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軽トラ3台経験者が語る!車中泊車としての軽トラの魅力と活用方法
キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です
目次
- 【車中泊車としての軽トラの魅力】運転しやすく車中泊仕様車に改装もしやすい
- 【車中泊車としての軽トラの魅力】軽トラの現状について
- 【車中泊車としての軽トラの魅力】軽トラの荷台
- 【車中泊車としての軽トラの魅力】シェルや幌がなくても宿泊はできる
- 【車中泊車としての軽トラの魅力】圧倒的に広い部屋を確保できる軽トラシェル
- 【車中泊車としての軽トラの魅力】シェルのタイプ
- 【車中泊車としての軽トラの魅力】移動できる小さな家を建てられる
- 【車中泊車としての軽トラの魅力】安心安全な市販のシェルを活用する
- 【車中泊車としての軽トラの魅力】シェルの積みお下ろしや車両の交換が可能
- 【車中泊車としての軽トラの魅力】想像力豊かな一人旅好きの人向きのクルマ
【車中泊車としての軽トラの魅力】運転しやすく車中泊仕様車に改装もしやすい
車中泊に軽自動車を使用することの人気が高まっていると感じる。
軽自動車は初期投資とランニングコストのどちらも低く抑えられることが魅力だが、小回りが利き、狭いところにもちゅうちょなく入って行けることが旅先では特に便利と感じる。
車中泊旅用に軽ハイトワゴンや軽SUVなどを選ぶ人も多いようだが、運転席や助手席のスペースを使わずに寝られるスペースを確保できる軽バンや軽トラは、車中泊にはやはり断然使いやすく、より本格的な車中泊仕様車に改装もしやすい。
そして、軽トラを車中泊に使用する場合は荷台を活用することになるが、軽トラを車中泊に使用する上で一番の魅力は、なんと言っても荷台を無地のキャンバスの如く自由に使えることで、活用法が色々あることだ。
私はこれまで、軽バンとシェルの付いた軽トラでの車中泊の両方、ついでに無蓋のピックアップトラックの荷台での車中泊(荷台泊?)なども経験してきたが、各々に魅力があり、使用目的や人による向き不向きもあると思っている。
今回の記事では、車中泊用車としての軽トラの荷台の活用方法、これまでの経験から感じた軽トラを車中泊に使用する利点や魅力などを紹介するので、車中泊に使う軽自動車選びの参考になればと思う。
【車中泊車としての軽トラの魅力】軽トラの現状について
特に意識していない人は軽トラなどどれも同じようなものと思っている人いるのではないかと思うが、外観は一見大差ないように見えてもエンジンレイアウトが大きく異なるものもあり(生産中止になっているので、「あった」と過去形の方が正しいが)、実際に使ってみると使用感も各々で大きく変わる。
そして、少し古い車種と比較して現在の軽トラの走行性能や快適性、安全性は格段に向上している。
私は、3車種の軽トラの使用経験があり、自慢しようというわけではないのだが、こういったことを体感している。
また、軽トラは農業や近距離の配達などに使用するものであって、長距離走行や高速走行には向かないと思っている人もいるのではないかとも思う。
そして、現行の軽トラはダイハツ ハイゼットトラックとスズキ キャリイと、これらの2車種のOEM車両、及び各々のキャビンを延長したハイゼットジャンボとスーパーキャリイの、実質4種類しかない。
その辺りのことは、過去に他の記事でも書いているので、そちらを参考にしていただくこととし、少なくとも現行の軽トラは車中泊用に向くベース車両であることが前提で、尚且つ現行のハイゼットトラックとキャリイとこれらの実質異名車(OEM)、及びハイゼットジャンボとスーパーキャリイを前提に話を進めて行くこととする。
また、ハイゼットカーゴ/アトレーには小さな無蓋の荷台と後部座席を備えたデッキバンという名前の軽バンと軽トラをミックスしたようなユニークなクルマがあり、このクルマも面白いのだが、足を伸ばして寝られる荷台スペースはないので、今回はこのクルマは軽トラに含めないことにする。
