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「違う、そうじゃない」便利とおせっかいは紙一重だった、クルマの懐かし装備3選
どこまで伸び…「ボキッ」あー!電動伸縮アンテナ
当時、一般的だったラジオアンテナは、運転席からルーフに手を伸ばし、手動でアンテナを伸縮させるものでした。電動伸縮アンテナは、アンテナをルーフに取り付けられない車に装備されていたものです。
例えば、一部のオープンカーでは、ルーフにアンテナをつけることができず、後方のトランク横などに電動伸縮するアンテナを用意していた車があります。
車内のスイッチで伸ばしたり縮めたりできるもので、さらにエンジンOFFでも縮む、なんともかっこいい装備なのですが、問題はルーフよりもはるかに高くアンテナが伸びてしまうこと。
スイッチ一つで伸びていくのですが、屋根付き駐車場で調子に乗ってスイッチを入れると、アンテナが伸び天井に衝突、そのまま折れてしまうなんてことも。
車に乗ったままアンテナの調整ができないために電動伸縮としたのでしょうが、壊れやすく、また長く伸びると危ないものは、手動のままでよかったようにも思います。
微妙に不便だった、車速感応式集中ドアロック
走行して、一定速度までスピードが上がると、全ドアをロックする機能です。最近の車にもついている装備ですが、昔のものは少し厄介でした。
走り出して、「ガチャ」とロックがかかると、「おっ、高級車!」という感じを受けたものですが、万が一この状態で事故に遭うと、車内に取り残された人を救出するのが大変なのです。
また、車から降りる際にはロックを解除してあげなければならないので、何人かとドライブに行って、一人ずつ家の前まで送り届けていくなんて言うシチュエーションだと、非常に不便。
のちに、パーキングレンジに入れるとロックを解除する機構が追加され、使いやすくはなりました。
さらに、衝突検知をすると自動的にアンロックする機能も追加になっていますが、そうまでするなら、自動ロックをやめた方が良いのではないかと思ってしまいます。
これこそ日本の車にとっては、ありがた迷惑で、おせっかいすぎる装備でしょう。
昔に限らず、今もありがた迷惑な装備はいろいろとあります。ついていても使わない装備は、現代の方が増えたかもしれません。
便利とおせっかいは紙一重。特に日本車にはありがた迷惑装備が多く、時代が変わっても減らない印象です。
実際の使用感などがユーザーからメーカーに届けば、ありがた迷惑も減っていくのではないかと思います。
ユーザーの皆さん、装備の使用感などは、ディーラー担当者やSNSなどでもいいので、どんどん発信したほうが、自動車装備は洗練されていきます。作り手と使い手が一緒になって、車作りをしていきましょう。
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- 執筆者プロフィール
- Red29
- 1980年代生まれ。国産ディーラーでの営業職として働き、自動車関連の執筆者として独立。ユーザー目線に立った執筆を心掛けています。愛車はトヨタプリウス。ホットハッチに代表される、小規模小パワーのクルマが...