インドの自動車メーカー、タタモーターズから発売された世界で一番安い車「ナノ」ってどんなクルマ？

世界で一番安い車って？

気になるその車は、インドの自動車メーカー、タタモーターズから2009年に販売された「ナノ」です。気になる価格ですが、当初は10万ルピー（約19万円）で販売するとのことでしたが、結局的には店頭価格は11万2735ルピー（約22万円）で販売されました。

また、初期の10万台は予約抽選販売とされ、世界的にも注目されていました。タタ・グループ会長、ラタン・タタによる10万ルピーの車を生み出すという宣言のもと、この車は、年にインドの自動車のアイコンとして誕生しました。

インド国民の足といえば、低価格という面でバイクでしたが、その実情に風穴をあけるべく登場したのがタタの「ナノ」というわけです。新車でも11万2,735ルピー(約22万円)で購入可能ということもあって、当時は話題騒然でした。

初代ナノ（2009〜2015年）

リアエンジン・リアドライブ方式のモノスペース型4ドア車です。舗装路面の走行性能としては必要充分な能力がある極小タイヤを装着していました。搭載エンジンはアルミ製エンジンブロックの2気筒623cc、重量約600kgで非常にコンパクトです。最高時速は105km、燃費は20km/L、衝突時安全装置の一部を標準装備していました。

低価格のデメリットは？

コストダウンのため、初期では仕様や装備は最小限になっていて、助手席側のドアミラーが無く、トランスミッションは4速MTのみで、ATはありません。ワイパーは1本、ホイールを止めるナットは3本、バックドアのない4ドアセダン、ラジオなどのオーディオ装備品やエアコンなどはオプション、一部プラスチックパーツの塗装を省略、ABSやエアバッグもありませんでした。

2008年に世界一安い車として世界中から注目を集めた小型4ドアのナノですが、発売発表直後から車両火災や品質の問題等の様々な困難に見舞われ、順調なスタートは切れず、売り上げは伸び悩んだ経緯があります。

ナノの品質改善！

さまざまなデメリットが浮き彫りになってしまったナノですが、タタ・モーターズは、ナノのスペック不足の改善、内外装のアップデートに力を入れました。

その結果、更に燃費を向上などを施し2012年モデルを発表し、2013年10月には、天然ガス（CNG）とガソリンの両方が使用可能な「Nano CNG emax」を開発、2014年1月には、新たに電動パワーステアリング、エンジンコントロールユニット（ECU）などを搭載した「Nano Twist」を発表することができました。

二代目ナノ（2015〜）

2015年5月19日、「GenX ナノ」としてフルモデルチェンジ。大幅改良がなされました。

メカニズムの面では、電動パワーステアリングを投入し、第一世代モデルの課題だった駐車時や都市部での走行時に、重い操舵力を解消します。

さらに、オートメイテッド・マニュアル・トランスミッション（AMT）と呼ばれるイージーシフトモードを設定、これにより、クリープ現象により、渋滞や駐車が楽になるそうです。また、スポーツモードでは、優れた加速を実現します。

実際の走行シーン

ナノの走行中の動画です。思っていたより快適のようです。

日本で買えるの？

タタモータースは、東南アジア、アフリカ、南米などへの「ナノ」の輸出には意欲を見せますが、日本への輸出は今のところ予定していないそうです。

個人輸入では、入手可能かもしれませんが、日本の安全基準などを満たしていないのでそのまま乗ることはできません。今のところ、インド旅行に行った時などに試乗するぐらいしか手はないようです。

世界最安！

世界で一番安いと世間を騒がせた「タタ・ナノ」を紹介しました。当初の「10万ルピーの車」からは少しずれてしまいましたが、十分破格の値段です。そんなナノは、今日もインドの空の下で走っていることでしょう！

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