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自分に合う車を見つけるために考えることは?理想のサーファーズキャンピングビークル

キャンピングカー情報をはじめとして、キャンプや車中泊、バンライフなど、アウトドア&車旅の情報を配信しているWEBマガジン・DRIMOから、実際に車中泊やキャンピングカーを楽しんでいるライターによる記事をMOBYがご紹介します。※以降の記事内容および記事タイトルはDRIMOからの引用・参照です


出来合いのキレイなキャンピングカーを見ると、一瞬すごく良さそうに見えるけど、実際に自分の使い方に照らし合わせてみると残念ながらもう一つなことがある。

また、キャンピングカーを入手してはみたものの、実際に使ってみたらその人にとっては要らない装備が多くて全くの浪費だったとか、逆にあれがあれば良かった、あるいは荷物を収納するスペースが足りなかったなど、実際の使い勝手が悪くて後悔することも意外とありがちではないかと思う。

使用する人の使い道や使用目的によって必要なものや理想像が大きく異なり、使い勝手も大きく変わるのがキャンピングカーだと思うのだが、それを自分自身で明確化できていないと失敗してしまいそうだ。

私の場合は、仕事も遊びも主に海に関わることなので、サーフボードやカヤックを安全確実に運ぶことができて、それに関わる快適な旅の宿となることが車を選ぶ上での第一条件となっている。

かなり目的が明確で、必要なものや欲しいものも具体的だ。

そして、現在はキャンピングカー未満のDIYで仕上げた車中泊仕様のVANを愛用している。

出来上がったキャンピングカーを見ると憧れを感じたり、かなり良さそうと思う車もあるのだが、作り込まれているが故に逆に不満も感じてしまい、パーフェクトと思えるキャンピングカーに出会えたこともない。

もし車中泊仕様車ではなく正式なキャンピングカーを入手するなら、0からとは言わないまでも、カスタムオーダーをする(そんなお金などないが)か、自作したい。

サーファーのための理想のキャンピングカーと限定すると、ニッチ過ぎて話が偏ってしまうような感じもする。

しかし、使用目的がはっきりしていると話がぼやけないから、この課題で自分だったらこんな車を作りたいという理想像なようなものを書き連ねたいと思う。

これをそのまま当てはめるということではなくて、考え方の例にしてもらい、自分の目的や使い方にあったキャンピングカー選びやDIYの参考にしていただけたらと思う。

掃除のしやすい床

VANの荷室の床はグレードの低いモデルは鉄板剥き出しのままか塩ビマットが敷かれていて、ハイグレードな車はカーペットが敷かれているケースが多い。

しかし、カーペットは海で使うと砂が繊維の間に入り込んで掃除がしにくいし、濡れると吸水してしまって厄介なだけ。

防音と断熱の効果は望めるが他にあまり良いことなどない。

資材や道具を積んで荷室の汚れることの多い仕事用としても実用性が高いとは思えない。

VANのグレードの高いモデルに純正でカーペットが敷かれている理由は概ね想像がつく(語弊があってはいけないので省略)のだが、はっきり言ってしまうと仕事で使うにしても遊びで使うにしても、VANを使う人にとってカーペットはチグハグで、全く実用性には欠けるものだ。

私のE25キャラバンもカーペットが敷いてあったので、これまではラゲジマットのようなものや防水シートなどを使ったりもしていたのだが、以前乗っていたデリボーイやバネット(ボンゴのOEM)の塩ビマットの敷かれた床の方が余程現実的で使いやすかった。

