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車検を機に室内の大改装を決意。〜カーペットと内張りを剥がす。〜

キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です


愛車のE25型キャラバン スーパーロングは9月が車検で、先日継続検査を終えたところなのだが、車検の度に儀式のようなことをしなければならない。

そして乗用車と違い毎年車検の商用車なので、中古で購入して6年になるが、その儀式も6回目だ。

その「儀式」が何かと言えば、常備している荷物はほぼ全て(これがかなりの量)降ろし、車中泊仕様に作り込んだ室内をある程度裸にすることだ。

作り込んだ室内とは言っても車検対応のため什器類は全て荷物扱いになる工夫をしてあるのだが、荷物扱いだからと言って什器類を車内に残したままにしておくと、重量が嵩んでしまい、車検が通る許容範囲を超えてしまう。

なるべく軽くしなければならないということで、この儀式が必要になるのだ。

これがちょっと面倒くさいようでもあるのだが、1年間使っているとまた何処かいじりたくなってきたりもするので、毎年これを機に室内を模様替えしたりしているので良い機会とも言える。

また、年一回の大掃除をする機会にもなって案外悪いことでもない。

そして、今年はこれを機に内張や床を張り替えなど、これまでで最大の大改装を決意したので、今回の記事ではこれまでの数々の失敗談と床や内張りを剥がす工程を紹介したいと思う。

Before 車検

今年の車検前までの居室はこんな感じだった。

そして、車検を受ける時の状態が下の画像。

棚などを車体に溶接するなどして、外すことができないように車体にしっかり固定してしまうと構造変更届けが必要になる

室内を作り込んでいるとは言え、設置した什器類全てが荷物扱いとなるように設置の仕方は工夫している。

アングルで組んだ棚とベッドの骨組みはしっかり車体に固定しているようにも見えるが、床に両面テープで固定した1×4材に固定してあるだけなので、手間はかかるが全部外すことはもちろん可能だ。

陸運支局や検査官によって見解が異なることもあるが、十分荷物扱いとなる範疇であり、この状態で継続検査は何も問題なくパスしている。

この「荷物扱いになる什器類の設置方法」と、「重量オーバーにならないこと」は、手軽に行う車中泊仕様内装工事の最大のポイントではないかと思う。

しかし、以前に他の記事で少し触れたことがあるが、陸運支局(車検場)に直接持ち込めばこのように荷物扱いで車検はパスするこのような状態でも、ディーラーなどにこの状態で車検を依頼すると難色を示されると言うより、大抵断られるので注意が必要だ。

ディーラーに車検を依頼したい人は、車検のときに全くのノーマル状態に戻すか、何も手を加えないのが鉄則のようだ。

私自身はディーラーに車検を依頼していないので絶対にそうだとは言い切れないが、噂だけではなく実際に身近な友人も経験していることなので、そう考えて間違いなさそうだ。

何故こんな逆転のようなことになってしまったのか理由はちゃんとあるのだが、説明するのも嫌になるようなあまりにバカバカしい理由なので説明は省く。

興味のある人は自分で調べていただきたい。

床の張り替えを思いついた理由

床を張り替えようと思った一番の理由は掃除をしやすくするためだ。

自慢する訳ではないが、私のキャラバン君はグレードが高いタイプなので、荷室は鉄板むき出し状態やゴムのマットなどが敷かれただけではなく、全体にカーペットが敷きつめられている。

上の画像は、床を張り替えるために設置していた什器類を全て降ろした状態だ。

「カーペットが敷いてあるのが豪華な車」といった安易な発想でこうなっているのだろうが、水を吸ってしまうし繊維の間に砂や細かなゴミが挟まり、掃除が大変しにくく実用性が高いとは言えない

