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クルマから突然火の手が!?冬場の乾燥時期も注意が必要な車両火災
たびたびニュースで目にする車両火災。黒煙が上がる映像から、危険性をうかがうことができます。
夏場はもちろんですが、冬場も特に要注意。冬は空気も乾燥しやすいため、建物火災などと同様に車両火災にも注意しなければなりません。
車両火災は、何が原因で発生するのでしょうか?
車両火災はなぜ起きる?
令和2年版の『消防白書』をみてみると、令和元年の車両火災件数は3,585件。火災原因が判明しているものは以下のとおりです。
- 排気管(614件)
- 交通機関内配線(329件)
- 放火(267件)
- 電気機器(236件)
- たばこ(169件)
原因として最も多い「排気管」の詳細内訳をみてみると、「着火物の漏えい(185件)」「高温物の接触(121件)」「可燃物の接触(110件)」「その他(198件)」。
排気管は車のパーツのなかでもかなり高温になりやすい箇所ですが、排気管自体が燃えるということはなかなかありません。燃料やオイルなどが漏れて高温部にかかったり、エンジンルーム内に置き忘れたウエスなどに引火して火災につながることが多いようです。
また、バッテリーのターミナルが緩んでショートしたり、カーナビやオーディオの配線トラブルなども車両火災につながっているようです。
なかにはダッシュボードに置いていたライターが直射日光によって発火したというケースも。特に夏場は、ライターやスプレー缶など、火災を引き起こす可能性のあるものを車内に放置すると危険です。
冬場は静電気にも注意
上述したもの以外、冬場は「静電気」にも注意が必要です。
特に給油時は気をつけたい場面。静電気が原因でガソリンに引火する可能性があるということは周知のとおりです。
実際に、給油中に静電気が原因となって火災が発生した事例は少なからず報告されています。
ガソリンスタンドの店員に聞いてみると「最近はコロナウイルスの影響もあってか、静電気除去パッドに触れずに給油する人もいらっしゃいます。感染対策はできる限り行っておりますので、万が一の事態を防ぐためにも、給油前は静電気除去パッドを使用していただきたいです。」とのこと。
過去の火災事例を受けて対策も進み、給油中の静電気による火災は減少していますが、ガソリンは危険物です。そのことを再認識し、静電気除去パッドなどを上手く活用しながら安全に作業すべきでしょう。
車両火災を防ぐためには
先述したように、車内にライターやスプレー缶を放置するのは危険です。特に真夏の車内は高温になりますので、ライターなどは必ず手元で保管し、たばこの残り火などにも注意しましょう。
また、後付けのパーツなどを取り付けた場合、正しく装着されているかどうか確認することも大切です。装着に不具合があると火災につながる可能性もあります。
カーナビやオーディオ機器などの電装品も同様です。ずさんな配線処理は火災の危険性を高めます。自分で取り付けるには専門知識も必要になるため、少しでも不安な場合は専門店での取り付けをおすすめします。
そして定期的なメンテナンスも必ず行いましょう。エンジンオイルなどの油脂類が劣化していないか、漏れていないかなどをチェックしてください。なお、自分で確認を行った際は、ウエスなどをエンジンルーム内に置き忘れることのないようご注意を。
車両火災の原因の「放火」に関してはあまり良い手立てがなく、被害にあったオーナーの心中は察するに余りありますが、防犯カメラの設置などによってリスクを回避するほかないのかもしれません。
さらに、冬場はもちろんのこと、それ以外の季節でも面倒くさがらずに、素手で静電気除去パッドに触れてから給油しましょう。
給油中の静電気の危険性を考えると、「静電気除去パッドに触れないと給油できない」といった仕組みができれば、リスクは減るのかもしれませんね。
いずれにせよ、定期的なメンテナンスとちょっとした心がけによって、車両火災の要因は減らすことができます。自宅と同様、カーライフにおいても火の元への注意を払うことが安心につながります。
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- 執筆者プロフィール
- 成田 佑真
- 1993年生まれ。普段は医療機器販売を行っているが、暇があれば自動車関連記事を読み漁る。現在の愛車はA4。子どもの頃からマークⅡに憧れ、社会人になりマークXを購入。週末は必ず手洗い洗車を行い、ドライブに出...