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BEVは日本の四季に不向き?意外と知られていない電気自動車の天敵「猛暑」とは
日産の軽自動車「サクラ」の市販化により、世の中で身近な存在となりつつあるBEV(電気自動車)。電気をエネルギーとすることで、近年のガソリン代高騰に対応できると期待と注目を集めています。
しかし、よく耳にするのが「BEVは暑さに弱いのでは?」という声。果たして本当なのでしょうか?
暑さで走行用バッテリーが余分に発熱する?
BEVが暑さに弱いと見られている要因の1つに、走行用バッテリーが暑さでトラブルが起こりやすいと考えられていることが挙げられます。
エンジンを搭載している車はガソリンをエネルギーとして、冷却水をエンジン内部で循環させたり、外の空気を取り込んだりして熱を抑えつつ車を走らせられるようになっています。
対するBEVは駆動用モーターと走行用バッテリーの2つが動力源となっていますが、夏場の暑い時期にはモーターではなくバッテリーに問題が起こりやすいようです。
バッテリーの原材料は、「リチウムイオン」です。軽量かつコンパクトで大量のエネルギーを生み出せるのが強みで、スマートフォンだけでなくパソコン、家電製品でも使われている素材です。近年ではBEVやハイブリッドカーの走行用バッテリーにも使われ始めました。
ところが、リチウムイオン電池は大量のエネルギーを生み出せるメリットがある反面、熱が高まりやすく膨張しやすいデメリットがあります。高熱はバッテリーに与えるダメージが多く、劣化を早めるリスクがあるそうです。
特に、夏場は外気の気温が高まり、熱くなってしまったバッテリーを冷やすどころではない状況となります。BEVの技術・実用化は半世紀以上も前に行われているものの、世界での本格的な市販化が始まってから時間が経過していないこともあり、今後の改善ポイントとなりそうです。
- 執筆者プロフィール
- 長谷川 優人
- 1990年生まれ。30代突入と同時期にライター業を開始。日常系アニメと車好き。現在所有はワゴンR(MH95S)。アニメ作品の聖地巡礼などで、各地へドライブに出かける。