ダニなんかも生息場所として好みそうだ。

こういう装備を喜ぶ人もいるのかもしれないが、少なくとも海へ道具を運ぶことが日常の私にとっては、カーペット敷の床は全く向いていない。

また、豪華仕様の車はカーペットだけでなく、とにかく鉄を隠すことが豪華であるかの如く不要なプラスチックのカバーでそこかしこが覆われている。

こういうのが逆にチープなセンスだと私は思うのだが、多分私が少数派でこれが多数派の意見だからこうなっているのだと思う。

ならばグレードの低いタイプを選べば良いのではと思われるかもしれないが、グレードの低いタイプは簡素と言えば聞こえが良いが、簡素と言うより全てが粗末な作りになっていることも多く、これはまた色々と困ることも多い。

ローグレードの車の荷室の側面の内張は素のままのMDF(木の粉を固めたような板)が貼られていたり、何も貼られていなくて鉄板剥き出しの場合もある。

柱なども余計なプラスチックで覆われていなくて、鉄が剥き出しの部分が多い。

これは自分で手を加えたい人にとってはむしろ好ましい。

床も鉄板剥き出しのままか、薄いシートが敷かれているだけだ。

しかし、シートがビニールレザー張りで固定式のヘッドレストだったりする。

ビニールレザー張り自体は汚れにくくて良いのだが、この生地の品質が低くて破れやすい車も多い。

さらにシートの作り自体も粗末で、長距離ドライブには辛くなるようなシートが付いている場合も。

また、防音や断熱対策も粗末だったりする。

多少の音は我慢できるが、熱対策はどんなグレードであろうとしっかりして欲しい。

特にキャブオーバーの車は断熱がしっかりしていないとエンジンの熱がダイレクトに室内に伝わりやすいからだ。

以前持っていたバネットは、現在そんな車はあまりないと思うがエアコンがなかった。

それだけでなく、断熱がしっかりしていなかったため輪をかけて室内が暑くなり、窓全開でも夏は灼熱地獄のようになる車だった。

これはこれで愛着のある良い車だったのだが、どちらかと言えば秋~春向きの車だった。

中古で入手したキャラバン君は、豪華仕様であるが故に余計なものが付いていたりして使い勝手が悪くなっている部分もなくはないが、さすがにエンジンルームとの断熱対策はしっかりしているようで、運転席が灼熱地獄になるようなことはない。

リアエンジンのワーゲンTYPE IIと比較しても遜色ないレベルだ。

しかし、やはり荷室のカーペットは使い勝手が良くないし、色々工夫はして誤魔化しても余計なプラスチック類は残念だ。

とは言え、まだ綺麗なうちや新車だったりするとそれを取っ払ってしまうのも勇気がいる。

と言っても、結局それらを取っ払うより、必要なものを後から付け足したり交換する方が面倒で、場合によってはコストも高くついてしまうようなこともあり、ハイグレードなタイプを選んだのだ。

