更新
高速道路で起きる事故原因の8割を占める「3つの“不”」とは?
よく聞く事故原因は「速度を出し過ぎて…」だが実際は?
大型連休などで交通量が増えると、発生しやすくなる交通事故。特に高速道路上では、一般道よりもスピードを出して走行しているため、悲惨な事故につながりやすくなります。
高速道路で事故が発生した際、ニュースで『速度を出し過ぎたことによって、ハンドル操作を誤ったことが原因とみられています』といったようなフレーズを耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。
たしかに高速道路は一般道よりも交通の流れが良く、ついスピードを出しすぎてしまうこともあるかもしれません。
しかし、実際に交通事故の発生状況を見てみると、この「スピードの出し過ぎ」は、高速道路上での事故原因としてさほど多いものではないのです。
運転免許保有者のうち6割以上がゴールド免許を保有
高速道路での事故原因は「不注意」「不注視」「不確認」が上位占める
警察庁が発表している『高速道路における交通事故発生状況等(2022年)』によれば、事故原因ランキングは以下のとおり。
1位:前方不注意(2,444件)
2位:動静不注視(1,314件)
3位:安全不確認(844件)
4位:運転操作不適(498件)
5位:進路変更(80件)
高速道路上での事故原因として最も多いのは「前方不注意」です。『車内で探し物をしていた』『車外の景色に気を取られた』『考え事をしてぼーっとしていた』などの状況が該当します。
次いで多いのが、前方不注意とやや似ている「動静不注視」。こちらは、相手の車の存在は確認していたものの、相手の動きを自分で勝手に判断し、危険回避行動を怠る違反行為です。
『まさか前の車がブレーキをかけるとは思わなかった』『信号が青になったのですぐに発進すると思った』といった状況を指し、”だろう運転”や”思い込み運転”とも呼ばれます。
そして、「安全不確認」は右左折時や一時停止の場所で安全確認を怠る行為。高速道路では、車線変更時あるいは合流時などに事故を起こすと、安全不確認に当てはめられることが多くなります。
高速道路での事故原因は、これらの3つが「不」が全体の80%以上を占めているのです。
あおり運転をしたドライバーの8割が挙げたその理由
速度超過による事故は全体の約1%!「速度を守っていれば安全」ではない
では、肝心の「速度超過」はどの程度の割合を占めているのかというと、「最高速度」の違反は58件で、全体のたった1%ほど。そして『速度違反はしていないが、状況に応じて安全な速度で走行しなかった』という安全速度違反も、約1%に過ぎません。
高速道路上での事故は、ほとんどが前方不注意や動静不注視、安全不確認によって引き起こされており、「スピードの出し過ぎ」が原因となることは少ないのです。
つまり、高速道路では、速度を守ることは当然として、それと同時に気をつけるべきポイントは他にもたくさんあるということ。
クルマの装備は年々進化し便利になってきていますが、その便利な機器を操作しようと一瞬視線を逸らしたとき、気がついたら前のクルマが減速していた、という経験をしたことのある方も多いのではないでしょうか。
あるいは、遠出をして普段見慣れない景色が見えてきたとき、ついその景色に目が行ってしまい、前方への注意が疎かになる瞬間もあるでしょう。
こういった一瞬の注意力の低下によって、思わぬ重大事故につながってしまうことがあるのです。
「右折が怖い」その理由に“後続車からのプレッシャー”挙げる人は少なくない
ブレーキの踏み方、かかとは浮かせる?浮かせない?
「え!?飛び出してきた!?」!不要な運転操作“あおりハンドル”とは?
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...