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ライトエース、タウンエースベースのキャンピングカー5選!バンコン編
キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です
前回はライトエース、タウンエースベースのキャンピングカー特集、キャブコン編でした。
今回はバンコン編となります。
クルマのサイズだけでなく価格も、キャブコン編で紹介したモデルよりもさらにコンパクト!
値段高めの軽自動車+αくらいで買えてしまうモデルもあります。なのに、装備や居住性はキャンピングカーまたは車中泊仕様車として十分。
かなりねらい目だと思います。
目次
さらに運転しやすいライトエース&タウンエースベースのバンコン
バンコンということは、基本的に外寸はタウンエースそのまま。
サイズ感がより分かりやすいように、現行タウンエース(昨夏、ライトエースはタウンエースに統合して、マイナーチェンジ)と、トヨタのアクア、MAZDA2(旧デミオ)で比べてみましょう。
車両 | 全長(mm) | 全幅(mm) | 全高(mm) |
タウン エース | 4,045 | 1,665 | 1,900 |
アクア | 4,050 | 1,695 | 1,455 |
MAZDA2 | 4,065 | 1,695 | 1,500 |
全長と全幅は驚くなかれ、アクアやMAZDA2より、タウンエースのほうが小さいんです。筆者もびっくりしました。
フル架装するキャブコンでさえ、ライトエース&タウンエースベースのモデルはコンパクトで運転していて取り回しがかなり楽なのに、バンコンタイプなら休日しか運転しないという人や運転歴の浅い人でも、緊張せずにスイスイ遠出もできるのではないでしょうか。
そんなことも念頭に置きながら、ライトエース&タウンエースベースのバンコンを5モデル、紹介していきましょう。
トヨタカローラ横浜 「キャンパーアルトピアーノ」
アルトピアーノは、キャンピングカーの成り立ちとしては少し変わっています。
よくあるのは、自動車メーカーからベース車両を仕入れて、キャンピングカービルダーが架装して仕上げるパターン。
それがアルトピアーノの場合、神奈川県にあるトヨタのディーラー(販売会社) 「トヨタモビリティ神奈川」が製作から販売もしています。
この方法をとる大きなメリットとして、タウンエースとしての車両メンテナンスも、キャンピングカー「アルトピアーノ」としての修理なども、一括してディーラーに依頼できるという点が挙げられます。
ベース車はタウンエースバン。
外装カラーはベース車の単色とはうって変わって、パステル調のツートーンカラー。ベージュ×ホワイトとグレイッシュグリーン×ホワイト、ライトグリーン×ホワイトの3パターンがあります。
このカラーリングだけでも、これぞ商用車という佇まいのタウンエースが、急におしゃれに変身するから不思議です。
内装は、ライトキャンパーや車中泊仕様車という言葉がピッタリなシンプルな装備。
オプションで、シャワー付きシンクや冷蔵庫、サブバッテリー、4連排気ファンといった快適装備も用意されています。
オプションなしでも、対面対座のシートとテーブル、ベッド展開できるシート(REVOシート)は標準装備されているので、絶対に車内で料理をするというユーザーでなければ事足りるのではないでしょうか。
そして、何より魅力なのは価格です。ベース車のグレードにもよりますが、最安なら200万円台前半からのスタート。
軽自動車での車中泊を考えているという方も、これなら選択肢に入ってきますね。
※キャンパーアルトピアーノはタウンエースのフルモデルチェンジに伴い前モデルは販売終了しています。本稿の価格・仕様・装備は前モデルのものとなります。ご了承ください。新型キャンパーアルトピアーノは間もなく、2021年2月に発表予定!
