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【装甲車って買えるの?】96式装輪装甲車やストライカーなど車種を紹介&中古購入情報

一般ユーザーが購入できる装甲車はある?

軽装甲機動車
自衛隊の軽装甲機動車。自衛隊は払い下げを行っていないため、自衛隊の装甲車は購入が不可能。
出典:wikipedia.org Author:Los688 CC0

一般人が入手可能で、ナンバーを取得して公道を合法的に走れる装甲車はないのでしょうか? ここからは日本国内に輸入された民間所有の装甲車について紹介して行くことにしましょう。

BRDM-2

BRDM-2
Copyright©️ 2016 山崎龍 All Rights Reserved.

BRDM-2は旧ソ連の偵察戦闘車です。前任のBRDM-1がBTR-40をベースとしているのに対し、BRDM-2は車体から新規に設計を起こされました。

車体後部にV型8気筒ガソリンエンジンを搭載し、船型の車体と車体後部に1基のウォータージェット推進装置による水上走行能力を持ち、タイヤの気圧集中制御システム、赤外線暗視装置などを備えます。

生産は1963年から開始され、89年の生産終了までに2万台以上がラインオフしました。

生産終了から四半世紀が経過した現在でもロシアや東欧、中南米、アフリカ、アジア、中近東など世界30カ国で8,000台以上が運用中です。

BRDM−2
Copyright©️ 2016 山崎龍 All Rights Reserved.

写真の車両は筆者が2年前に首都高速で撮影したもの。キャリアカーに載せられて移動して行くBRDM2の姿を偶然見かけて言葉を失いました。BRDM-2の車体は真っ白に塗装され、国連軍を示す「UN」の文字が大きく書かれています。

あとで調べたところ、某サバイバルゲーム・フィールドに置かれていた車両とのこと。BRDM-2はサイズ的に保安基準を満たしていますし、ガソリンエンジン車なのでNoxPM規制を受けません。

この車輛はナンバー登録されていないようですが、ナンバー取得も可能だと思います。海外の払い下げ品専門業者やミリタリー・オークションでは邦貨換算で300〜500万円程度で取引されているようです。

個人輸入やナンバー取得は一筋縄では行かないとは思いますが、不可能ではないようです。

M3ハーフトラック

M3ハーフトラック
出典:wikipedia.org Author:Paul Hermans CC 表示-継承 3.0

M3ハーフトラックは第2次世界大戦でアメリカ陸軍が使用した兵員輸送用の半装軌車両(車名の由来は「半装軌」を意味する英語から)です。

M3ハーフトラックは装甲トラックの後輪を装軌式とした単純な構造の装甲車ですが、パワフルなエンジンを搭載し、前輪も駆動輪としたことから高い走破性を発揮しました。

第2次世界大戦終結までに派生型を含めて53,813台が生産され、大戦後もアメリカの友好国を中心に各国で運用されました。1950年代には発足間もない陸上自衛隊にも供与され、80年代まで運用が続けられました。

https://www.youtube.com/watch?v=PU3bAYKI8w0&feature=emb_title

上記の動画の車両はアメリカから自衛隊に供与された車両の生き残りのようです。手続き上、アメリカからリース扱いにされたM3ハーフトラックは用途廃止後にアメリカ政府へと返却されました。

しかし、旧式化したM3ハーフトラックをアメリカ本土に持ち帰って処分するのは手間も費用もかかるため、日本の業者に払い下げたようです。

そのほとんどがスクラップとして処分されたようですが、中には通関証をつけて登録可能な状態で払い下げられた車両もあったようで、上記の動画で登場した車両はそうした車両の1台だと思われます。

この車輛のようにレストアされた動態車両は極めて稀少ですが、スクラップ同然に放置された車両なら国内で見つけることができるかも知れません(筆者はほかにM3ハーフトラックの派生型のM16対空自走砲の民間所有車を見たことがあります)。

書類さえ残っていれば、動画はの車両のようにレストアして公道を走ることもできるはずです。

フェレット装甲車

フェレット装甲車は50年代にイギリス・ディムラー社が開発した偵察用装輪装甲車です。この車輛は偵察任務用の高速性能を重視して小型・軽量な車体に、パワフルなロールスロイス製直列6気筒エンジンが搭載されました。

フェレット装甲車は4,409台が生産され、イギリス陸軍をはじめ英連邦諸国や中東・アジア諸国で運用されました。イギリス陸軍では退役しましたが、輸出国の一部では現在でも現役に留まっています。

筆者の友人の山崎元彰氏が個人輸入したフェレット装甲車にまつわるエピソードをご紹介します。

熱狂的なエンスージアストだった山崎氏は、今から5年ほど前に「装甲車両を輸入し、ナンバーを取得して公道を走る」ことを目標としたプロジェクトをスタートさせました。

しかし、海外から装甲車を個人輸入してナンバーを取得するためには、すでに現地でナンバー登録がされており、民間車両としてインボイスが発給される必要がありました。

それらの条件を満たした車両を海外の専門サイトで捜していると、新車同様のコンディションを持つ、63年型フェレット装甲車が偶然売りに出されているのを見つけたそうです。ですが、そこからの道程もまた大変でした。

輸入実績のない特殊な車両ということで税関と事前折衝を何度も重ね、輸入許可が下りる見込みが立ったところでエージェントを雇って購入と輸出入手続きを行い、さらには日本の車両運送法への適合改造などを施し、念願のナンバー取得を実現しました。

フェレット装甲車に普通乗用車のナンバーをつけて街へ繰り出すと大変な注目を浴びます。小型車両サイズとは言え、軍用の装甲車が街中を走るのだから目立たないわけがありません。

その模様を動画サイトに投降したところ、ネット上で大いに話題となり、それが映画関係者の耳に入って、映画「THE NEXT GENERATION パトレイバー」に指揮車として登場することになったそうです。

装甲車は男のロマン!

フェレット装甲車
出典:wikipedia.org Author:Bukvoed CC 表示 2.5

装甲車は男のロマンです。手に入れるのは難しく、ナンバー取得のハードルは高く、払い下げ品の中古車でも価格は高価で、車重が重いので燃費は思いっきり悪い上、普通の乗用車や商用車と違って実用性は皆無です。

そんな装甲車を手に入れて愛好するのは、装甲車に対する熱い思い…ロマンがなければ不可能です。

今回は日本で購入できる可能性がある装甲車を含めてご紹介しましたが、戦車ほどではないにしろ装甲車を購入して愛車とするには並大抵の覚悟ではできないようです。ですが、情熱さえあれば装甲車を個人輸入してマイカーとして楽しむことも不可能ではありません。

どうしても欲しいという方は諦めずにトライしてみてくださいね。


ライター・山崎龍、編集・MOBY編集部(この記事は2017年に公開された内容を再編集したものです)

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執筆者プロフィール
MOBY編集部
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新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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