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キャンピングカーにトイレ・シャワーは必要?

キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です


キャンピングカーに乗るということは、言ってみればロードムービーのような世界に浸ることだが、快便無くして快適な旅は語れないと私は思う。

しかし、「キャンピングカーにトイレ・シャワーが必要か否か」は意外に意見が分かれる。

今回はこれについて考えてみたい。

必要ないと考える理由は?

「温泉や銭湯に行くことも旅の目的や楽しみの一つであり、キャンプ場や道の駅や高速のPAにはトイレがあるからキャンピングカーにシャワーやトイレなど必要ない。」が大方の必要ない派の意見のようだ。一理ある。後始末が面倒だから使いたくないという意見もある。

アメリカ映画ではカウボーイなんかが服は着たままブーツは履いたまま水に飛び込んでいるシーンを見かけることがある。服も体もいっぺんに洗えて合理的だとも思うが、映画の話をしていると、あれについてはほとんど皆(日本人)抵抗感を感じているようだ。

日本人にとっては洗えれば良いってものではなくて、「裸になってゆっくり湯に浸かる」が基本だ。シャワーなんかじゃ満足できないことも「シャワー不要」の理由の一つかもしれない。

また、日本人は欧米人と比較して頻尿というかトイレに行く回数が多いという説もあり、そのせいか諸外国と比べて日本は公共の場にトイレが多いような気もする。また、コンビニの普及もあり、トイレ探しで困る機会も昔より断然少なくなっている。

結局、どうせ使わないからとキャンピングカーのバスルーム(シャワーとトイレの部屋)を荷物収納庫にしてしまう人もいるし、こうした考えに則り、全体的に豪華な装備の備わったキャンピングカーでありながら、元々バスルームの設定のないの車やオプション設定の車も、特に日本製のキャンピングカーには多いようだ。

必要性を感じる理由は?

しかし、トイレ・シャワーがあってこそキャンピングカーと考える人もいる。私の周りでバスルーム付きのキャンピングカーを持っている人達は、ほとんど皆バスルームをバスルームとして使用している。

その人達に共通しているのは、キャンピングカーを旅行の足と宿としてだけでなく、アウトドアスポーツの拠点としていることだ。

アウトドアスポーツの拠点として使用する場合は、何の設備もないキャンプ場ではないところでキャンプ(車中泊含め)する機会も少なくない。キジ撃ち(野〇ソのことを山ではこう表現する)できる場所なら良いが、理由は色々あれ、そうも行かない場合もある。

例えば、翌朝の行動に備えてトイレのない場所で車中泊しておきたい人もいる。目的によっては「トイレのあるところ」が寝場所の最優先事項にはならないということだ。

無ければ無いなりに方法は考えるものだが、こうした人達にとっては「せっかくのキャンピングカーなのにトイレがないなんて。」となる。

シャワーはどうかと言えば、やはり車を運転して風呂に行く前に体を洗いたくなる事情もある。私は海水は全く気にならならないどころか、むしろ淡水で濡れた後の方が泥臭かったり生臭かったりするのが気になってしまう方だが、サーフィンやカヤックなど海でスポーツする人であっても、海水で体が濡れた後はベトベトして気持ち悪いと言う人が少なくない。

そんな人は、後で風呂に行くにしても海から上がったら先ずは必ず淡水で塩を流すことになる。真夏は別として、できれば温水が出ると有難い。マウンテンバイクやモトクロッサーに乗って泥まみれ汗まみれになった体にも然り。

そして、タンクやバケツから直接水をかぶるより、シャワーの方が使う水の量が少なくて済み、荷物(水)を減らすことができて合理的だ。また、愛犬を洗うために室内でなく外付けで良いからシャワーが欲しいという人もいる。

トイレ・シャワー設備のない車でのアイディア

商用車登録のバンで、キャンピングカー未満だが生活できる設備は一通り揃っていて、室内ではなく室外で使用し、出るのはお湯ではなく水だけどシャワーはあり、滅多に使わないけど一応便器の代用品も用意してある私の愛車。

トイレ

ポータブルトイレというのがあるが、どこを走っている最中であろうと突然「トイレ!トイレ!」と仰せになるようなお子様連れには、置けるスペースさえあれば便利だし、災害時などにも大変役立ちそうだ。二層に分かれていて薬品を使ったりするので、中身が溜まっていても一応匂いの問題もないようだ。

しかしポータブルとは言っても結構場所はとる。タウンエースやバネット以上の大きさのバンや、ミニバンと呼ばれているサイズの乗用車でも問題はないが、使わなければ結構なスペースの無駄使いになってしまう。