それで、乗り始めて5年目にしてとうとう昨年キャラバンの荷室のカーペットを剥がし、ニスをしっかり塗ったベニアの床に張り替えた。

そうしたら、砂を掃き出しやすくて大変掃除がしやすくなったのだが、かなり砂や泥の存在が目立つようになった。

逆に考えれば、それはこれまではかなりの量の砂や泥をカーペットの中に溜め込んでいたことの証でもある。

また、ツルッとした床なら水が垂れていていても雑巾でさっと拭き取れて便利で、雑巾で床を拭く回数も増えた。

それも今までは結構な量の水分をカーペットが吸い込んでいた証だ。

なんだかダニにとっても心地良い、すみ家になりそうな気がする。

実際に両方体験してみるとカーペットが敷かれた床がいかに衛生的でないかがよく分かる。

しかし、掃除のしやすさは抗菌仕様だのを謳うより重要なことだと思うのだが、ミニバンとかも当然のようにカーペットが敷かれていたりするのが現状だ。

別に私は特にキレイ好きなわけでもないのだが、海や水に関わる使い方をしなくても、掃除のしやすい床は外せないポイントと実体験から痛感している。

床の話が随分長くなってしまったが、私が車を作るとしたら、とにかく床の掃除のしやすさは最優先事項の一つに挙げられる。

実情より見せかけを優先するユーザーの意見に流されるより、こうしたことは本来は車のメーカー側から先導して欲しいものだ。

車内のボードラック

頻繁に背の高い車の屋根にボードを積み下ろしするのは面倒だし、駐車中の盗難や落下など万一の事故のことも考えると、なるべくなら屋根の上より車内にボードを積みたい。

事故は注意で防ぐことができても、場所にもよるが盗難は防ぐことが難しく、意外と侮れない。

しかし、余程小さなボードでなければ、天井にボードラックなどを設置しておかないことには、そのまま就寝したり食事するのは困難になってしまう。

「車内にボードを積めるキャンピングカー」と考えるなら、天井のボードラックが必要になるが、そのためには天井付近の戸棚や換気扇やシャワールームなどの配置を考えなければラックを設置することができない。

これは私が出来上がったキャンピングカーを見て他の部分は申し分ない車だと思っても、大きくひっかかってしまうことのある部分の一つでもある。

大きく開く開口部

VANなら跳ね上げ式のリアゲートと大きく開くサイドのスライドドアが備っている。

現在の日本車では見かけなくなってしまったが、輸入車ならリアゲートやサイドドアが観音開きのものもあり、これもまた良い。

サーフボードのような大きな荷物を中に積むにはこん大きく開く開口部は必須だ。

しかし、車両の背面が開かなければ室内にボードラックがあっても長いボードを車内に入れることは難しくなってしまう。

また、室内にボードラックがなかったとしても、前述の通りで室内にボードを入れておきたいことがある。

バンコンもリアゲートやサイドドアをそのまま残しているケースが多いが、車体最後部がシャワールームになっていて、居室とは小さなドアで繋がっているだけの車もある。

最後部がシャワールームは大変良いアイディアとは思うのだが、ボードの出し入れのができなくなってしまっているようでは困る。

キャブコンは出入り口がサイドにあって、ドアの幅も決して広くないことが多い。

ロングボードやSUPの出し入れどころか、少し大きな荷物の出し入れにも難儀しそうなドアや構造の車もあるが、他が良くてもそれでは私にとっては問題外となってしまう。

買う予定などないのに、背面にドアや大きな開口部のあるキャンピングカーを見ると、つい「オッ!」と思ってしまうことがあるが、私がキャブコンを設計するなら、絶対に背面に大きなドアか大きな開口部を設けることは間違いない。

安定性が高く積み下ろしのしやすいルーフキャリアやラック

車内にボードが積めるようになっているとしても、車に乗る人数やボードの枚数によっては屋根にボードを積まなくてはならない。

長さが14ftのSUPや5mくらいあるシーカヤックは当然屋根に積むことになる。

頑丈で荷物の積み下ろしのしやすいルーフキャリアかルーフラックも必需品だ。

脚立・梯子

背の高い車(キャンピングカーの車高が低いということはほぼあり得ない)の屋根にボードや荷物を積み下ろしするには、脚立や梯子があると便利だ。

中には実用ではなくてほぼ飾りで付けているような人もいるようだが、バックドアにラダー(梯子)が付いている車がある。

人が乗れるルーフラックなら、その梯子から屋根の上に乗って荷物を結束したり解いたりすることになる。

しかし、キャリアバーにタイダウンベルトでボードを縛り付けるだけなら、脚立か車の側面に立てかけられる梯子があると便利だ。

ところが、脚立を室内に積んでしまうと結構邪魔だ。

そこで思いついたのだが、簡単に付け外しのできる脚立や梯子がバックドアに括り付けられていたら大変便利そうだ。

このアイディアを採用してくれるメーカーなどないだろうか?