そして、軽トラにはもう一つパネルバンと呼ばれる軽トラの荷台部分に鉄板できた箱を載せた、軽トラと軽バンの中間のようなボディー形状のクルマもあり、これも車中泊用にとても良いと思うのだが、今回はこれも除外しておくことにする。
【車中泊車としての軽トラの魅力】軽トラの荷台
荷台の活用方法を考える前に、荷台の大きさはどのくらいあるのか、まずは実際の数字を見てみよう。
ハイゼットとキャリイの荷台サイズ
荷台長というのはキャビンの背面から後ろのアオリまでの長さのことだが、現行のハイゼットとキャリイはこの数値が全く同じで、1,940mmとなっている。
それとは別に荷台フロア長というのがあるのだが、これは要するに床面の端から端までの長さのことで、荷台長より少し長くなり、これも両車全く同じで2,030mmとなっている。
荷台幅は床面の幅のことだが、これまた両車全く同じで1,410mmだ。
アオリの高さは微妙に違うようであるが、規格で決まっているかのようにハイゼットとキャリイの荷台の大きさは同じだ。
そして、これは大抵の人が真っすぐ向いて足を伸ばしても余裕で寝られるサイズだ。
それだけでなく、大人二人が無理なく寝られる幅だと思い、ベッド(寝台)の大きさについてググってみたところ、幅140cm長さ195cmくらいのベッドをダブルベッドと呼ぶそうだ。
奇しくも軽トラの荷台はダブルベッドとほぼ同じ大きさということのようだ。
ハイゼットジャンボとスーパーキャリイの荷台サイズ
キャビンを延長したハイゼットジャンボとスーパーキャリイは、キャビン内の環境が快適で、濡らしたくない物や貴重品などの手回品、常備品などを積んでおけるスペースができるなど何かと便利でもあるが、キャビンを延長した分荷台の長さは短くなってしまう。
カタログを見ると、ジャンボの荷台長は1,650mm、スーパーキャリイは1,480mmとなっている。
このサイズでは真っ直ぐ向いて寝られる人はかなり限られてしまうが、特にスーパーキャリイは殆どの大人が無理な寸法だ。
実際、現在私が使用しているBoo3というシェルを積んだハイゼットジャンボを見て、「この中で真っ直ぐ寝られるの」とよく訊かれる。
しかし、ハイゼットジャンボとスーパーキャリイには外観からは気付かれにくい工夫がある。
どちらもキャビンを延長した部分の下が掘られたようになっていて、ジャンボは1,990mm、スーパーキャリイは1,975mmの荷台フロア長を確保しているのだ。
これは、最低でも六尺(約1,820mm)の長さの脚立やコンパネなどを積めるようにするための対策なのだが、軽トラが立派なお仕事車である証だ。
そして、キャビンの下に掘られたような部分の高さは、スーパーキャリイが23cmとなっていて、ハイゼットジャンボはその数値が見当たらなかったのだが、実測したところ24cmくらいあった。
私の足のサイズは27cmだから、この下に足を入れるとつかえてしまいそうだが、普通爪先を垂直に立て寝ることなどない。
荷台にはオプションの5cm厚の硬めのウレタンマットが敷いてあり、寝るときはさらにその上にスリーピングマットを敷いているが、ここに足を突っ込んで無理なく寝られている。
【車中泊車としての軽トラの魅力】シェルや幌がなくても宿泊はできる
宿泊のために軽トラを使用するのなら、荷台に箱か小屋(シェル)を積むか、幌をかけることを考えるのが一般的ではないかと思う。
しかし、雨や雪の心配がなければ星空の下で寝るのも気持ち良い。
しかも荷台は地面から浮いているから、テントのように地面からの湿気を気にする必要がないのも大きなアドバンテージだ。
荷台のことを英語でベッドと言うが、軽トラの荷台は青空の下に置いた文字通りダブルサイズのベッド(寝台)になるのだ。
また、仕事の都合などで、シェルを積んだり幌仕様にしたりしたくない人もいると思うが、軽トラの荷台は上の写真のように色々な使い方ができることもに魅力だ。
なので、敢えて荷台にシェルなどを積んでしまわず、天気の良い夜はそのまま寝て、心配な時だけ荷台にテントを張るとか、タープを被せて使うなんていうのもありだ。
