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さだまさしの「償い」悲哀に満ちた実話や運転免許試験場で流す理由とは?
目次
運転免許試験場でさだまさしの「償い」が流れる?
講習受講者のツイートで、東京都の鮫洲運転免許試験場の講習で、さだまさしさんの楽曲「償い」が流れたという旨の内容が広まったときがありました。
実際に警視庁は、東京都で開催される運転免許のドライバー講習や違反者講習において「償い」の映像を流す取り組みを行っているようです。
さだまさし氏とはどんな人物?
さだまさし氏は、日本のシンガーソングライターです。1972年に、フォークデュオの「グレープ」というグループでメジャーデビューしました。2枚目のシングル曲「精霊流し」のヒットにより全国にその名を知られるようになります。
ソロシンガーになってからも「雨やどり」「関白宣言」「親父の一番長い日」「北の国から〜遥かなる大地より〜」など、数々の著名な曲を手がけました。
現在はテレビ・ラジオ・コンサートのMCでは軽快なトークを展開したり、小説家としても活動するなど、マルチな才能の持ち主です。
「償い」は1982年にアルバム「夢の轍」に収録された曲です。どんな内容の歌詞なのでしょうか?
「償い」の悲哀に満ちた歌詞 ~ゆうちゃんの過ち~
歌詞に登場する「ゆうちゃん」は、「僕」の友人。「たった一度だけ哀しい過ち」、即ち人身事故を起こしてしまいます。
事故の原因は、雨による視界の悪さとゆうちゃんの疲労が重なったもの。まさしく不幸と呼べるものです。しかし、愛する夫を失った被害者の奥さんは「人殺し、あんたを許さない」とゆうちゃんを罵ります。
ゆうちゃんは、本当の事情を隠してニコニコ笑えるような、気丈で優しい人柄であると想像できます。しかし事故の後、彼は奥さんに対する償いのために、人が変わったように働いて働いて、毎月仕送りを続けます。
たった一度の事故で被害者の命は失われ、ゆうちゃんと奥さん2人の人生は狂ってしまったということですね。
「償い」の悲哀に満ちた歌詞 ~被害者遺族からの手紙~
事故から7年の月日が経ち、被害者の奥さんから初めてゆうちゃんに手紙が届きます。その内容は「送金はもうやめてほしい」「あなたからの手紙を見るたびに主人を思い出して辛い」というもの。
さらに奥さんは手紙の中で、ゆうちゃんに「自分自身の人生をもとに戻して」と綴ります。様々な苦悩や葛藤の末に導き出されたであろう、ゆうちゃんへの許しといえるでしょう。
奥さんの夫の死への悲しみは未だ癒えていないことが伺えますが、それでもゆうちゃんの誠意に応えなければならないという思いもあったのでしょう。
「償い」の悲哀に満ちた歌詞 ~人間のやさしさとは~
「償い」の物語に、悪人は登場しません。事故を引き起こし、人生を狂わせた心優しい若者と、事故で大切な人を亡くした夫人、この二人が不運な事故で巡り合ってしまうのです。
「僕」は、理不尽な現実の中でゆうちゃんの誠意が報われたことや、奥さんの哀しみに満ち溢れた慈悲に涙を流すのでした。
人間の哀しさはやさしさ。歌詞の最後に、ゆうちゃんや僕のキャラクターを借りた、さだまさし氏によるメッセージとも取れるフレーズが綴られます。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...