要らないものをなんでも付けた豪華仕様か、全てがチープな作りの二択はなんとかして欲しいと思うところだが、どちらかに偏ってしまう傾向が強いのが現状だから仕方がない。

ところで、車齢11年、自分がオーナーになって6年経ち、走行距離ももうすぐ13万kmに達する車を今更大改装してどうすると思われるかもしれない。

手を加えるより、そろそろ買い替えの時期と考える人の方が圧倒的に多いと思う。

しかし、この車は6年の間一度も故障したことがなく、調子は現在も至って快調で、どこも悪いところが見当たらない。

そして、実はこのE25型のキャラバンは、かなり微妙な存在だと思う。

この車は前時代の車と今時の車との過渡期にあるような車なのだ。

設計は100系のハイエースより新しく、装備や性能もより現代的だ。

しかし、外観のデザインは200系ハイエースやNV350キャラバン寄りではなく、100系ハイエースの方が近く、明らかに少し昔の車寄りのデザインだ。

そして、いつから変化したのか明確にはわからないが、概ね今世紀以前頃までの車は現代の車よりボディーやシャーシがとにかく錆びやすかった

動力関係とかが問題なくても海で使っていると外側がダメになって長生きできなかった。

しかし、この車は非常にありがたいことにボディーやシャーシは錆にくい現代の水準の車となっている。

そんなにマメにケアなどしていないのに、ボディーに錆が浮いているところなど見当たらない。

現代の車しか知らない人や、海と無縁な人にはピンとこない話かもしれないが、海で車を使っていると、昔はとにかく錆との戦いのような感じだった。

私にとってこの車は丈夫で長持ちし、なおかつ使い心地もデザインも微妙に昔の車寄りで馴染みやすく、長距離ドライブも楽で使い勝手も申し分のない、絶妙に良い車なのだ。

これまで本当に数々の車に乗ってきたが、そんなわけで修理不能になるまでこの車には乗るつもりだ。

車より運転手の方が故障が多く傷んできているし、もしかしたら一生使い続けることになるかもしれないと思っている。

と言うことで、掃除機でいくら吸っても砂の取りきれない床は、ともかくこの機会に板張りにすることにし、「豪華仕様」のプラスチッキーな雰囲気をできるだけ排除し、より気持ちの良い部屋っぽくするために内装の側面や天井も張り替えようと決意した次第だ。

これまでの失敗

これまで窓埋めは色々な方法を試してきた。

失敗その1は、窓に粘着テープ付きの面ファスナーを貼り、面ファスナーの反対側をプラダン(ハサミやカッターナイフで切れるプラスチックでできた段ボールのような素材。紙の段ボールよりずっと丈夫で、軽く加工がしやすく大変便利。)に貼り、取り外し可能なカーテン代わりにする方法だ。

プラダンは軽いけど、窓に日光が当たると熱で面ファスナー裏面の接着剤が溶け、プラダンもろとも剥がれ落ち、窓にベトベトだけが残った。

その次に思いついたのは、パンチングボードを強力な吸盤で固定する方法だ。

これを思いついた時は非常に画期的と思ったものだ。

その後同じアイディアを使っているキャンピングカービルダーがあることも知った。

これは、外したければ簡単に外すことができ、簡単に外せるから車検も全く問題がない。

若干木の温もりのようなものも感じられるようになるし、フック類を付けるなど有効利用もできる。

しかし、これも陽が当たる側に駐車していると、熱で吸盤が剥がれてしまった。

パンチングボードの重さに負けて落ちるのではなく熱で剥がれてしまうので、吸盤の数を増やしても駄目だった。

走行中に後でゴソッと大きな音がしたと思ったら、板が剥がれ落ちていたなんてこともあった。

失敗その3は、裏面全体が粘着テープになったセリアで1枚¥110のコルクタイルを貼ってしまう方法だ。

ハサミやカッターナイフで簡単に切れて加工もしやすく、断熱性も高まって良いと思ったのだが、貼ってしばらく経つとコルクが縮んでしまい、コルクタイルが田圃なら、畦道のように隙間が空いた。

それではと、畦道が隠れるように元に貼ったタイルとずらして二重に貼ってみたのだが、これもやはりまた太陽の熱で剥がれた。

これだけべったり貼られていたら大丈夫かと思ったのだが甘かったようだ。

剥がれたり結露でボコボコになり、見るも無惨な姿となってしまった。

また、その後に知ったのだが、窓ガラスに直接何か貼ってしまうと車検をパスしないという説があるから、何れにしてもこれはやめて正解だったようだ。

外側から太陽光の当たる窓ガラスに何か固定しようとしても、何をやっても熱で剥がれることをようやく学び、今度はベニヤを窓枠の形に切り抜き、窓枠のゴムの部分に接着剤で固定することにした。

