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大出力・大容量ポータブルバッテリー ECOFLOW「EFDELTA」をレビュー!

キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です


キャンピングカーでのオートキャンプや車中泊時の大きな課題の1つとして「電源」問題があります。

多くのキャンピングカーが、ある程度の電気製品を使用できるようにサブバッテリー・システムを搭載していますが、電力の全てをサブバッテリーで賄う事は難しいです。

かく言う我が家のアルトピアーノも、室内灯や冷凍冷蔵庫、排気ファン等を使用する事は可能ですが、実際にキャンプをしてみると、使用したい電気製品は他にも色々あり、その電力の全てをサブバッテリーだけでは賄うことはできません。

車中泊やキャンプ時には「電源」をどう確保するか、どのように増強するかが大切になってきます。

ということで今回は、先日購入した1600wの大出力ポータブル電源「EFDELTA」を紹介したいと思います。

サブバッテリーの強化か、ポータブル電源購入か

実際のところ、サブバッテリーだけでは本当に足りないのか…という事ですが、物理的に、キャンプや車中泊の最中に電力が底をついたという経験があるわけではありません。

ただ、アレとコレと、それも…と考えてゆくと、どう考えても電力不足は否めないですし、実際に電力を使い切ってからでは遅い…と言う事で、何らかの電力をプラスアルファで供給する方法が必要と判断したわけです。

我が家のキャンパーのサブバッテリー・システム

元々、アルトピアーノに標準装備されている電源は105Ahのディープサイクルバッテリーに500Wの疑似正弦波インバーターを組み合わせたシステムです。

バッテリー容量はともかくとして、500Wでは1泊の車中泊でも心もとないですし、「疑似正弦波」では動作しない家電が多いため、オプションで用意されている、1500W正弦波インバーターと、外部電源(接続・充電)を加えています。

このシステムで、車載オプションである
・ 冷凍冷蔵庫
・ 4連排気ファン
・ LED室内灯
に電力を供給し、ACコンセント×2、12VDC×1、USB-A×2といった出力端子を備えています。

このシステムで電力が足りなくなると考えたのは以下のような理由によるものです。

  • 電子レンジが使いたい

キャンパー購入前から、ドライブに出かけた先で地元の名産や旨いものを購入して食べるのが好きで、「電子レンジがあれば」と感じたことが何度もありました。

電子レンジの機種を調べたところ、最小で50Hz/800W・60Hz/1000Wという消費電力で動作する電子レンジを見つけ、この電子レンジが動作する事を前提に検討しました。

  • 電気ケトルを使いたい

私はコーヒーが好きで、たとえキャンプ中であろうが車中であろうが、好きなコーヒーを淹れたいと思っています。

車中では、バーナー等の露出した炎を燃やすのは避けたいので、安全な電気による湯沸かし器が必要です。

加えて、可能であればカートリッジ方式のコーヒーメーカーが手軽でいいなと思いますが、消費電力が1400Wを超えるので、車中での使用は難しいのかなという思いもありました。

  • セラミックヒーターを使いたい

これは冬季限定ですが、我が家のアルトピアーノには「FFヒーター」が装備されていませんしオプションの設定もありません。

そのため、冬季には何か別の方法での暖房が不可欠ですが、セラミックヒーターの使用を想定していました。

というのも、セラミックヒーターは「燃焼」を伴わないため、酸欠についてあまり危険度が高くないとされているからです。

  • 電気毛布を使いたい

こちらも冬季限定ですが、就寝時には電気毛布が必要との記事を数多く目にしたので、我が家でも冬季キャンプや車中泊では必需品ではないかと考えました。

電気に疎くDIYでのサブバッテリーの強化は難しい

私は電気に詳しくなく、AVの配線ぐらいはできますが、バッテリーシステムを自分で組んだり、改造する等は自分とは縁遠い作業である事を前提に、サブバッテリー強化とポータブル電源購入の条件を比較し、このように考えました。

車載サブバッテリーポータブル電源
バッテリーディープサイクルリチウムイオン
価格
DIY難易度
スペース効率
車外持ち出し不可

価格を調べてみたところ、リチウムイオンを採用するポータブル電源よりも、ディープサイクルバッテリーの方がかなり割安。

しかし、自力で追加取付けができないとなると、業者への依頼が必要となり、安さを活かせないと判断しました。

また、我が家のアルトピアーノはタウンエースベースであるため、ハイエース等と比べると車内が小さく荷積みスペースが限られており、常時搭載するバッテリーを増設するのは、居住性や、キャンプ道具の積載量が減るのは避けたいところ。

さらに、車外へ持ち出せないサブバッテリーよりも、車両に固定されないポータブル電源の自由度が高く、アウトドア利用ばかりでなく、災害時にも使いやすいのではないかと考えました。

結局のところ、自分にとってサブバッテリー強化はあまりメリットがないと考え、ポータブル電源購入に舵を切った次第です。

1500Wクラスの大出力ポータブル電源購入を検討

ポータブル電源は、バッテリーの他に、インバーターや、AC/DCやソーラーによる充電の仕組みなどを、オールインワンでパケージしているため、電気を取り出す場合でも、充電する場合でも、所定の操作をするだけで誰にでも簡単に取り扱える事が最大のメリットだと思います。

