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「警察から注意を受けたことも」今や暗黙の了解“サンキューハザード”はいつ誰が始めた?
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「ありがとう」のハザードランプは本来の使い方ではない?
道を譲ってくれた際に点灯させるサンキューハザード、商業施設の駐車場で「バック駐車しますよ」のサインとして使うリバースハザード、そして高速道路の渋滞を見つけた際に後続車へ渋滞を知らせる渋滞最後尾ハザード。
この3つが日常的にハザードランプを使用する機会でしょう。しかし、この3つの使い方は、法規上で定められたハザードランプの使い方ではありません。
道路交通法では第18条第2項、第26条の3第2項の2か所で、非常点滅表示灯(ハザードランプ)の使用を義務付けています。
第18条では夜間に道路の幅員が5.5m以上の道路に停車・駐車している時には非常点滅表示灯または尾灯を付けなければならないと定められています。第26条は通学通園バスに関するもので、児童生徒の乗降時の停車中は非常点滅表示灯を付けなければならないと定められているのです。
法律上はこの2点のみが非常点滅表示灯(ハザードランプ)を「使用しなければならない」場合であり、前述したサンキューハザードやリバースハザードについての記載はないのです。
つまり、ハザードランプを使った挨拶(コミュニケーション)は、ドライバー同士の暗黙の了解、あるいは慣習的なものであり、法律的な正しい使い方ではないのです。
サンキューハザードの文化は、いつどこから始まったのでしょうか?
一体いつから始まった?サンキューハザードの歴史
サンキューハザードを使用する国は、日本とドイツのほかにも、イギリスやスウェーデン、ポーランドなどがあります。いずれも車線変更で狭い空間に入れてもらった際に出す合図です。
サンキューハザードの歴史を紐解いていくと、発祥地はドイツという説が濃厚です。
アウトバーンを走行する長距離トラックドライバーたちが、互いにコミュニケーションを取るために慣習化されたものが始まりであり、それが様々な国に広がっていったと言われています。(諸説あり)
日本ではトラックドライバーを中心に広がり、その後職業ドライバーから一般ドライバーへと、サンキューハザードの文化が広がっていきました。ただ、法規上の定められたものではないため、地域によって解釈に差があり、サンキューハザードの実態はルールというより慣習や文化に近いものです。
ハザードランプを出す・出さないという判断もさることながら、点滅回数も2~3回程度から、「ありがとう」の5文字を示すため5回点滅させるというドライバーもいます。
こうしたハザードランプの使用方法は、ルール(交通法規上)どうなのでしょうか。
- 執筆者プロフィール
- Red29
- 1980年代生まれ。国産ディーラーでの営業職として働き、自動車関連の執筆者として独立。ユーザー目線に立った執筆を心掛けています。愛車はトヨタプリウス。ホットハッチに代表される、小規模小パワーのクルマが...