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「みなし公道」とは?私道の「箱根ターンパイク」で速度取り締まりが行われる理由
箱根ターンパイクは、神奈川県小田原市にある観光道路で、箱根ターンパイク株式会社が所有している私道です。車のテスト走行や撮影イベントなどが行われていることでも有名です。
しかし、私道であるにも関わらず、速度の取り締まりが行われています。なぜでしょうか?
私道でも多数の一般車両が走行していれば公道扱いになる
速度の取り締まりは、道路交通法に則って行われます。道路交通法は公道でのみ適用されるもので、私道では適用されません。しかし箱根ターンパイクは、一般車両が多数通行する「みなし公道」であるとされています。
一般的に私道は個人の自宅前などの庭など、個人宅の敷地内というイメージがあるかもしれません。どんなに広大な私道であっても、敷地内を多数の一般車両が通行する状況は稀と言えるでしょう。
しかし、一般車両が通行できる箱根ターンパイクは、私道であっても公道と変わらない道路環境になっていますので、交通事故を防ぐための対策は必要不可欠です。そのため、白バイやパトカーなどの警察車両が巡回し、速度の取り締まりや警戒活動など、事故防止のための対策を行っているのです。
箱根ターンパイクと同じように、私道でありながらも公道と同じように扱われている「みなし公道」には、近畿日本鉄道が所有し、大阪から奈良に渡って敷設されている「信貴生駒スカイライン」や、比叡山自動車道が所有する「比叡山ドライブウェイ」などがあります。いずれも、通行には一定の使用料(通行料金)がかかります。
この2つも道路運送法における自動車道とみなされており、道路交通法や道路運送車両法が適用されます。運転免許証の携帯はもちろんのこと、速度違反や駐車違反、不正改造車の走行などは禁止されており、違反すれば反則金や罰金刑の対象となるので、公道と同じように交通ルールを厳守した通行が求められています。
実際、比叡山ドライブウェイには、速度制限や駐車禁止、転回禁止などの標識が設置されており、違反すれば取り締まりの対象となります。もちろん、こうした標識がなかったとしても、交通ルールを守ることは、事故防止という観点からも徹底しなくてはいけません。
- 執筆者プロフィール
- 室井大和
- 1982年生まれ。ライター歴6年、自動車業界9年。合わせて約15年。雑誌編集、記者、指定自動車教習所員資格保有。愛車はスズキスイフトスポーツ(33型)、BMW323i(E90型)、ジムニー(JB23型)。車はセダンではじ...