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「こっちは法定速度で走っているのに…」“煽り気味”の後続車にも道を譲るべき?誤解されやすい《追いつかれた車両の義務》
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「法定速度で走っているのにあおられた…」後続車に道を譲るべき?
近年、ドライブレコーダーの普及に伴って「あおり運転の証拠」が容易に掴めるようになり、動画などで拡散され社会問題にまで発展してきました。
弁護士ドットコム株式会社の調査結果によれば、あおり運転をする理由として最も多かったのは、『前の車のスピードが遅かった』というもの(58.7%)。つまり、前方車が低速で走行することによって、後続車があおり運転をしてしまうケースが多いのです。
当然ながら、道路上では”円滑な交通”が求められるため、最高速度や指定速度(制限速度)を大幅に下回る速度で走行した場合、『交通の流れを妨げている』と捉えられてもおかしくはありません。
しかし、街中では法定最高速度や指定速度で走っているにもかかわらず、後続車があおってくるケースがあります。このような場合、後続車に道を譲る義務はあるのでしょうか?
「追いつかれた車両の義務」とは何?
まず頭に入れておきたいのが、片側一車線の道路を走行中に後続車が追いついた場合、追いつかれた車両は追いついた車両に道を譲る義務があるということです。
車両(乗合自動車及びトロリーバスを除く。)は、車両通行帯の設けられた道路を通行する場合を除き、最高速度が高い車両に追いつかれ、かつ、道路の中央(当該道路が一方通行となつているときは、当該道路の右側端。以下この項において同じ。)との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合においては、第十八条第一項の規定にかかわらず、できる限り道路の左側端に寄つてこれに進路を譲らなければならない。最高速度が同じであるか又は低い車両に追いつかれ、かつ、道路の中央との間にその追いついた車両が通行するのに十分な余地がない場合において、その追いついた車両の速度よりもおそい速度で引き続き進行しようとするときも、同様とする。
道路交通法第27条第2項
例えば、指定速度50km/hの片側一車線道路において、自身が30km/hで走行し、後ろから50km/hで走行する車に追いつかれた場合は、左側に寄って進路を譲らなければなりません。
また、進路を譲る際には、追いついた車両が追い越しを完了するまで速度を上げてはならないことも、第1項で定められています。
つまり、片側一車線の道路で最高速度や指定速度を大幅に下回る低速で走行し、後続車に道を譲らない行為は、厳密にいえば違反なのです。
スピードが遅いからといって、『あおり運転をしてもよい』というわけではありませんが、低速で走行している場合などは、追いつかれた車両に”譲る義務”が発生します。
- 執筆者プロフィール
- 成田 佑真
- 1993年生まれ。普段は医療機器販売を行っているが、暇があれば自動車関連記事を読み漁る。現在の愛車はA4。子どもの頃からマークⅡに憧れ、社会人になりマークXを購入。週末は必ず手洗い洗車を行い、ドライブに出...