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【フェラーリ工場見学】一般者入場NGの聖地からリアルレポート!
目次
フェラーリ工場見学とは?
フェラーリ本社は、イタリア共和国の北に位置するモデナにあるマラネロにあります。
ティフォシ(フェラーリの熱狂的なファン)にとっては、聖地とも言えるこのフェラーリ本社は、数々の名車を生み出した工場が併設されています。
そのフェラーリ工場見学は、車好きであれば一度は行ってみたいと思う場所ではないでしょうか?
日本の自動車メーカーの工場見学は、事前に申し込みをすれば基本的に無料で見学できます。
しかしフェラーリ工場見学は、まず一般公開していません。
ビジネスもしくはメディア関係者以外では、フェラーリのオーナーとその同伴者しか、入場することを許されていないのです。
しかも、フェラーリのオーナーになるか、オーナーに同伴するとしても、フェラーリの工場見学は「有料」なのです!
正規ディーラーから工場見学を申し込み
フェラーリ工場見学を、直接フェラーリ本社に連絡することも可能ですが、日本とイタリアでは時差が7時間ありますので、スムーズに連絡が取りづらいこともあり、正規ディーラー経由で予約してもらうのが一番確実です。
あくまでもフェラーリ工場見学だけの予約ですので、フライト、ホテル、フェラーリ本社までの移動などは、別途旅行会社などにお願いすることになります。
工場見学の詳細
フェラーリ工場見学は以下の通りです。
・工場ラインが稼働している日の午前と午後の2回あります。
・それぞれ、3〜4時間の見学コースとなります。
・工場とフィオラノ・サーキット、ムゼオ・フェラーリを見学します。
・8月は、工場が夏期休暇のため工場見学はありません。
・見学は、英語/イタリア語のコース、日本語は個別コースで倍近い料金です。
当時、私は、英語/イタリア語の見学コースで、一人€100でした。
最近はテーラード・ファクトリーツアーもあり、食事・お土産付きという豪華な見学プランも選べます。
フェラーリ工場見学:ミラノから車で出発!
実は、フェラーリ工場見学の前日(日曜日)は、F1イタリアGP(モンツァサーキット)で、スクーデリアフェラーリチームの応援をしてきました。
せっかくイタリアまで行くわけですから、フェラーリ工場見学だけではなく、観光も組み込みたいですね!
ミラノに宿泊していましたので、フェラーリまでは公共交通機関利用ですと、ミラノ中央駅からモデナまで電車で移動し、モデナからはバスを乗り継いで行くと聞きちょっと不安でした。
ところがF1イタリアGP観戦にムゼオ・フェラーリ見学がついており、車で送迎してくれることになっていました。
ムゼオ・フェラーリからフェラーリ本社は徒歩数分なので助かりました。
ホテルに迎えにきてくれた車はメリセデス・ベンツのEクラスでした!
フェラーリ工場見学:いざレセプションへ
フェラーリ工場見学は、雑誌でもよく見るこの門から始まります。
実はこの入り口、裏門であることをご存知でしょうか?
正門は反対側にあり、この記事本文の最初の写真なのです。
裏門横にある木のあるところにレセプションがあり、そこがフェラーリ工場見学の受付です。
名前と日本から来たことを伝えると、リストを確認し受付隣のソファで待つように言われました。
既に、アメリカ人と思われる男女のふた組が待ってました。
その後、中国人の3人組がきて、更に奥にある部屋に通されました。
応接で待機
そこにはソフトドリンクやクッキーなどがあり、時間まで自由にリラックスして待つように言われました。
私が予約したのは英語のグループ見学です。
グループといっても10名以下の少人数でした。
案内してくれるのは、アジア系の女性スタッフでした。
「お客様」タグをもらい首にかけて、工場見学で使用するレシーバーとイヤホンを手渡されました。
他の見学者と話をしながら、ジュースを飲んでいると先程の女性スタッフがやってきました。
赤いバスには、プランシングホースが!?
部屋を出るとすぐ、工場間の移動はバスになるとのことで
真っ赤なバスに乗りました。フロントには、フェラーリのプランシングホースがしっかり貼られていましたが、もちろんフェラーリ製のバスではありません。
20名以上が余裕で乗れるバスで、バスの中でイヤホンのチェックがありました。
見学の解説は、女性スタップのマイクからレシーバーを経由し、各自のイヤホンで聴くことになります。
質問は女性スタッフの近くに行って直接話します。
フェラーリ工場見学:まずはフェラーリの心臓部であるエンジン!
