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「あんなに宣伝しても売れた割合は車全体の約2.1%」日本人が電気自動車を買わない理由
日本で電気自動車はどのくらい売れてるの?
日産 リーフの登場から約13年、2022年に軽EVが話題になったこともあり、EV(電気自動車)もめずらしい車ではなくなった感があります。……が、そのわりにはEVってあまり見かけないような。
EVがそれなりに売れているなら、目にする機会はもっと多くてもよさそうなものです。というわけで、2023年1〜7月の自動車販売台数を調べてみたところ、次のデータが取れました。
- 1〜7月の自動車販売台数は2,602,175台
- 同期間のEV販売台数は55,045台
- 同期間の自動車販売台数に占めるEVの割合は約2.1%
EVが売れた割合は車全体の約2.1%と、売れ行き好調とは言い難い数値です。あまりEVを見かけないのは売れていないから、といえそう。
なお、上記データは「日本自動車販売協会連合会」と「全国軽自動車協会連合会」の資料から算出しています(リース車は台数から除外、以後のデータも同様)。
軽EVは購入促進の起爆剤になったのか?
近年のEVの重要トピックといえば、日産 サクラと三菱 eKクロスEVの発売(2022年6月)です。実用的で手頃な軽EVといえるこの2モデル、EV普及の起爆剤とはならなかったのでしょうか。次の数字をご覧ください。
- 2023年1〜7月のサクラの販売台数=22,763台
- 同期間のeKクロスEVの販売台数=5,486台
- 同期間の三菱 ミニキャブ・ミーブの販売台数=1,260台
2023年1〜7月の軽EVの販売台数はトータル29,509台で、その大部分をサクラが占めています。この数字だけを見るとサクラはヒット商品といえそう。
ただ、2023年1〜7月の軽自動車全体の販売台数は1,011,972台ですから、そこに占める軽EVの割合は2.9%程度です。サクラとeKクロスEVは売れていますが、EV普及に大きく貢献した!とまではいえないのが現状でしょう。
普通車EVの売れ行きはどんな感じ?
軽EVの売れ行きを見たところで、輸入車を含めた普通車EVの販売台数にも触れておきましょう。ザックリいうと、2023年1〜7月の普通車EV販売台数は、普通車全体の約1.6%です(普通車1,590,383台のうちEVは25,536台)。
ちなみに、2023年7月の普通車EV販売台数は2,679台で、前年同月と比べて510台増加しています。1〜6月の販売台数もそれぞれ前年を上回っていることから、普通車EVを選ぶユーザーは増えていると考えてよいでしょう。
……とはいえ、それでもEVが売れた割合は軽自動車を含めても約2.1%と、全体の5%にも達していません。EVがあまり売れていないのは何故なのでしょうか。
- 執筆者プロフィール
- 加藤 貴之
- 1977年生まれのフリーライター。10年以上務めた運送業からライターに転向。以後8年以上にわたり、自動車関連記事やIT記事などの執筆を手がける。20代でスポーツカーに夢中になり、近年は最新のハイブリッド車に興...