更新
「ディーラー・整備工場」VS「ユーザー車検」どっちが安い?オススメは〇〇
車検はカーライフで避けては通れないイベントです。車を乗り続けるためには的確なメンテナンスが重要となりますが、少しでも安く費用を抑えたいもの。
巷では「ユーザー車検が安い」という声を聞くことがありますが、車検を後悔なく済ませるには、ディーラーや民間の整備工場へ依頼するのとどちらがよいのでしょうか?
”手数料”を払わない分、ユーザー車検の費用は安いが…
ユーザー車検を受けるメリットとして、ディーラーや整備工場へ車検の手続きにかかる”手数料”を支払わずに済むメリットがあります。
ユーザー車検は、車の所有者が自ら運輸支局へ車を持ち込み、車検に合格して検査証を得る方法です。
通常であれば、国土交通省が定めている「道路運送車両法」の第48条にしたがって、車の所有者もしくは整備工場で法定点検を行わなければなりません。同時に、ディーラーや整備工場に、法定点検の作業と合わせて検査合格までの手続きを依頼することとなります。
しかし、ユーザー車検なら法律で決められている「自動車重量税」や「自賠責保険料」、手続き用の印紙を購入する「検査手数料」はかかりますが、好きなスケジュールで運輸支局に車検の予約をし、自ら対応することでディーラーなどへ支払う代行手数料をカットできるのです。
法定点検の作業は、ディーラーや整備工場で働く自動車整備士のような技術や知識が必要となるため、自分で行うのは難しく危険となるでしょう。少しでも車検にかかる費用を抑えたいなら、車の所有者が運輸支局で車検の手続きを行えばよいのです。
ディーラー・整備工場に依頼したほうが苦労しなくて済む
もし、ユーザー車検に不安を感じるなら、ディーラーや整備工場へ車検を依頼したほうが苦労をせずに済むでしょう。
ユーザー車検には、ディーラーなどへ代行手数料を支払わずに済む反面、万が一車の状態が基準に満たしていなければ検査が不合格となるリスクがあります。不具合があれば、別途ディーラーや整備工場に点検作業を依頼しなければなりませんし、すぐに問題の箇所を修復してもらえるかは不透明です。
しかし、ディーラーや整備工場では、車検を通すための法定整備に加えて、運輸支局へ車を持ち込む業務も代行してもらえます。国土交通省から「指定工場」と呼ばれる認定を受けている場所であれば、運輸支局へ持ち込む手間がなく車検が終了するのも強みです。
24ヵ月の法定点検と車検代行業務を請け負う、とある整備工場の経営者から次のような見解を伺いました。
「私たちのような工場やディーラーさんに車検を依頼したほうが、苦労なく車検に通ると思います。
ユーザー車検は、”短時間・低価格”を売りにしていますが、一般の方には難易度が高いかもしれません。
整備手続きを済ませるための最寄りの運輸支局は、平日昼間しか空いていないため、時間に余裕がある人でないと難しいでしょう。予約や書類作成も所有者ご自身で取り組まなければならないため、手間がかかります。
また、車検に合格できるとしても、道路運送車両法に沿って、24ヵ月の法定点検を所有者ご自身で行うか、もしくは専門の整備工場に持ち込んで対応してもらわなければなりません。
これらのことから、費用を削ろうと思ってユーザー車検を受けるのは、結果的に費用が変わらないどころか余計にかかってしまいます。時間や手間がかかると理解してから、ユーザー車検を受けるか決めていただくとよいのではないでしょうか。」
そんな事もしていないの?と思える「ユーザー車検」で見かけたトホホなケース
費用が安く抑えられると思ってユーザー車検を受けたら、余分に時間と手間が取られたりするリスクがあります。ユーザー車検を行っているのは平日に限られるため、都合をつけられる人でなければ手続きを行うのは難しいです。
ディーラーや整備工場に依頼したほうが、都合を合わせるのが難しく、車に対する知識が薄い人でも問題なく車検を済ませられるでしょう。
ユーザー車検とディーラーや整備工場での車検を費用だけで比較せず、どちらの方法が合うのかじっくり検討してみるとよいのではないでしょうか。
最近急増中「整備難民」とは?整備難民を増やしている原因とならないための3つのポイント
最近話題になっているディーラー不正車検の内容とは?
失敗しない車検シールの貼り方と正しい貼り付け位置とは?
- 執筆者プロフィール
- 長谷川 優人
- 1990年生まれ。30代突入と同時期にライター業を開始。日常系アニメと車好き。現在所有はワゴンR(MH95S)。アニメ作品の聖地巡礼などで、各地へドライブに出かける。