普段は箱の中に収めておいて、その箱をスツールとして使うなどスペースを無駄にしない工夫も考えられるが、値段も安くはないし、使う頻度が高くないなら、やはり導入には二の足を踏んでしまう。

また、キャンピングカーなら一応個室にもなっているし、一人だったり、我慢できなくなった子供のためなら良いとしても、さすがに同乗者がいる場合に同じ室内でこれを使う気はしない。

ということで、「あったらいいかな?」と度々思うモノの一つではあるが、今のところ私はポータブルトイレは導入していない。

小だけだったら病院などで使用されている尿瓶を使う手がある。女性が使えるかは不明だが、キャップのしっかりしたプラスチック製広口ボトルや使わなくなった水筒・小さな1Lポリタンクなども代用品となる。選ぶ際には入り口の大きさに注意が必要だ。実験したがペットボトルでは危険。

容量も余裕を持って選ばないと大変なことになるので注意が必要だが、大きければ良いってものではなくて、中身を捨てるためにトイレに持って行く時に手頃なサイズが良い。

成人の1回当たりの尿量は200~400mlだそうだ。画像のボトルはどちらも100均。この程度の大きさが手頃だが、右のは470mlでちょっと危うい大きさだから、左の1L位がちょうど良い。

大の場合はこうは行かない。防災用品とかで使い捨てトイレも色々あるようだが、私は基本的に大の方は本当の緊急事態と考えている。そのために使い捨てトイレを買って備えておくというのも何なので、私は吸水して固まる猫のトイレ用の砂を丈夫で大きなポリ袋に入れたものをエマージェンシー用として備えている。

実は試してみたこともないし、これを使うような事態には陥りたくないが、下の絵のように使うことを想定している。

キジを撃てない理由として環境への影響の懸念もある(禁止さている場所もある)が、私はヒトも自然の一部であり、禁止されている場所や他人の迷惑になる場所でなければ基本的にどこでもOKと考える。周囲に人がいなければ海中でもする(ちょっとしたテクニックが必要)が、やはり車内でとなると相当の緊急事態だ。

シャワー

私のキャラバンにはソーラーパネルとサブバッテリーの設備があるため、電気には比較的不自由することがない。寝台の下に10Lのポリタンクを常設してあり、そのタンクの小さい方のキャップをちょこっと改造して、電動シャワーのポンプは常時設置済みにしてある。

タンクへの給水は、タンクを少しだけ引き出し、ホースやペットボトルを使って補給する仕組み。このシャワーは自分の体を洗う役目もあるが、海水を洗い流しておきたい道具類を洗う際にも重宝している。

電動シャワーは、サブバッテリーがなくても車のエンジンをかけていれば使えるが、最近は小型で大容量のポータブルバッテリーも色々あるから、そのあたりを利用するのも良いと思う。

これはサーフィン仲間の車。青いタンクはポンピングすることでタンク内の圧を上げて水が噴出する仕組みのシャワー。電源が不要で手軽だが、利便性はかなり高い。

こういったシャワーで水を浴びるのと、バケツやタンクから直接水をかけるのとでは使う水量に大差が出るため、用意しておく水の量を大幅に減らすことができる。

このシャワーと似た仕組みで便利なのがこれ。先程のシャワーと同じようにポンピングすることでタンク内に圧をかける。本来は農薬などを噴霧するための器具だが、中に薬ではなく水を入れておけば、足や手を洗うのに大変便利。

節水にも役立つが、足に砂の付着しやすい海岸付近でも、運手席に乗り込む前にさっと流すことができる。また、暑い時にはこれで顔や頭に霧を吹きかければサッパリして気持ち良い。

こんなシチュエーションにも

宿泊地がいつも道の駅や高速のPAや青空トイレのある場所とは限らないし、旅先で外食してアルコールを飲みたくなることもある。というより私はどこであろうとほぼ毎晩飲みたくなる。街中でもコインパーキングなどに駐車し、そこで泊まってしまえば飲みに行くことができる。

しかし、駐車場の近くに公衆トイレがある確率は高くない。そんなときでも、少なくとも小用便器の代用品を用意しておくと困らない。先程のボトルは実はこんな時用だ。

まとめ

結局のところ、トイレ・シャワーはキャンピングカーにとって必要な設備か否かなのではなく、使う人とシチュエーション次第なのではないかと私は思う。一般論や誰かの意見に従うだけではなく、自分の使い方を良く考えたりシミュレーションした上でバスルームの有無を決めるのが正解だ。

ライター: 笠原 サタン

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執筆者プロフィール
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