全だけの問題でなく、他人に危害を加えてしまう可能性も非常に高いので、そんなことにならないような対策も必要だ。

屋根以外の車外

長尺ものの積載方法ではないが、車内に入りきらない荷物を積む方法として背面に取り付ける自転車キャリア(サイクルキャリア)は割とポピュラーだ。

自転車キャリアに、自転車ではなく荷物を入れるコンテナボックスなどを積んでいる人もいるようだ。

他にこんなのもある。これはトレーラー用のヒッチメンバーに取り付けるカーゴキャリアだ。

濡れ物を載せたり、この写真のように使うのも良いが、かなり大きなコンテナボックスも積めるし、これ用に作られた防水性の高い巨大なバッグなんてのもあるから、屋外物置の置き場所のような使い方も可能だ。

キャブコンも最近は大きな収納庫を備えた車が増えてきているように思うが、車内に戸棚や引き出しはあっても、意外に大きな収納庫のない車も多いからか、キャンピングカーにもこれを取り付けて、大きな荷物やコンテナボックスを運んでいる人もいる。

これは車種に合ったヒッチメンバーの取り付けが必要で、これが結構高価なのが難点だが、アメリカ製のキャンピングカーだったら最初からヒッチメンバーが付いている車もあるし、私は幸いヤフオクで中古を安価で入手できて自分で取り付けることができたから便利に使っていた。

ヒッチメンバーが元々付いていたり安く入手できるなら、これも良いと思う。

ただし、はみ出す長さとナンバープレートが見えなくならないように工夫するなどの注意は必要だ。

何を重視するか

概ね20世紀が終わる頃、シーカヤックは個人でカヤックを所有して楽しむもので、当然それを運ぶことのできる車も必需品と考えられ、工夫してキャンピングカーの屋根に載せて運ぶ人も多かった。

しかし、現在シーカヤックの認知度が高まったのは良いのだが、認知度と反比例するようにシーカヤックはレンタル艇を借りてツアーに参加するタイプの遊びと認識されてしまうようになり、「そんな物を個人で所有する人なんているんですか?」とまで言われてしまうような物になってしまった。

敢えて言ってしまうと、「なってしまった」と言うより、「成り下がってしまった」と言った方が正しい表現だ。関わっている者にとっては寂しい限りの状況だ。

なんだかこんな状況と車からレインガーターが消え、ヌメっとした形の車が増えたことがちょうどリンクしているような気がする。

また90年代前半くらいまではサーフボードもスキーも屋根に付けたキャリアに載せて運ぶのが当たり前だった。

載せる物がなくなったから車の形が変わったのか、車がこうなってしまったから屋根に載せるという発想が消えたのかは分からないが、レインガーターがなくなったことは、車の屋根に物を積む人が減ったことに少なからず影響しているとは思う。

そして、これが原因とまでは思わないがスキーをする人も激減した。

「小さな電気自動車やカーシェアリングこそがこれからの車の在り方」のようなことを言う評論家がいる。

多分その本人もその周囲の人も、車を人と少しの荷物を運ぶための移動手段としてか捉えていないから、そんな発想になるのかと思う。

お買い物とホテル泊まりの旅行程度の荷物を運ぶことに使えれば良いのだろう。

しかし、むしろそれが車の役目だと言うのなら、私は四輪の車など必要ないと思ってしまう。少なくとも私や私の周囲の人にとっての車はそんなものではない。

好きな時に必要な道具を運ぶことができて、気ままに旅ができるのが車の一つの形だと思っている。もう一つは走って楽しい車だ。

ところが、現在、このどちらにも当てはまらないような車がやたらと多い。

若者の車離れなんて言われたって、若者が買える値段の若者が欲しくなるような車が存在しないのだから仕方がない。

マーケティングとやらに惑わされて、何かメーカーさんは本当の需要を読み間違えているような気がしてならないのだ。

懐古趣味的な話ではなく、どのタイプに於いても、80年代から90年代のようにワクワクさせてくれるような車が少な過ぎやしないだろうか?

少なくとも無骨や質実貢献な車に惹かれる人が多いことは、レインガーターが復活して角張った形と丸目に戻った現行ジムニーの大人気ぶりが証明している。

というところで、荷物の積載と言ったら車内の荷物の話に興味のある人の方が実際には多いのではないかと思うのだが、長尺ものの積載は私の仕事と趣味に大きく関わる事柄なため、やたらレインガーターに拘り、主に車の屋根と屋根への積載の話で今回は終始してしまった。

また、ロープやベルトの使い方の話もせずに終わってしまったので、次回は車内の荷物と荷物を積載する際の技術的な話をテーマにしたいと思う。

ライター: 笠原 サタン

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