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車の窓ガラスから顔だしてる犬、飼い主は違反?膝上に乗せて逮捕されたケースも

運転中、たまに自動車の窓ガラスに前脚をかけて顔を乗り出している犬を見かけます。一見可愛らしい光景ですが、これは道路交通法的に問題ないのでしょうか。

犬が窓から顔を出していると、取り締まり対象になる?

©Eva/stock.adobe.com

道路交通法第55条第2項「乗車又は積載の方法」によれば、「車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない」と定められています。

道路交通法では犬は積載物、つまり荷物と同じ扱いとなります。そのため、窓から顔を出している犬が窓から落下して交通事故の原因になったり、犬の頭でサイドミラーが見えずに巻き込み事故などを起こしてしまった場合、運転者は「荷物を正しい方法で積載していなかった」という理由で、道路交通法違反に該当する可能性があります。

膝の上に犬を抱っこしたままの運転も、同様に道路交通法違反に該当する可能性が。実際に2020年には、飼い犬を膝の上に乗せて運転していたドライバーが逮捕されるケースも起きています。

警察官が実際に窓ガラスから犬が顔を出しているのを見かけた時、運転手へ取り締まりを行うのでしょうか。

筆者地元の警察官へ問い合わせたところ、「私はそのような取り締まりをしたと聞いたことはありません。」との回答でした。

膝に犬を置いたまま運転しているケースについては、「その状態で交通事故を起こした場合には、確実に安全運転義務違反として取り締まり対象になります。通常時には、必ずしも取り締まるわけではありません」とのこと。

「道路交通法の違反取り締まりは現場警察官の判断に依るところが大きい」とも補足いただいたため、犬に窓から顔を出させたままにしていたり、膝の上に犬を抱っこしていても、必ずしも取り締まりを受けるというわけではないようです。

しかし、その状態で事故を起こすと安全運転義務違反に該当すると考えてよいでしょう。

窓から顔を出していなければ、車内で自由にさせていい?

取り締まらない場合が多いからといって、窓から顔を出した状態は犬にとって危険なことに変わりはありません。急ブレーキや交通事故に遭った際に犬が車内でダッシュボードに打ち付けられたり、車外へ投げ出される可能性があります。

車外へ投げ出された犬が歩行者とぶつかり、歩行者が怪我を負った場合、人身事故扱いに。交通事故で犬が原因と判断されれば、飼い主は当然責任を問われます。

また、車内で犬が自由に動き回れるようにしておくと、運転中に犬に気を取られて周囲の状況判断を誤ることも考えられます。窓から顔を出していなければ大丈夫と考えず、一緒に安全にドライブするためには、犬を後部座席に乗せ、犬用シートベルトなどで車内にしっかり固定しておきしょう。

落ち着きのない子や、トイレが心配な子の場合は、移動用ケージの利用もおすすめです。犬がどうしても窓から顔を出したがる場合は、一度車を停め、外の空気を吸わせてあげる、お水を飲ませてあげるなど、リフレッシュさせてあげましょう。

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執筆者プロフィール
中華鍋振る人
中華鍋振る人
自動車とバイクに関連する記事を書いています。モータースポーツは観戦よりも参戦派。道交法や違反に関する情報を、法律に詳しくない人にもわかりやすく解説しています。

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