シャワー:できれば温水シャワーとシャワールーム

以前も書いたことがあるが、タンクなどからザブザブと水を被るよりシャワーを使った方がずっと節水ができて、運ぶ水の量を減らすことができる。

私はポリタンクとバスポンプ(風呂の残り湯を洗濯機に移し替えるっためのポンプ。市販の電動シャワーがいくつか壊れた後に、価格が安くて丈夫そうなこれに行き着いた。)と庭とかで使う散水ノズルの組み合わせで使っている。

散水ノズルは水流の切り替えができて、シャワーだけでなくボードを洗ったりするのにも大変便利だ。

水は暖かい時期ならもちろん常温で構わない。若く元気一杯だった頃は真冬でも気合いで冷水を浴びていた。

しかし、現在は事情があって冬は海から上がったら即座に足を温めなくてはならなくなってしまった。

それで色々試したが、家に上の画像の赤い大きな飲み物サーバーがあったことを思い出し、強力ではないが保温保冷性のある容器なのでこれにお湯を入れ、さらにその下にある黒いやつも多少保温保冷性があってサイズもピッタリだったので、以上の組み合わせで温水シャワーとしている。

しかし、やはりできることなら車に備え付けのシャワーと温水器が備わっているのが望ましい。

そして、他人に迷惑をかけないために外でスッポンポンになってシャワーを浴びるわけにはいかないが、できればシャワーはスッポンポンになって浴びたい。

車内ボードラックとの兼ね合いもあって室内のレイアウトを上手く考えねばならないが、ウェットスーツなど濡れ物置き場として使えそうでもあるし、車中泊仕様車を超えた正式なキャンピングカーであるなら、シャワールームもぜひ欲しいところだ。

トイレ

要る要らないで度々話題に上がるトイレだが、私はあった方が良いと思う派だ。

行く機会の多い近所の海岸(もちろんサーフィンが目的で)で、駐車場からトイレが少し離れているところと、トイレが全くない場所に車を停めなければならないところがある。

そうした場所はあまり賑やかでもないので、男の場合は小はなんとかなる。

しかし、急に大の気配を感じてしまう緊急事態に陥ることがないとは言えない。

全くトイレのない場所の場合は、なんとか持ち堪えながら近隣のスーパーやコンビニなどまで車を走らせなければならず、結構危険な思いをする。

半分保険のようなつもりで私はポータブルトイレを備えることにしたのだが、これは買って良かったと思っている。

使用頻度は決して高くないのだが、これからさらに歳をとるともっとありがたく感じることが多くなりそうだ。

実際、先日サービスエリアで寝た時、トイレからあまり近くないところに車を停めたのだが、夜中にトイレに行きたくなって目覚めてしまった。

しかし、外はできることなら出て行きたくない冷たい雨。

用事は小の方だったし、冷たい雨に少し耐えさえすれば無理のない場所にトイレがあったわけだが、結局ポータブルトイレのお世話になり、ありがたさを感じた夜だった。

さらに言えば、女性の場合は夜中に車外に出るだけで場所によっては危険を伴うこともある。

せっかくキャンピングカーであるなら、トイレは絶対にあった方が良いと私は思う。

しっかりとした防塵対策

境目がいつだったのかははっきりしないが、概ね今世紀と前世紀の境目辺りで車がずっと錆びに強くなったようだ。

以前は、海関連で使っている車はとにかく錆との戦いのような感じだった。

私にとっての最新の車は2010年製のキャラバンで、世間一般からすれば十分古い車なのだが、それまで使っていたどの車より錆びが出なくて感動している。

もう少ししたら下回りには少し強力な防塵処理を施したいと思っているのだが、最初からそれが施されていたらなおありがたい。

これは海関連だけでなく、降雪地に行く機会の多い車にも当てはまる。

融雪剤は塩化〇〇のように頭に塩のつく薬剤が多く、車の下回りを錆びやすくしてしまうからだ。

色々なところに行くのがキャンピングカーなのだから、下回りにしっかりと防塵処理が施されているに越したことはない。

車のサイズ

もちろん室内は広い方が快適だが、ご存じのように日本は道が狭いところが多い。

上の画像の漁村はとても美しく整っている(それが珍しくて写真を撮った)が、こんなところは稀で、大抵の古い漁村は建物が密集していて非常に道が狭いのが普通の光景だ。

これは、元来海岸の町や集落は陸地を背にして海に向いて開かれ、交通手段も海路をメインにして発展してきたからではないかと思う。

実際に陸の街道側から見ると殺風景な集落が、カヤックなどに乗って海から訪れるとこっちが表なんだなあと感じることが少なくない。

話が逸れたが、サーフィンは海でするスポーツなので、そういったところに入って行かなければならないケースも少なくない。

そんな場合、車が大き過ぎると不便なだけでなく、海岸に辿り着けないことさえある。

特に問題になるのは長さより幅だ。

現在乗っているキャラバンは長さが4.7mを超えているため(エンジンの排気量も2000ccを超えているけど)1ナンバーなのだが、幅は普通の4ナンバーのキャラバンと共通でギリギリ1.7m(小型車枠)未満だ。