窓枠の形に切り抜くのが結構面倒だったけど何とかなり、一部分に開閉できる雨戸のようなものも作って(内側だから雨戸とは逆だけど)、なかなかに良い出来栄えにもなった。

そして、これならもし車検の際にダメだと指摘されても、ちょっと残念だけどその場で剥がしてしまって、また接着しなおせば済む。

これは外側から太陽光の当たる面ではないから、結構長続きした。

しかし、しばらくしたらやはりまた剥がれ落ちた。

それが今回の車検が近くなってからのことだったので、もう窓や窓枠に何か細工するのではなく、必要な時(車中泊する時)は切り抜いた段ボールなどで覆って対処し、車検が終わるまでの間にアイディアを練って、これを機会に完全に内張全体を張り替えてしまう大改装をすることにした。

内張り剥がしに必要な道具

床や内張類は、大部分がプラスチックのピンで留められている。

車の内側だけでなく、樹脂製のバンパーなんかもそうだ。

それで、これを外すには専用の工具が必要だ。

特に配線のために一時的に剥がすなど元に戻したい場合は、専用工具を使わないと取り返しがつかなくなる可能性もあるので、絶対にドライバーやバールなどで代用しようなどと考えない方が良い

実際のところ、こんなにたくさん種類があっても何に使うのかわからないが、このセットでも熱帯の密林で¥1,000台前半だ。

¥1,000未満のセットもあるが、丈夫であればそれでも十分かもしれない。

実際に一番多用するのはこれ(上の画像)だ。

これだけでも良いと言えば良い。

しかし、他の物もあればあったでやはり便利だ。

カーペットに思いの外しっかり張り付いていた1×4材を剥がす際にも役立つものもあった。

ともかく、張り替えでも一時的に剥がすのであっても、大した出費ではないから、この専用工具類は絶対に入手することをお勧めする。

外したピンやパーツ類はもちろん再利用するものもある。

結構な数になるので、バラバラにしておくとどれがどこ用だったか、何のためのビスだったかわからなくなってしまうことなどもある。

グループ毎にジッパー付きの袋に入れておくと便利だ。

カーペットと内張りを剥がしネイキッドな状態に

カーペットを剥がすのは特に難しいことはない。

しかし、サイドドアのステップの部分を留めてあったのはパチンと嵌めるだけのピンではなく、鉄板の穴に軟質プラスチックのアンカーを入れ、そこに軟質プラスチックのビスで締め付けて留めるようになっていた。

カーペットの縁はこれとボディー本体の間に挟まれた形で留まっているので、これを外さないことにはカーペットを剥がすことはできないのだが、この軟質プラスチックのビスが砂を噛んだり劣化したりしていて、手動のドライバーで丁寧に回しても半数以上は空回りするだけか、頭が潰れしまい、殆どは強引に外すことになった。

それでは再利用できないが、何れにしてもカーペットから板に張り替えたら、この下に板を挟み込むのではなく、板をこの上に被せる予定である(その方が砂やゴミを掃き出しやすい)ため、元の軟質プラスチックのビスでは長さが足りないので、違う方法で留めることにする。

その方法については床張り編の記事で。

カーペットと天井のカバーを剥がしたところ。

まだカーペットが残っているように見えるがこれは断熱(防音)材。

これもハイグレードモデルならではの装備だと思う。

これの効果は結構高いと思うので、これは剥がさずにこの上に床板を貼ることにする。

剥がしたカーペット。

私との付き合いは6年だが、砂を噛むとか文句を言いながらも11年もの間よく頑張ってくれたと感謝。

もう使わなくなってしまうが最後の重要な役目が残っている。

これを型紙に新しい床板を切り抜くのだ。

側面も剥がすとこんな感じになる。

側面に貼ってあったMDFはこれを利用して新しい内張りを貼り付けるので、表面を覆っていたビニール系か何かとにかく化学物質系の素材は剥がすのだが、いよいよ後戻りや途中放棄はできない感じが高まってくる。

そしてもちろん現在も作業は進行中なのだが、今回の記事は、この内張りを剥がし終えるまでの話でお終い。

新しい内装はまだ完成していないが着々と進んでいる。

新しい床と内張りを作る工程の話もお楽しみに。

ライター:笠原 サタン

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執筆者プロフィール
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