自動車は動産に分類される資産です。そのため、離婚の際には財産分与の対象となります。
自動車の場合には、現金や株式のように半分ずつにできないモノなので、どちらが引き継ぐかの点で、トラブルになってしまうことが少なくありません。
悲しい。100万円で買った、7年落ちの中古軽自動車。田舎に引っ越した私には、ぼろくても狭くても、めちゃくちゃ必要な移動手段。購入の際、両親がお金を出してくれた。それなのに『車を財産分与で分けろ』と言う元旦那。こんなことがナウで起きてるけど、イキイキに生活できてるのは固ツイのおかげ🤫
— かおり/元アイドル✖️メルカリ (@kaori_sinmama) December 6, 2022
子供たちの用事で妻が自分名義の車を使うと不機嫌になる自称イクメンパパことうちの旦那が嫌で、中古車購入を検討していますが、ネット調査好きな性格が災いし、婚姻中に買った車は離婚時に財産分与の対象となると知って「!?」となり、カーシェアリングの検討含め振り出しに戻っています。
— maron 📗 本発売中 (@maron99668508) October 20, 2019
また、すべての車が対象となるわけではない点も知っておきたいものです。
この記事の目次
「自動車は財産分与の対象」離婚前に車売却すれば揉めない
夫婦が使用していた自動車でも、結婚前からどちらかが所持していた車ならば、財産分与の対象にはなりません。
しかし、結婚生活の中で夫婦が共同で購入したものは、名義にかかわらず、財産分与の対象となります。
財産分与の対象となるのは、離婚を前提の別居が始まった時点で夫婦が持っている財産です。
もしも財産分与で揉めるのが嫌な場合には、離婚前に車を売却して現金化しておけば、それを分与するだけで良いのでトラブルは起こらないでしょう。
ただし、車をローンで購入しており、売却してもローンを完済できない場合には注意が必要です。
《注意》結婚前 or 親から譲り受けた車は"財産分与の対象にならない"
離婚時の財産分与は、結婚期間中に夫婦が共同で取得した資産が対象となります。
そのため、結婚前からどちらかが所持していた車や、結婚期間中にどちらかが親から譲り受けた車は、共同の財産とは見なされず、財産分与の対象外となります。
しかし、結婚を前提として購入した車だったので、妻がお金を出して夫名義で購入した場合などもあるでしょう。
ケースバイケースで法的に対応することが可能ですから、専門家に相談することをおすすめします。
自動車を財産分与する『3つのケース』
半分に分けることができないモノである自動車を財産分与する際には、3つの方法があります。
どの方法を選択するのがベストかについては、ローンの残債額や離婚後のライフスタイルなどを考えて、二人で納得がいく方法を選びましょう。
目次(クリックでスクロール)
自動車を財産分与する『3つのケース』
【ケース①】車を売却して売却代金を分け合う
最も分かりやすくて簡単な方法は、車を売却して現金化し、それを夫婦で公平に分与するという方法です。
現金化できる高額な資産はすべて現金にすることによって、車にどのぐらいの価値があるかという点でトラブルになる心配がありません。
ただし、車のローンが残っている場合には注意が必要です。売却したお金でローンを完済できる場合には、完済したうえで残額を財産分与の対象とするのが一般的です。
離婚の際に揉める要因を少しでも減らしたい人は、ぜひ検討してください。
ポイント
【ケース②】売却せずに片方に車両価値の1/2の代償金を渡す
車を売却したくない場合、もしくは売却したお金でローンを完済できない場合には、代償分与という方法を選択することができます。
代償分与とは、車を売却した時に手に入るだろう価額を計算し、半分を相手へ渡す方法です。
車の価値がどのぐらいあるかという点は、中古車の買取査定を受ければ分かります。購入した時に支払った金額ではありませんし、ローンの残債額でもありません。
車を売却した時に手に入る買取査定額が、その車の価値です。代償金は、自身の財産分与分から差し引かれます。
しかし、現金を準備できないことがあるかもしれません。その場合には、必ずしも現金を準備する必要はなく、次の方法を選択することもできます。
【ケース③】車の評価額相当の財産を相手に渡す
代償分与では、車の価値の半分に当たる金額を現金で相手へ分与します。
しかし、貯金などがなく、現金を準備することが難しい場合には、他の資産を使うことも可能です。貴金属や骨とう品、家具などが該当します。
この方法で財産分与する際には、評価額をできるだけ公平にするため、分与の対象となるモノを一つ一つ査定してもらい、それによって価額を計算する必要があります。
モノの査定は、どこで誰に査定してもらうかによって、価額は変わります。そのため、揉めやすい傾向があります。
揉めたくないならば、骨とう品や貴金属などを売却して現金化したうえで、代償分与をする方法がおすすめです。
《5つの修羅場》離婚後に車を財産分与すると面倒やトラブルに…
車の財産分与は、どのように分与するかという点も含めて、離婚前に決めておくことをおすすめします。
離婚後に解決しようと思っても、面倒が起こってしまうことが少なくありません。車の価値は変動するため、その点でもトラブルになりやすいものです。
目次(クリックでスクロール)
《5つの修羅場》離婚後に車を財産分与すると面倒やトラブルに…
【パターン①】普通自動車の売却手続きと必要書類(離婚前後で比較)
離婚前に車の売却を済ませたほうが良い理由の一つに、手続きがスムーズにできるという点があります。
離婚後だと車の名義変更の手続きが必要となり、お互いに離婚後にも連絡を取らなければいけなくなってしまいます。
普通&軽自動車 売却時の必要書類一覧 |
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書類 | 普通 | 軽自 | 備考 |
実印 | 〇 | – | |
認印 | – | 〇 | |
