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カーラッピングフィルム・シートおすすめ人気5選|お手軽DIYの貼り方や費用
目次
愛車を手軽にイメチェン!カーラッピングとは
1980年代頃まではボディカラーを変更(いわゆる“色替え”)したり、車体にグラフィックを表現しようとしたりする場合には、塗料を使ってペイントを施すことが一般的でした。しかし、車体全体を塗装するオールペイントは多額の費用が必要であり、1度ペイントすると元に戻すには再塗装をするほかなく、愛車を手放す時は下取り査定で大幅原点を覚悟しなければなりませんでした。90年代に入り、塗装に代わって専用のプリンターで着色したプラスチック製のフィルムを車体に貼るカーラッピングが普及しました。
カーラッピングはバスから普及した
日本国内でカーラッピングが普及する契機となったのが東京都交通局の路線バス、いわゆる都バスです。2000年4月、深刻な赤字経営を続けていた都バスの収支改善のため、石原慎太郎都知事(当時)が都条例を改正し、バスや路面電車の広告の上限サイズを拡大したことで、車体前面に広告フィルムを貼付けたラッピングバスを登場します。
都内を走り出したラッピングバスは道行く人からの注目が高く、広告の訴求力は抜群でした。その結果、当初は年間5億円と見込まれた広告収入は実際には6億3,500万円を集めるという好結果を生み出すことになります。
この時点では路面電車以外の鉄道車両のラッピング広告は屋外広告物規制により制限を受けていました。しかし01年10月には規制緩和が行われ、第三者の広告を載せる場合には車体面積の1/10まで、非営利目的の広告については1/3までの利用が認められ、現在に至ります。
カーラッピングで車をドレスアップするメリット
塗装するより簡単&繰り返しドレスアップできる
カーラッピングは役目を終えたり、飽きたりしてもフィルムを剥がすことで簡単に現状復帰でき、施工費用も塗装に比べて安価なのがメリットです。しかしながら、平面の広告看板にフィルムを貼るのとは異なり、自動車はボンネットやトランク、ドアなどの開口部があり、複雑な立体構造をしています。そのため、ボディに貼りつける際にはフィルムを部分的に切り取るなどして、ドアなどの可動部を支障したり、エアインテークを塞いだりすることがないように処理する必要があります。
耐久性は3年ほど。洗車もOK
カーラッピングの耐久性は、使用環境による影響がとても大きいため一概には言えませんが、3年から5年程度としているメーカーがほとんどです。 ラッピングをした状態でも洗車は問題なくできます。
塗装面の保護にも有効
カーラッピングは手軽かつ安価に愛車のイメチェンが図れることがいちばんのメリットですが、ほかにも塗装面の保護にも有効です。そして、車両の代替の際にはフィルムを剥がせば、塗装面の痛みが少ない中古車として売却することで、下取り査定のアップが狙えます。また、リセールを気にして好きなボディカラーのクルマに乗れないという人にも、フルラッピングはおすすめです。
カーラッピングフィルムの貼り方の種類
小さな面積・単色のフィルムを貼るのに適した「ドライ貼り」
単色やシンプルな柄のフィルムを小さな面積に貼る場合には、施工したい場所にフィルムをそのまま貼り、「スキージ」と呼ばれる専用の施工ツールで中心から端に向けてシワを伸ばしつつ貼るだけでOKです。この手法を「ドライ貼り」と言います。
大型のラテックスインクジェットプリンターを使用する場合、無地(白)のフィルムを用意して好きな色やグラフィックを印刷します。印刷が終わったらフィルムの印刷面に透明な塩ビシートを貼り、ラミネート加工を行います。ラミネート加工を施すことでシートの強度を上げ、物理的な衝撃から印刷面や車体を保護し、インクとフィルムの耐久性を格段に上げることができます。
大きな面積・グラフィックや文字のフィルムを貼るのに適したウェット貼り
痛車のようにグラフィックや文字が印刷されたフィルムを大きな面積に貼る場合は「ウェット貼り」という手法をとります。
中性洗剤を少し溶かした水を、貼る対象物と貼るラッピングシートの接着面に多めに吹きつけます。
接着面の中央、もしくは面積の多き場所からゆっくりと慎重にシートを載せ、中心からスキージで少しずつ内部の水を外に向けて抜きながら接着をしていきます。その際、ある程度作業が進んだ段階で、接着力の低下を招かないために必ず水気を処理しましょう。
クルマやバイクのボディは曲面の部分が多く、どうしても貼りにくい部分が出て来てしまいます。その場合は少し離れた場所からヒートガン(ドライヤーの強力なもの)を使って、ゆっくりと暖めながらフィルムを熱で伸縮させて貼っていきます。
カーラッピングフィルム(シート)にイラストや文字を印刷するには