AC100Vコンセントをはじめ、DC12Vソケット、USBコネクタ等から必要な端子を選んで機器を接続すれば動作させる事ができますし、機器への充電も可能です。

ある程度の知識や技量を要求されるサブバッテリー・システムに比べて、ポータブル電源は圧倒的に使い勝手がよく、簡単に電力を得る事ができる点で、まさに電気に疎い私にもってこいのアイテムというわけです。

定格1500Wクラスのポータブル電源の候補はまだ少ない

我が家が求める電源の必須条件は、「電子レンジ」と「電気ケトル」が使えること。

つまり、消費電力1000~1200W程度の家電製品を稼働できる事です。

サブバッテリー強化も、ポータブル電源購入も全てはそこから始まっているので、そこを満たさないと無意味…と言う訳で、具体的には以下の性能や機能を選択条件としました。

  • 定格出力は1500W以上 … 電子レンジや電気ケトルが使える
  • 充電容量は1000Wh以上 … 50Wの電気毛布2枚を7時間以上使える
  • 3Way充電(AC/DC/ソーラー)であること … 後にソーラーパネルを購入する予定あり
  • リチウムイオン電池であること … 最近の電源はほぼリチウムイオン電池
  • 価格が20万円以内であること(できるだけ安い方がベター) … 15万円前後で購入希望

出力1500Wクラスのポータブル電源はつい最近になって各社からリリースされ始めたばかりで、選択肢はあまり多くありません。

その上、製品として非常に人気が高く、常に品薄状態が続いており、即納可能な製品を見つけるのも難しい状態です。

機種に関しては、有名どころの「SUAOKI」や「JACKERY」などを調べても、1000W超の定格出力を持つ製品は少なく、さらに1200W、1500Wとハードルをあげてゆくと、候補に残る機種は数えるほどしかありませんでした。

最終的に、定格出力1500W以上と言う事で候補に残った電源は以下の3機種でした。

SUNGZU SKA1500
現在は先行発売中で製品は未発売。

SEKIYA HS2000
定格出力2000Wと強力なのですが、容量を別体で補うシステムであり、購入コストが高額になるため候補に入れられませんでした。

ECOFLOWTECH EFDELTA
最後に残った選択肢がEFDELTAでした。

性能機能も希望通りで価格も15万円台とまさにぴったり。さらに、たまたまAmazonを覗いた日に在庫があり即納で注文できたこともあり購入に踏み切りました。

ECOFLOWTECH 「EFDELTA」について

EFDELTAの仕様

容量1260W(350Ah、3.6V)
寸法40×21×27cm
重量13.6kg
充電温度範囲0~45℃
安全/環境規格(※)UL … アメリカ保険業者安全試験所が策定する製品安全基準CE … EU圏内で自由は流通を保証された安全基準適合証明FCC … 北米向け無線機器、情報処理技術装置輸出時の安全基準RoHs … 電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関する指令適合
入力AC充電入力電力:100~120V(50Hz/60Hz)ソーラー充電入力:10~65V 10A(最大400W)車両の充電機:12V/24V 10A(最大400W)
出力AC出力×6ポート(完全正弦波出力)1600W(サージ3100W)USB Type-A×2ポート(各ポート最大12W、5V、2.4A)USB Type-A急速充電×2ポート(最大28W、5V、9V、12V、2.4A)USB Type-C×2ポート(60W、5V、9V、15V、20V、3A)シガーソケットの出力×1(最大108.8W、13.6V、8A)
バッテリー成分(※)三元素リチウムイオン※三元素=ニッケル、マンガン、コバルトの化合物系リチウムイオン
バッテリータイプ18650
保存可能期間1年(長期保存時推奨充電50~70%)
充電回数800サイクル(残存容量60%想定)

(データ出典:https://ecoflowtech.jp/collections/delta/products/delta1300
※「安全・環境規格」「バッテリー成分」の表記には、筆者が簡単な説明を付記しています)

「EFDELTA」の特徴として、1600Wの大出力や1260Whの大容量の他に、出力端子の豊富さや充電の速さも挙げられます。

出力端子は、AC100Vコンセントが6個、USBはType-Aの通常と急速が各2ポート、USB-Cが2ポートで合計6ポート、さらにDC12Vシガーソケットを1個装備しています。

これだけの出力端子を使いこなせば、大出力・大容量を充分に活かせると思います。

充電に関しては、全体の80%容量までの充電がわずか1時間で完了するという驚くような早さでの充電が可能です。

また、ACアダプタを本体に内蔵しているため、電源コードにはアダプタがなく、全体としてスッキリしている事も小さい事ですがポイントの1つでしょう。

保存に関しては、充電量50~70%の状態で1年間とされており、同じリチウムイオン電池を採用するiPhoneのサポートページとほぼ同様の内容(保存方法)となっています。