まずはエンジンの組み立て工場から見学です。
入ってすぐ驚いたのが、工場内に緑が植えられていることです。
工場とは思えない光景です。
その横には、別の場所で作られたエンジンブロックが積まれており、やはりここはエンジンの組み立て工場なのです。
スタッフはお揃いの赤色のユニフォーム、胸に跳ね馬、背中にはシェルのロゴがあり、まるでF1チームのエンジニアスタッフのようでした。
これだけでも社員はモチベーションが上がるでしょうし、見学してるこちらはテンションが上がりますよね!
ロミオとジュリエット
工場見学で最初に説明を受けたのは、2台のロボット(アーム)が絶妙のタイミングで、液体窒素で冷やしたバルブシールをヘッドにはめ込む行程です。
この2台のロボットの名は「ロミオとジュリエット」です。
ピッタリと息のあったその作業は、飽きることなく見ていられるぐらい見事な仕事をしています!
エンジンの組み立て作業は芸術!
エンジンの組み立ては、一人のエンジニアが責任を持って最後まで組み上げています。
時間を気にしている様子はなく、丁寧で確実な作業は見ていて感心してしまうほどで正にプロの仕事です。
まるで芸術品をくみ上げているかのようでした。
フェラーリは自車用のエンジンだけではなく、マセラティにもエンジンを提供しており、マセラティ用のエンジンもこのフェラーリで組み立てられています。
フェラーリ工場見学:内装は全てお手製
フェラーリ工場見学の中でも、一番手作り感が残っているのが内装の製作工程ではないでしょうか?
このセクションだけは大半が女性でした。
顧客がオーダーした素材、色、ステッチなどの注文を具現化します。
革の内装は、大きな一枚の革から傷や色むらの部分を避け、効率用きり出せる位置をコンピュータが計算し、あっと言う間に裁断します。
裁断した各パーツをミシンで見事に縫い合わせます。
それをシートやコンソールなどに貼り合わす作業は、シワが出ないように引っ張りながら位置を合わせるので、力と繊細さが求めらます。シワひとつない綺麗なシートは見事としか言いようがありません。
フェラーリ工場見学:ボデイ製造ライン
塗装ブースの見学は叶いませんでしたが、塗装・乾燥を終え、アッセンブリー工程に移る直前のボディを見ることはできました。
普段外から見ることができない内部はかなり頑丈にデザインされているという印象でした。
最近のプロダクトは防錆処理もきちんとされていると聞きますので雨の日でも安心して乗れるのでしょう。
アッセンブリー工程は近代的な風景
この工程で初めて自動車を生産するラインであることがよく分かります。
大きな枠に車体を固定し、エンジニアが部品を取り付けやすい角度
で車体が動きます。
ただし、日本車の製造ラインのようにゆっくり進みながら、ロボットや人が部品を取り付けるのではなく、完全に停止したラインで取り付けられていました。
フロントウィンドウは、接着剤を塗るのもウィンドウを固定するのも全てロボットが行なっています。
近代的な自動車製造ラインであることがよく分かります。
車の製造ラインだが、やはり他社と違う?
車が完成に近づくにつれ、そこに並んでいる車が誰にでも全車フェラーリであることが分かるようになると、特別な感情が湧いてきます。
それはまるで美術館で芸術品を眺めているような感覚とでもいいましょうか、いつまで見ていても飽きないという感じなのです。
今まで多くの自動車工場のラインを見学しましたが、このような思いになることはありませんでした。
やっぱりフェラーリは特別な車なんですね!
フェラーリ工場見学:ラ・フェラーリ FXX K?アペルタ?
ラ・フェラーリ
ボディ製造ラインの建屋を出て、バスに乗ろうかとした時、とんでもないエキゾーストノートが耳に飛び込んできたのです。
それは、白黒のゼブラ模様でカモフラージュされているのですが、どう見ても既に発表されている「ラ・フェラーリ」でした。
当時はなぜ、すでに発表されている「ラ・フェラーリ」がカモフラージュされているか不思議でしたが、今思えば FXX Kもしくはオープン仕様のアペルタの開発車両だったかもしれません!
テストコースであるフィオラ・サーキットから戻ってきたようです。
それ以上の情報はなく、いい音を響かせながら去って行きました。
フェラーリ工場見学:F1ファクトリー
次に案内された場所は工場とは違う雰囲気のある場所でした。
そこは、スクーデリア フェラーリチームのF1ファクトリーでした。
写真撮影禁止とはいえ、最高機密に相当するであろう部分を見せてしまうというところが、フェラーリ・ファミリーとして信用してくれているのか?と思うとなんだか嬉しくなりました。
前日のイタリアGPに出場した実車目の前に!
なんと、昨日の F1イタリアGPで決勝を走ったフェラーリF1が整備されていたのです!
F1から部品が一つずつ丁寧に外され、整然と並べられています。
手を伸ばせば届く位置です、本当に目の前なのです!