実際私も初代四駆ハイラックス(RN36)に乗っていた若い頃は、基本は屋根なし、雨や雪の心配のある時は荷台にタープをかけ、あまりに雨や雪が激しい時はシングルキャブの狭い車内に逃げ込んで体を折って寝ていた(若いからできたことだが)。
タイヤハウスのない軽トラの平らな荷台なら普通の小型テントを張るのにも好都合で、後ろのアオリも開いて使えば床の長さが2.3mを超えるので、長さ的にも張れるテントが多いと思う。
下の写真のようなフレームと専用オプションのテントなどもいくつかのメーカーから市販されている。
私は現在Boo3というシェルを積んで軽トラを使用しているが、写真のようなフレーム付きなら荷台に乗ってSUPのボードやカヤックの積み下ろしができて、普段使いに便利そうなので、荷台にフレームというのにも大いに気持ちがそそられている。
シェルを積まないでおけば、無蓋のトラックとして様々な仕事に使うこともでき、バイクのトランスポーターなどとしても使うことができる。
シェルや幌なし荷台の軽トラは自由度が高いことが大きな魅力だが、シェルを積んだ軽トラや軽バンより宿泊時の手軽さでは劣るので、それなりにアウトドアの経験が豊富な人や、工夫ができる人向きと言えるかもしれない。
【車中泊車としての軽トラの魅力】圧倒的に広い部屋を確保できる軽トラシェル
荷台にシェルを積んでしまえば、雨風の心配をする必要がなくなり、荷台を無蓋のままにしておく必要性がないのであれば、車中泊にはこっちの方がずっと便利だ。
そして、壁が垂直に立った四角い軽トラ用シェルの内部の広さは圧倒的で、普通の軽バンの荷室の広さの比ではない。
比較するなら軽バン相手より、ずっと車格が上のハイエースやキャラバンの荷室と比較した方がその広さを理解しやすいと思う。
荷台内寸の横幅は1.41mと書いたが、これは床面の幅なので、左右のアオリのフレーム間の数値だ。
アオリの壁から壁までを測るともう少し広い。
同様に、私の使用しているBoo3もクルマの横幅を目一杯使っているため、左右のパネルからパネルまでの内寸を実作すると床面の横幅の数値より大きく、1.46m程度あった。
そして、壁が垂直に立っているため、その幅が天井まで続いている。
対して、ワイドボディーではない普通のハイエースやキャラバンの横幅は、小型車枠の規格が最大で横幅1.7mなので、横幅の外寸はぎりぎり1.7mを切るサイズなのだが、現行の日産キャラバン(ワイドボディーではなく標準)のカタログを見ると、荷室の最大幅は1.52mとなっているので、18cm近くロスしていることになる。
しかも、これは本当に一番広い部分の数値であって、荷室全体の横幅が1.52mあるわけではなく、室内に膨らんだ部分が結構あり、四角いように見えても壁は垂直ではなく上の方が狭くなっている。
旧型(E25型)ではあるが、私のキャラバンで実測してみたところ、リアサイドウィンドウ上辺辺りの横幅は1.4mあるかないか程度までに窄まっていた。
そして、ハイエースやキャラバンの荷室内には、さらに軽トラの荷台にはないタイヤハウスの出っ張りもある。
室内高に関しては、Boo3は1.35m程あるのだが、横幅同様僅かなフレーム部分などは除き、隅から隅までこの高さだ。
それに対し、現行のキャラバンのカタログ上の最大室内高は1325mmとなっているのだが、天井もやはり平らではないので、実際にはもっと低い部分が多い。
そして先程も書いた通りタイヤハウスの出っ張り部分があり、ここは横幅だけでなく室内高も低くしている。
要するに、Boo3のように壁が垂直に立った軽トラのシェル内の横幅と室内高は、ハイエースやキャラバンの荷室とほぼ互角か、むしろ外側は小さな軽トラのシェルの方が勝るほどなのだ。
荷室長に関しては、ハイエースやキャラバンが最大で3m程度ある(たたんだ後席の厚みは含まず)ので、全くかなわないが、後部座席を出した状態のハイエースやキャラバンの荷室長よりは軽トラの荷台長の方が長い。
要するに後部座席を出した状態のハイエースやキャラバンの荷室よりBoo3の内部の方がずっと広いのだ。