ボディ全体をグラフィックや文字が印刷されたフィルムでフルラップするには、大型のラテックスインクジェットプリンターが必要になります。こうしたプリンターは安価なものでも15万円ほど、プロユースの高いものになると200万円を超えるものもあります。
カーラッピングする方法と手順
必要なもの
- 貼り付けるカーラッピングフィルム(シート)
- 洗車用具
- シリコンオフ
- ハサミやカッターナイフ
- スキージー(ヘラ)
- ヒートガン
手順
- 洗車後、シリコンオフでボディを脱脂
洗車後でも、油分などの汚れが残ったままだと貼り付けたシートが数日ではがれてしまいます。そこで、シリコンオフスプレーで脱脂作業を行い脂を除去します。クリーナー系だと強力すぎて塗装面を溶かしてしまうことがあるのですが、シリコンオフなら問題なく使用できます。 - フィルム(シート)の切り出し
基本、シートは施工する場所に合わせて大体の大きさで切っていきます。ただ、最終的にシートを塗装面の裏側に折り返すことになるので、その分の余白を確保するためにも余裕のある大きさに切るようにしてください。 - 片側少しだけリケイ紙を剝がし、端に貼り付ける
失敗しないためにも、カーラッピングのフィルムの裏にあるリケイ紙はいきなり全部剥がさないで下さい。フィルムのリケイ紙は少し剥がしたら、端から少しずつ貼るイメージで。貼り方は、スマホにフィルムを貼る時のように、少しずつ少しずつ、慎重に貼っていきましょう。 - 温風を当てつつ、ヘラで空気を押しながらフィルムを貼っていく
フィルムを貼る際に使う道具が、スキージー(ヘラ)とヒートガンです。一箇所に集中させない温め方でヒートガンを振りながら、スキージーで空気を押し出して貼りましょう。 ドライヤーをヒートガンの代用にすることも可能ですが、ヒートガンより熱量が弱いためおすすめはできません。 - 裏側に折り返すときは伸ばしながら。裏側もしっかり圧着
シートを裏側に折り返すときも、ヒートガンを当て、フィルムを伸ばしながら慎重に折り返していきます。シートを裏側に折り返したら、そのまま裏側部分も圧着させていきます。裏側もしっかり圧着させることでシートの耐久性が上がるので、最後までしっかり行いましょう。 - 貼り終えた面に再度熱を当てる(ポストヒーティング)
フィルムは熱をかけて伸ばすと時間の経過と共に元に戻ろうとする力が働き、徐々に縁から剥がれ落ちていきます。そこで、貼り終えた面に再度熱を当てる(ポストヒーティング)を行い、元に戻ろうとする力を取り除いておきましょう。 - 不要部分を1cm程度残してカット
貼り終えたらカッターで余分な部分を切ります。フィルムが収縮することを前提に1㎝程度は残すように切るようにしましょう。ギリギリに切ってしまうとシートが剝がれてしまうことがあるので、注意して作業しましょう。
初めての場合は小物パーツから
初めての場合は、小物パーツで貼り方を体感し、何度か練習を重ねましょう。感覚が掴めてきたところで大物パーツのラッピングに挑戦することをおすすめします。
ボンネットなど大きな面に貼り付ける場合は複数人で
ボンネットなどの大きなパーツとなると一人では難しいので、複数人数で作業するようにしてください。
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カーラッピング費用は?DIYと業者で比較
カーラッピングの施工作業を自分で行わない場合は、カーラッピングの施工を行う専門業者を見つける必要があります。こうした業者はカーラッピングのほかに屋外広告などを手掛けていることが多いようです。
専門業者によって施工費用は異なりますが、だいたいパネル1枚で3〜5万円。小型乗用車の車体全体をフルラップする場合は単色で10〜25万円、痛車のようにグラフィックや文字が入るケースだと30〜60万円くらいが相場のようです。オールペイントの費用に比べると半分程度の費用で愛車のイメチェンが図れます。
痛車のラッピングはどうやる?手順や方法
痛車のラッピングとして人気なスタイルは部分ステッカーです。ステッカーの貼り付け方は、上記で説明しているフィルムの貼り付け方とほとんど変わりません。高度なクオリティを確保したい方は、ラッピング専門業者に委託することをおすすめします。
フルラッピングならラバースプレーもあり
ラバースプレーとは、乾燥するとゴム状になる塗料です。車のホイールやボディなどを塗装できます。最大の魅力は塗装後に簡単に剥がせること。一度乾燥させればゴム膜をめくるように剥がし落とせます。シートによるフルラッピングは労力と時間がかかるのでラバースプレーで作業するのも一つの手段としておすすめです。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部 カー用品チーム