キャンパーアルトピアーノ
タイプ:ライトキャンパー
寸法(mm):全長4045mm/全幅1665mm/全高1900mm
定員:乗車定員5名/就寝定員2名
価格:¥2,461,320~(税込)(2019年3月に価格改定)
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フロットモビール 「シュピーレン」
長野県のビルダー、フロットモビールの「シュピーレン」。
フロットはドイツ語で「粋な」「素敵な」、モビールは「車」という意味。粋で素敵な車をつくりたいという想いを会社名にしています。
そしてシュピーレンはドイツ語で「遊ぶ」。「粋なクルマで遊ぶ」。キャンピングカーや車中泊仕様車にピッタリの名前ですね。
外観はタウンエースのまんまで、これが車中泊仕様のライトキャンパーだとは誰も気付かないと思います。
全長4,045mm、全幅1,665mmで、全高はオプションで屋根部分に換気扇を付けても1,980mm。一般的な高さ制限(2.1メートル)のある駐車場でも余裕で入れます。
運転席より後ろの居住スペースのシートアレンジの基本は、2列目シートに1人掛けのバタフライシートと2人掛けの横向きベンチシートの組み合わせ。バタフライシートはオプションで2人掛けシートにもできます。
見えないところまで作り込んでいて、断熱処理もしっかり施されています。
また、シートの下や天井のすきまをうまく使って、限られたスペースのあちこちに収納スペースを確保しており、なかなかよく考えられているなと感心してしまいます。
オプションの電子レンジ。このほか冷蔵庫もオプションで付けられます。
電装系のスイッチもおしゃれに集合。バッテリーの残りがわかりやすいように、アナログの電圧計を採用。
キッチンは標準仕様では最小限となっていて、蛇口なしでシンクのみ。基本的には、できるだけシンプルに必要最低限の設備に絞り込んだ作りになっています。
ただ、セミオーダーメードとも言えるような、ユーザーそれぞれの用途や要望に合わせたカスタマイズには細かく応えてくれるようで、フロットモビールのホームページを見ると様々なカスタマイズの施工例が載っています。
基本はシンプル。あとはお好みで。車名の通り、「粋」な作り方ですね。
シュピーレン
タイプ: バンコン
寸法(mm):全長4045mm/全幅1665mm/全高1980mm(換気扇装着車)
定員:乗車定員3〜5名/就寝定員2名
価格:¥2,547,300~
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キャンピングカー広島 「ピコ」
キャンピングカー広島は1982年創業。社名からもわかるように広島にある老舗ビルダーです。
同社が「ポップ・コン」と呼んでいるポップアップルーフ付きのバンコンが得意で、ニッサンNV200バネットやNV350キャラバンをベース車としたオリジナルモデルをいくつも製作しています。
タウンエースバンがベース車の「カレントキャンパー pico(ピコ)」のコンセプト(基礎となる考え方)は、「くつろぎのあるふたり旅」。
のんびりゆったりとふたり旅が楽しめるように、セカンドシートは着座時にひざ前にゆとりある「横向きシート(ワンタッチスイングシート&ベッド)」を採用。
このシートは、座面のヒップポジションに角度を作ると同時に、背もたれも後ろに傾けています。
これにより、深いヒップポイントで身体が安定し、どんな道を走行していても快適に座っていられるということです。
特許も取得しているこのシートは、簡単にベッド展開できることも特長で、30秒もかからず2人用のベッドに早変わり。座りやすいよう後方が沈んでいたシート座面が自動的にベッド面の高さに浮き上がるというスゴ技!
キッチンにはシンクと調理スペース、14Lのポータブル冷蔵庫が標準装備。
折りたたみ式のコンロ台とキッチン下のコンロ収納棚も、限られたスペースをムダなく活かして備え付けられていて、技ありです。
そして、忘れてならないのがポップアップルーフ。さすが得意分野とあって、「ピコ」にもなんと標準装備。
ビルダーによってはポップアップルーフのオプション費用だけで60万円以上するケースもあるのに、これはうれしい大盤振る舞いですね。
さらに、外装をおしゃれにしたい人向けに、グリルガーニッシュ(装飾)やリヤガーニッシュ、フロントスポイラー、13インチアルミホイールなどがセットになった「i-package(25万3,000円、税別)」というオプションのセットも用意されています。
カレントキャンパー pico(カレントキャンパー ピコ)
タイプ: バンコン
寸法(mm):全長4045mm/全幅1665mm/全高1935mm
定員:乗車定員6名/就寝定員4名
価格:¥3,866,500(税込)〜
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タコス 「HANA」
TACOS(タコス)は東京都立川市にある創業20年のビルダー。
ここで紹介するタウンエースベースのモデル以外にも、トヨタ・ハイエースやトヨタ・カムロード(元はトラック)をベース車両としたバンコンやキャブコンをいくつも発売しています。
東村山には自社展示場もあり、いつでも気軽に同社のモデルが見られるので、東京近辺に住んでいるなら、実物を見ながら相談してみるのはいかがでしょうか。
そんなタコスのHANAシリーズは、HANA(HANA 1とも呼ぶ)、HANA 2、HANA Eveの3モデルがあります。
1500mm×1000mmのルーフベッドを備える「HANA1」。ルーフベッドなし、冷蔵庫なしでHANA 1よりも価格を下げた「HANA2」。ポップアップルーフを持つ「HANA eve」となっています。
HANAシリーズは基本3モデルなのですが、例えばHANA 1の屋根をポップアップにしたいとか、HANA eveの天井をもっと高くしたいなどの要望にも臨機応変に応えてくれます。
これまでの購入希望者からの要望で多かったのが、HANA 1の上(ルーフベッド付)+HANA 2の下(冷蔵庫なしでベッド展開した時のサイズを拡げたモデル)を組み合わせたモデル。