放電容量の合計でカウントする「充電サイクル」

出展:https://www.apple.com/jp/batteries/why-lithium-ion/

誤解されやすい「充電回数」について解説致します。

EFDELTAの公式WEBの仕様表には、充電回数は「800サイクル」だと記載されています。

この「充電サイクル」については、AppleのiPhoneバッテリーに関するサポートWEBページにて、非常に詳しく分かりやすく解説されていますので、こちらも参照してみてください。

参考サイト:https://www.apple.com/jp/batteries/why-lithium-ion/

こちらのサイトによると、リチウムイオン電池の充電回数は放電量の合計でカウントし、放電量の合計が100%になるごとに充電サイクル1回としてカウントされます。

例えば、フル充電のバッテリーを容量40%まで使用し、充電で再度フル充電の状態に戻し、さらに容量60%まで使用した場合、放電量(利用した容量)の合計は、60%+40%=100%になりますが、この放電量合計100%をもって「充電サイクル」1回とカウントすると言う事です。

EFDELTAの場合800サイクルの充電が可能なので、100%の放電が800回行えるという事であり、言い換えると80000%の放電と言う事になります。

誤解されやすいのですが、充電サイクル1回というのは、充電した回数や充電コードを繋いだ回数、100%まで充電した回数、0%まで使いきった回数等ではないと言う事です。

また、リチウムイオンバッテリーは充放電を繰り返しながら劣化してゆきますが、その劣化の状態は充電容量の減少として現れます。

「残存容量60%想定」とは、EFDELTAの場合、800充電サイクルがカウントされた時点で、充電可能容量が当初の60%程度の劣化で収まる事を想定しているということです。

大出力・大容量ポータブル電源を購入した結果

正直、「EFDELTA」を購入して良かったと思っています。

我が家のキャンピングカーは1500Wのインバーターを搭載しているので、車載サブバッテリーでも電子レンジを駆動する事は可能だと思いますが、使用後のこと、つまり充電量の減少や不足の場合を考えると、やはりポータブル電源が手軽で良いと思います。

念願の電子レンジが動く

車内用電源を強化しようと思い始めたきっかけが電子レンジだったのですが、念願の電子レンジがバッテリーで駆動できました。

車載用に購入した電子レンジは、800W・1000W/50Hz・60Hzの消費電力ですので、1600Wの定格を持つ「EFDELTA」であれば充分だろうとは思っていましたが、問題なく動作させる事ができました。

電気ケトルでの湯沸かしも問題なく可能

コーヒー好きの私にとって、電気ケトルが使える事もとても重要なのですが、1250Wのケトルでも問題なくお湯を沸かす事ができました。

上の画像にあるように、製品の消費電力1250Wに近い数値「1173W」を出力しています。

電気ケトルでお湯が沸かせるとなれば、コーヒーの他にも、インスタント麺やみそ汁・スープ等も作る事ができます。

消費電力1400W超のコーヒーメーカーだって使える

「できれば使えるといいな」と思っていた、カートリッジ式のコーヒーメーカー。

消費電力が1400Wを超える大物ですので一抹の不安がありましたが、無事にコーヒーを淹れる事ができました。

面白かったのは、大きな電力を使うのはコーヒーを実際にドリップしている時ではなく、電源を入れた際にヒーターを熱する時で、見た目には何も動作が起きていないのに、EFDELTAの出力がハネ上がるので驚きました。

1400W超の消費電力表示に対して、1365Wを出力していますが、特に本体が熱くなる等の大きな変化はみられませんでした。

まとめ

まだ使いはじめである事もあり、まだこれといったデメリットは感じていませんが、現時点であるとすれば「重量」と、外出中の「追加充電」でしょうか。

大出力・大容量のポータブル電源としては特別重い方ではないと思いますが、14kg弱の積み下ろしはなかなかの負担に感じるものの、車中で電子レンジや電気ケトルが使える事のメリットの方が遥かに大きいので、重大なデメリットにはなっていません。

また、1~2泊のキャンプであれば充分と思われる充電量ですが、3泊以上の連泊となると追加充電が必要になるケースもあるかと思います。

そうしたケースでは、ソーラー充電の装備を検討するか、外部電源に接続できる施設での宿泊を挟む等が考えられますが、私としては、そもそもアルトピアーノのキャンパーとしての装備はかなり簡素で、EFDELTAの充電が尽きるほどの連泊を想定していないので、必要性を感じた時に追々考えればいいかなと思っています。

電気に疎い私にとっては、オールインワンで簡単に使えるポータブル電源は有難い存在です。

1600W・1260Whの大出力・大容量は、希望する使途に完璧に答えてくれましたし、15万円前後と言う予算にも合致していて、ほぼ文句なしの結果となりました。

これで、美味しい地元ごはんをホカホカで食べられますし、好きな場所で好きなタイミングで好きなコーヒーが飲めるかと思うと、アルトピアーノにEFDELTAを積んで出かけるのが楽しみでなりません。

ライター: Enjoy Camper

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執筆者プロフィール
MOBY編集部
MOBY編集部
新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...

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