更新
てんとう虫、バリカン、カニ目…愛されたが故にニックネームで呼ばれた車たち【推し車】
「ハチロク(AE86)」のように型式で呼ばれる車や、「ワンダー(3代目”ワンダー”シビック)」や「ケンメリ(“ケンとメリーの”スカイライン、4代目C110)のようにメーカーのキャッチコピーなど宣伝文句に由来した愛称で呼ばれる車は結構あります。
しかしそれはあくまで、代替わりした同じ車名の車を区別するため、メーカーがそう呼んでほしいという意図あってのもの。「スズキのマー坊と呼んでくれ」がキャッチコピーだった、スズキ マイティボーイなど典型的です。
今回はそれとは別に、ユーザーがいつしかそう呼ぶようになった、本当の意味での「ニックネームで呼ばれた車」を、3台リストアップしてみました。
てんとう虫(スバル360)
後年、R1がてんとう虫と一緒の広告もありました
フォルクスワーゲンのタイプ1”ビートル”(カブト虫)を意識したのかどうか、スバル360についたニックネームは”てんとう虫”。
太平洋戦争中の航空技術者たちがその技術を活かし、1950年代の最新技術を投じた軽量フルモノコック構造という違いはあれど、限られた重量で剛性を確保するための丸みを帯びたボディ、リアに積まれた空冷エンジンで後輪を駆動する基本レイアウトも共通です。
スバルとしてもこのニックネームは気に入っていたようで、末期のオリジナル軽乗用車で、FFながらスバル360を思わせる丸みを帯びたデザインの「R1」でも、てんとう虫と一緒になっている広告が作られました。
- 最新「360」中古車情報
-
本日の在庫数 52台 平均価格 167万円 支払総額 92~265万円
バリカンコロナ(3代目トヨペット コロナ)
BC戦争でブルーバードのシェアを刈り取ったバリカン
初期のクラウンやマスターの部品で急造した初代、前期型の凝りすぎたサスペンションがタクシ業界に不評だった2代目。日産のダットサン210や初代310型ブルーバードへ遅れをとった教訓を活かした3代目コロナ。
アローラインと呼ばれたデザインより、上に向かうほど後ろへ傾くスラントノーズと、刃のようなフロントグリルによるバリカンのようなフロントマスクがよほど目立ち、ユーザーからは「バリカンコロナ」のニックネームで親しまれました。
海外では身の回りの品からニックネームがつく事が多いものの、日本では稀な例。デザインに難のあった2代目410型ブルーバードのシェアを、文字通りバリカンで刈り取るように奪っていったのです。
- 最新「コロナ」中古車情報
-
本日の在庫数 44台 平均価格 217万円 支払総額 59~990万円
カニ目(オースチン・ヒーレー スプライトMk I)
この愛らしい表情はそうそうマネできない
イギリス製スポーツカーでもっとも愛らしいフロントマスク。特にボンネットから突き出した目のようなヘッドライトで、各国ともさまざまな名前で呼んだコンパクトスポーツの日本版ニックネームは、「カニ目」。
スポーツカーの名門で、ビッグヒーレーなど名車を生んだオースチン・ヒーレーによって、兄弟車のMG ミジェットと全く異なるボディを与え、「スプライト」という立派な名前をつけたにも関わらず、他国同様、日本ではほとんどがスプライトと言わずカニ目と呼びます。
むしろカニ目と言わねば、どんな車だったかイメージがわかない人も多いかもしれず、ビートル同様にニックネームの方がユーザーに親しみ、馴染みきってしまった好例です。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
新型車に関する最新情報はコチラ!
【推し車シリーズ】まとめて読みたい人はコチラ!
メーカー別●●な車3選はコチラ
スポーツカーを中心にまとめた3選はコチラ
- 執筆者プロフィール
- 兵藤 忠彦
- 1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...