実はこの車を購入する際に、長さも価格も同じくらいのダッジバンのショーティーとどっちにするか大いに迷った。

しかしダッジバンの幅は2m。キャラバンより30cmも広い。

幅が広ければ居住性はもちろん上がるし、幅の広い車は安定感があって形的にも良い。

しかし、実際にキャラバンで旅をしていてナローボディーのアドバンテージを感じることが少なくない。

海辺に限らず、山の中でもこの幅で良かったと思うことは度々だ。

と言うより、これより30cmも幅の広い車だったら立ち往生してしまったのではないかと思うような場面にも遭遇している。

幅の広い車には色々な意味で大いに魅力も感じるが、日本での実用性を考えるとナローボディーに軍配が上がることも事実だ。

では長さはどうかと言えば、5mをギリギリ切る長さの私のキャラバンと、長さが30cm短い4ナンバーの普通のハイエースやキャラバンと比べた場合、実際に乗っていて私のキャラバンが長さのせいで不便と感じたことは全くない。

意外にも30cm程度の長さの違いは小回りに関してそんなに影響がないようだ。

コインパーキングなどには長さ5mの制限があるところもあるが、これもクリアできるので、ギリギリ5m未満はなかなかなに素晴らしい。

しかし、他にも長さが5mを切るか否かが大きな分かれ道になることがある。

フェリーの運賃だ。

旅するサーファーは陸路だけでなく、フェリーを利用する機会も多い。

フェリーの運賃はナンバーの分類で区分けしている会社もあるが、長さで区分けしているところが多い。

その場合、大抵4m未満5m未満6m未満のような区切りなるから5m未満であることが非常に重要になってくる。

神奈川県に住んでいた頃は休みの日に近所で波がなければ東京湾フェリーを利用して現在住んでいる房総半島へ頻繁に訪れていた(アクアラインが現在のように安くなる以前)のだが、東京湾フェリーの料金区分もこのタイプだ。

東京湾フェリーは今でも利用することの度々あるが、1ナンバーのキャラバンスーパーロング(現行のスーパーロングは5mを超えてしまっている)でも一般的なサイズの乗用車やミニバンと同じ料金で利用できることはありがたい。

逆な例では、以前持っていたロングボディーのサニートラックは長さが4mよりほんの少しだけ超えていたせいで軽自動車と同じ料金で利用することができず、非常に残念だった。

遠いところでは、四国・九州・奄美大島(現在は残念ながら東京や大阪らの航路には人の乗れるフェリーがなくなってしまった)などへもフェリーに乗って何度もサーフトリップに出かけているが、遠距離になるとこの差がさらに大きく広がってしまう。

この料金の差についての詳しい話はまたの機会にしようと思うが、東京から徳島へ行った場合、5mを超えてしまうと片道6千円くらいの料金差になってしまうようだ。

理想のボディーサイズは、幅は程々、長さは5mを切るのがベスト。

5mを超えてしまうならいっそ6m近くまであった方が良いように思う。

理想の車を想像してみよう

もちろん外観のデザインや走行性能などに関して絶対に蔑ろにできない条件は他にも色々あるが、それらを除いてもし私がキャピングカーを作るなら外せない条件や理想とすることなどをざっと挙げるとこんなところだ。

これを簡単に具現化できる訳ではないが、こうして具体的に条件を挙げていけば、キャンピングカー選びで失敗する可能性は減り、DIYの計画も立てやすくなる。

そして、想像しているだけでも結構楽しい。

なんとなく興味を持っているような人も、真剣に考えている人も、自分にとっての最高のキャンピングカー像を細部まで具体的に思い描いてみてはいかがだろうか?

ところで、私にとっての理想のサイズ:幅は程々、長さは5mを切るって、まさに愛車E25キャラバンスーパーロング以外にないかもしれない。

さてどうしよう?

ライター:笠原 サタン

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執筆者プロフィール
車旅情報Webマガジン「DRIMO」
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