今や隠れ定番と言えるような人気になっていて、HANA 1.5と呼ばれています。
HANA 1.5のダイネットは、後ろ向きにした3名掛けのセカンドシートと、リア左サイドに配置された2名掛けの縦置きソファーで構成。
ギャレーには蓋つきの丸いシンクと調理スペース。上部には専用の照明。目の前には大きな鏡が設置されて、洗面台・化粧台としても使えるように工夫されています。
そして天井部分には、HANA 1と同じ1500mm×1000mmのルーフベッドがあります。
セカンドシートとダイネット部分の2名掛けソファーをベッド展開すると、2000mm×1180mmの就寝スペースになります。HANA 1が、1850mm×1050(一部1200)mmなので、ひとまわり広いですね。
用途や嗜好(しこう)に合わせて、組み合わせを選べる。ユーザーのことを第一に考えたシリーズです。
HANA
タイプ: バンコン
寸法(mm):全長4045mm/全幅1665mm/全高2250mm
定員:乗車定員5名/就寝定員大人2+子ども2名
価格:¥3,820,000(税別)〜
※上記数値いずれもHANA 1の場合
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リンエイプロダクト 「コンパクトバカンチェスL」シリーズ
リンエイプロダクトのバカンチェスシリーズは、トヨタのハイエースをベースにした「スーパーロングバカンチェス」や「ワイドバカンチェス」、日産のキャラバンをベースにした「バカンンチェスC」、「ファシールバカンチェスC」、スズキのエブリイ系(スクラム・NV100・エブリィ)などをベースにした「マイクロバカンチェス」というように、車体の大きさによって様々なモデルが用意されています。
バカンチェスシリーズのラインナップの中で、軽より大きくてハイエースより小さいサイズを担うのが「コンパクトバカンチェスL」。
そして「コンパクトバカンチェスL」の中でもまた、用途に合わせてモデルが細分化されています。
「コンパクトバカンチェスL・トランポ」は、シンプルな設備のみ。
横向きのサードシートは左右ともにワンタッチで跳ね上げることができるので、簡単にレイアウトの変更が可能。自転車やバイクを積みやすいレイアウトになっています。
「コンパクトバカンチェスL・リッツ」の2大特長は、大人6人がテーブルを囲めることと、荷物がたくさん積めること。
後部ベッド部分を上段にセットすれば、就寝時も下の空いたスペースにたっぷり荷物を載せられます。
「コンパクトバカンチェスL・サンティ」には、左側のキャビネットに13リットルの冷凍冷蔵庫(冷蔵庫本体はオプション)が入るスペースと収納ボックスがあります。
横向きのサードシートは跳ね上げ式なので大きな荷物をラクに積載可能。
オプションで子ども用2段ベッドも用意しています。
「コンパクトバカンチェスL・ダイネット」の乗車定員は2名。
思い切って乗車定員を減らして、2人がゆったり対面で座って食事をしたりくつろいだりできるダイネットスペースを確保しています。
ベッド展開すると大人2人が就寝可能。オプションで冷蔵庫をつけることもできます。
「コンパクトバカンチェスL・MoMo」は、ソーラーシステム、2000W正弦波インバーター、100V省エネ型電子レンジ、40リットル冷凍冷蔵庫、大型TV(DVD内蔵)などが標準装備のお得感があるモデル。
通常は大人2人での就寝が想定されていますが、オプションでチャイルドベッドも用意されているので、大人2人+子ども2人で寝られる仕様にもできます。
「コンパクトバカンチェスL・ひとり旅」は、“ひとり旅”という名称からわかるように、一人で使うことに特化したレイアウトになっています。
座ったまま手を伸ばせば届く範囲に冷蔵庫と跳ね上げ式テーブル、テレビが集まっているので、飲んだり食べたりテレビを観たり、いつまでも車内でゴロゴロしてしまいそうです。
100Wソーラーシステム、走行充電式サブバッテリーシステム、2000W正弦波インバーター、100V省エネ型電子レンジ、40リットル冷凍冷蔵庫、大型TV(DVD内蔵)などが標準装備。ちなみに2人就寝も可能です。
コンパクトバカンチェスL
タイプ: バンコン
寸法(mm):全長4045mm/全幅1665mm/全高2250mm
定員:乗車定員2~6名/就寝定員 大人2名~
価格:235万3,636円(税抜)~※モデルにより異なる
公式サイトはこちら
まとめ
ライトエース・タウンエースベースのキャンピングカー、バンコン編はいかがでしたか。
大人2人なら十分な広さで、モデルによっては大人2人+子ども2人の就寝も可能。これは軽自動車ベースだとなかなか難しいでしょう。
バンコンは基本的に大規模な架装はしていないため、全長4,045mm×全幅1,665mmはベース車のタウンエースのまんま。
冒頭にも書きましたがトヨタのアクアやMAZDA2よりも小さいんです。
ボンネットはほぼないし、最後部のピラー(窓柱)は垂直に近いのでクルマの四隅がわかりやすくて運転がしやすい。狭い路地でも駐車場でもどんどん入っていけます。
ベース車のタウンエースは、4WDも選べるし、2020年6月のマイナーチェンジ(とタウンエースへのモデル統合)を機に、衝突回避支援ブレーキなどの様々な安全機能がパックになっている「スマートアシスト」も搭載したことで、自動車としてかなり進化しました。
そしてしつこいようですが、何より手の届き安い価格設定。コスパで選ぶならイチ押しだと思います!
※ベース車のタウンエースが昨夏にマイナーチェンジした関係で、文中で紹介した各モデルの価格や定員などの数値に変更が入る場合があります。詳しくは各ビルダーまでお問い合わせください。
ライター:柏木シロー
キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信!
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- 車旅情報Webマガジン「DRIMO」
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