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「早朝に給油すると得」は本当?ガソリン量が増える説の真相とは
2026年3月現在、ホルムズ海峡の事実上封鎖などにより、ガソリン価格の高騰が懸念されています。
そんななか、ドライバーの間では昔から「気温が低い早朝の満タン給油は、少しお得になる」という節約術が語り継がれています。
では、この節約術は果たして本当に効果的なのでしょうか。
気温が低い早朝の給油でガソリンの量が増える!? ウワサの理由とは

中東情勢の悪化にともないガソリン価格のさらなる高騰が懸念されています。
実際、SNS上では「いまからドライブシーズンだっていうのに、ガソリン高くなるの勘弁して!」「4月に旅行行くつもりだから、ガソリン高くなるのは痛い……頼むから安くなってくれ」という声が見受けられるなど、少しでも燃料費を抑えたいという切実な声が高まっている様子がうかがえます。
そんななか、車を運転する人々の間で古くから語り継がれている、ガソリンにまつわるウワサが再び注目を集めています。
それが、「気温が低い早朝の時間帯を狙って満タン給油をおこなうと、実質的な量が増えて得をする」というものです。
そもそも、このウワサの根拠となっているのは、物質が持つ熱膨張という物理的な特性にあります。
一般的に、液体は温度が高くなると体積が膨張し、低くなると収縮して密度が高まるという性質を持っており、ガソリンも液体である以上、この法則に従って体積が変化することになります。
つまり、気温が高い日中に比べて、冷え込んでいる早朝のガソリンは縮んでいる状態にあると考えられています。
また、ガソリンスタンドの給油機は、重量ではなく体積であるリットル単位で計量して販売をおこなっているため、温度が低く密度が高い状態のガソリンを1L購入するほうが、実質的に含まれるエネルギー量が多くなるという理屈になります。
地下タンクの温度は一定であり外気温による密度の変化は無視できる

では、早朝給油でガソリンの量が増えるというウワサは事実なのでしょうか。
結論から言えば、早朝に給油をおこなったとしても、日中と比べて実質的な量に差が生じることはほぼありません。
その最大の理由は、ガソリンスタンドにおける燃料の保管方法にあります。
消防法の規定により、地下貯蔵タンクは地盤面から一定の深さ以上の場所に設置することが法律で義務付けられています。
そのため、店舗に運ばれたガソリンは地上ではなく、地下深くに埋設された巨大な専用の貯蔵タンクで厳重に保管されます。
また、土の中は外気の影響を極めて受けにくく、年間を通じて温度が非常に安定しているという特徴を持っているため、猛暑日であっても極寒の早朝であっても、地下タンク内部の温度は常に一定の範囲内に保たれることがほとんどです。
そして、ガソリンは給油機のノズルを引いた瞬間に地下から汲み上げられて車へ注がれるため、外気温によって膨張・収縮する時間はほとんどありません。。
とはいえ、計量機を通過する際などに、配管内でわずかな温度変化が起きる可能性もありますが、その変化によって生じる体積の差はごくわずかであり、金額に換算しても1円に満たないレベルとされています。
したがって、早朝に給油したからといって明確な節約になるという説は現実的とはいえず、理論上の性質と実際の設備環境を混同した結果、広まってしまった都市伝説のひとつと結論づけられています。
まとめ
燃料費を少しでも抑えたいのであれば、根拠の薄い裏技に頼るよりも、アクセルをふんわりと踏んで急発進を控えたり、無駄なアイドリングを停止したりするなど、日々の運転方法を見直すほうがはるかに効果的といえます。
また、不要な荷物を降ろして車体を軽くすることも、燃費を向上させるための非常に有効な手段といえるでしょう。
ガソリン価格の高騰が家計を圧迫する今だからこそ、確実で地道な節約アクションを積み重ねることが家計を救う近道になります。
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