ボディは既に綺麗に清掃されていました。
今にも動き出しそうな雰囲気に興奮したのを覚えています。
お土産に、いらなくなったカーボンパーツが欲しいとリクエストしましたが、これから品質検査をするので無理ですと断られました。
フェラーリ工場見学:歴代のF1が勢ぞろい!
次に案内されたのが、歴代のファラーリF1マシンが保管さえているスペースでした。
展示というよりも本当に保管されている状態で、中にはカバーが掛けられたままの車両もありました。
しかし、歴代のフェラーリのF1マシンを一度に見ることができるのは、世界中を探しても恐らくここしかないでしょう!
これは感動もので、目の前に広がった光景に唖然としたことを覚えています!
憧れのフィオラノ・サーキット
そして、聖地の中でも本命の聖地!フィオラノ・サーキットにやってきました!
ところが運悪く・・・テスト走行しているフェラーリが一台もいなかったのです。
もう少し早ければ、先程のゼブラ模様のラ・フェラーリの走行が見られたとのことでショックでした。
しかし、今まで数々の名車、市販車、F1が走ってきた専用サーキットを間近に見ることができただけでも嬉しかったです。
フェラーリ工場見学:フェラーリ博物館「Museo Ferrari」見学!
フィオラノ・サーキットを後にバスで向かった先は、ムゼオ・フェラーリ(フェラーリ博物館)でした。
ここは一般開放されており、入場料を支払えば数々のフェラーリを見ることができる施設というか、フェラーリ美術館ですね!
フェラーリ工場見学ツアーには、ムゼオ・フェラーリ見学も含まれており、工場見学者用のタグを見せるだけで入場できました。
ここでの見学はフリータイムということで、自由に見学できました。
集合時間と場所だけを告げられ一時解散です。
ラ・フェラーリのモックアップやプロトタイプをはじめ、今までの市販車から特別仕様車、レース車両、F1など集合時間までにはゆっくり見て回れないほど、充実した博物館でした。
直前い歴代のF1を見てきましたが、ここでは今まで写真でしか見たことがなかった車両もあり、別の感動がありました。
一通り見たあと、中にあったお店でビールをいただき一休みしていたら、案内してくれている女性スタップが呼びにきてくれました。
ビールを飲んで寛ぎ過ぎて、時間を忘れていたようです。
フェラーリ工場見学:フェラーリ・パスポート
例の赤いバスに乗り、レセプションに戻りました。
レシーバーのみを返却し、イアホンとタグは持ち帰っていいとのことでした。
お土産としてフェラーリブックと「フェラーリ・パスポート」をいただきました。
見学に来る際にスタンプが増えていきます。
これは普通に手に入らないものなのでとても貴重なものです。
最初のページにスタンプを押してサインをもらいました。
フェラーリ工場見学ツアーに参加した証明となります。
スタンプするページはかなりあるのですが、全部埋まると何かいいことでもあるのでしょうか?
フェラーリの工場見学はここで終わりです。
4時間弱でしたが、あっという間の出来事にように思えました。
この体験は、一生ものの思い出になりました。
フェラーリ工場見学:フェラーリ・ストア1号店でお買い物
帰りも行きと同じドライバーがムゼオ・フェラーリの駐車場で待っていてくれるのですが、まだ少々時間がありました。
フェラーリ本社前には、と言っても裏口の前ですが、世界に展開するフェラーリグッズの公式店「フェラーリ・ストア」の第1号店があります。
残念ながら日本には「フェラーリ・ストア」はありません。
さすがにフェラーリ本社前ということもあり、今までハワイやロンドンなどのフェラーリストアに行きましたが、それらに比べかなり広い店内です。
1号店のみにあるというポロシャツなどを購入しました。
お土産を抱え、ムゼオ・フェラーリの駐車場に向かうと、ドライバーが大きく手を振って迎えてくれました。
時間をオーバーしていたようです。
私は疲れていたようで、車に乗ってすぐに眠りにつきました。
フェラーリ工場見学は、テーラードファクトリーツアーオススメ!
「ティフォシの聖地!フェラーリ工場見学の全て」はいかがでしたでしょうか?
4時間弱のコースですが、感覚的には1時間ぐらいにしか感じないあっという間の幸せな時間でした。
現在は、完全なプライベートな「テーラード・ファクトリーツアー」もあります。
通常のフェラーリ工場見学に、フェラーリ本社横にある「Ristorante Cavallino」でのランチと特別なお土産がセットになっています。
現在、テーラード・ファクトリーツアーの料金は、オーナーが€350、同伴者は€150となっています。
私も次回は「テーラードファクトリーツアー」に参加したいと考えています!
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- 宮代ツトム