そして、壁が垂直に立っていて、平らな天井の続くシェルは、内部に入ってみると実際以上に広く感じる視覚効果も見逃せない。
中に入ってみると、とにかく思った以上に広く感じるのが軽トラのシェルだ。
【車中泊車としての軽トラの魅力】シェルのタイプ
シェルには、大きく分けると床がなくて既存の荷台の上に被せるような上半分のようなタイプと、床もある独立した箱ごと荷台に載せるタイプの2種類がある。
Boo3は前者のタイプだが、後者と比べると軽く作れることが大きな利点で、エンジンの小さな軽自動車では少しの重量の差でも走行性能や燃費に大きく影響するため、走行性能や燃費を重視するなら、こちらの方が良いと思う。
対して、後者の魅力は前者より天井高の高いものが作りやすく、中を完全に部屋状態にしやすいことだ。
少々荷台っぽさの残る前者より、居住性を何より重視する人や、中に半ば住んでしまいたいと思うような人にはこちらが良いと思う。
【車中泊車としての軽トラの魅力】移動できる小さな家を建てられる
シェルは自作することも可能だ。
絶対に自作の方が安上がりとは限らないが、上手くやればかなりコストを抑えてキャンピングカーを作ってしまうことができる。
そして、自作の場合は「移動できる小さな家」を自分が好きなように0から作れることが何よりの魅力なのではないかと思う。
しかし、既にこれを実践しようと考えている人にここで私が魅力をああだこうだと語るなど全く不粋だが、自分で思い立ちもしなかった人にこれを薦めようなどとも思わない。
流行で無闇に真似をしようとするのも大変危険だ。
夢があってとても楽しいことであるとは思うが、シェルの自作は想像力と創造力と行動力を兼ね備えた、行動に自主性のある人のやることだと思う。
【車中泊車としての軽トラの魅力】安心安全な市販のシェルを活用する
自作のシェルでしっかりとした強度を確保し、内装にも拘ると重量が嵩んでしまいがちだ。
その点、専門メーカーやキャンピングカービルダーの作るシェルは軽さと強度を両立させる技術や知識において秀でていることが多い。
私の場合は実用性重視で、Boo3の内部に直接装飾を施すようなことはしていないが、市販の空のシェルを買って、内装は自分で施工するのも良いと思う。
全て自作するより安全性がずっと高く、大抵の場合メンテナンスや修理も少なくて済むと思う。
大変合理的な方法だ。
【車中泊車としての軽トラの魅力】シェルの積みお下ろしや車両の交換が可能
先程、シェルには2タイプあることを書いたが、どちらも構造変更せずに積載物扱いとする場合は、積み下ろし可能でなければならないので、溶接止めしてしまうことなどはできない。
そして、床の付いた一体型の箱のようなタイプの方が大袈裟に思えるが、専用のジャッキなどを使って下ろせるようになっている(自作の場合もそうしておかないと、車検の時に大変なことになってしまう)のが普通で、実はこちらの方が積み下ろしは比較的やりやすく、普段は無蓋のトラックとして使用し、旅に出る時だけ積んで行くような使い方も可能だ。
また逆に車両が寿命を迎えてもシェルがまだ使えるようなら、シェルを他の軽トラに載せ替えることも可能だ。
どちらもトラック+シェルならでは可能なことだ。
【車中泊車としての軽トラの魅力】想像力豊かな一人旅好きの人向きのクルマ
良いことばかり書いてしまったようでもあるが、軽トラには忘れてはならない弱点が一つある。
たとえ3名分以上の就寝スペースを作れたとしても、2名しか乗車できない点だ。
軽トラに魅力を感じていたとしても、自分以外に2名以上の人を乗せる必要性のある人は残念ながら軽トラは選べない。
そして、2名乗れて2名分の就寝スペースも確保でき、2人で使うのも良いと思うのだが、個人的には自由を満喫する1人旅にこそ最適なクルマだとも思っている。
ライター:笠原 サタン
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- 執筆者プロフィール
- 車旅情報Webマガジン「DRIMO」
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