印鑑証明書 | 〇 | – | 発行後1ヶ月以内のもの×2通 |
自動車検査証 (車検証) |
〇 | 〇 | 現住所、氏名の確認が必要 |
自賠責保険証明書 | 〇 | 〇 | |
自動車納税証明書 | 〇 | – | 有効期限の確認 |
軽自動車納税証明書 | – | 〇 | 有効期限の確認 |
振込口座情報 | 〇 | 〇 | |
リサイクル券 | 〇 | 〇 | |
住民票 | △ | △ | ※住所変更が一度の場合 |
戸籍の附票 または住民票の除票 |
△ | △ | ※住所変更が複数回あった場合 |
戸籍謄本 | △ | △ | ※結婚などで姓が変わっている場合 |
各買取店で作成する書類 (※準備必要なし) |
|||
書類 | 普通 | 軽自 | 備考 |
譲渡証明書 | 〇 | – | |
委任状 | 〇 | – | |
自動車検査証記入申請書 | – | 〇 |
車の名義変更には、車検証や納税証明書などの書類に加えて、新所有者の車庫証明や譲渡証明書なども必要です。
- 戸籍謄本または住民票
- 離婚後の名字の認印
- 車庫証明書
- 手数料納付書
それぞれの手続きには数千円の費用も掛かります。離婚前に売却するなら、名義変更に伴う手続きや費用は必要ありません。
結婚前に売却する場合でも、車検証や印鑑証明書、譲渡証明書などは必要です。
しかし、業者へ売却するなら、手続きはすべて業者が代行してくれますし、費用が発生することもないでしょう。費用を節約したい場合にも、離婚前がお得なのです。
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【パターン②】軽自動車の売却手続きと必要書類(離婚前後で比較)
軽自動車の財産分与でも、売却するなら離婚前がおすすめです。
軽自動車の売却では、離婚前でも離婚後でも、車検証や自賠責保険証明書、納税証明書などが必要ですが、名義を変更する必要がないため、必要な書類は少なくて済みます。
- 車検証
- 自賠責保険
- 証納税証明書
- 印鑑(認印でOK)
- リサイクル券住民票
もしも離婚後に売却するならば、車検証の名義を変更するために戸籍謄本などが必要ですし、ナンバープレートも交換しなければいけません。
車庫証明書も新たに取得する必要があり、その際に費用がかかってしまいます。
また、離婚後にこうした手続きをしようとすると、離婚した相手へ連絡を取らなければいけません。
【パターン③】車売却時に名義人が異なる際の手続きと必要書類
離婚前に車の売却がおすすめの理由として、売却の際に名義が本人と異なると、面倒な手続きが必要となるという点も挙げられます。
たとえば、妻名義の車を夫が受け継ぐ場合には、夫が車を売却しようとしても名義は妻なので、夫が自由に売却できません。
そのため、売却の際には妻に協力してもらって売却するか、もしくは車の名義を自身に変更したうえで売ることになります。
離婚した妻が協力的でなければ、手続きは思うように進まないでしょう。
車の名義を変更したうえで売却するとなると、車検証の書き換えや新たな車庫証明、新しいナンバープレートなどが必要となります。
ポイント
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【パターン④】名義人が違うため車を廃車にできない
車検証の名義が本人と異なる場合、車を廃車にできません。なぜなら、車は動産という資産だからです。
名義人本人でなければ廃車にできないため、離婚した相手へ連絡を取って、廃車手続きの協力をしてもらわなければいけないでしょう。
車の廃車は、いつどんなタイミングで訪れるか分かりません。事故を起こして廃車にすることもあります。
廃車にするかどうかを自身で決められないことは、離婚してから数年後の自分にとっては、とても面倒ではないでしょうか。
夫婦も離婚すれば、赤の他人です。離婚後、相手がどこにいるのか分からなくなる可能性も考えられます。
その際にも廃車できずに、大変な苦労を強いられることは容易に想像できるでしょう。
【パターン⑤】ローン支払いが残っている
自働車のローンが残っている場合には、売却しないという選択をすることが珍しくありません。
この場合には、離婚の財産分与でもどちらがローンの支払いを続けるのかという点で、トラブルが起こりやすくなってしまいます。
離婚時の財産分与では、プラスの資産だけでなく、ローンなどの負債も分与の対象となります。
ローンの返済はどちらが継続するのかによって、返済をしない側はする側に対して、現金もしくはモノでの分与をしなければいけません。
もしも車を売却したお金でローンを完済できる場合には、売却してローンも完済し、お互いにすっきりした状態で新たな人生をスタートすることを選択する人は少なくありません。
やはり、トラブルを最小限に抑えたいからなのでしょう。
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車の財産分与のトラブル回避するなら離婚前に"離婚協議書を作成"
離婚前には離婚を早く成立させるために安易な口約束をし、離婚後に手のひらを返すというトラブルは、残念ながら少なくありません。
後から言った言わないの問題を起こさないためには、離婚前に離婚協議書を作成するのが得策です。
離婚協議書とは、離婚後の金銭の支払いに関して記載するものです。
ただし、すべての離婚において離婚協議書が必要というわけではありません。車に関しては、離婚前に売却して現金化しているなら、離婚協議書を作成する必要はないでしょう。
しかし、売却が離婚後になる場合には作成すると安心です。離婚時の財産分与は、離婚後2年間なら相手へ請求できます。
離婚協議書は、自身が受け取るべき財産を法的に示すだけでなく、相手から不当な請求を受けないためにも必要な書類です。お互いにとってメリットがあるのです。
車を少しでも高く売るなら"車一括査定"がおすすめ
離婚前に車を売るなら、少しでも高く買い取ってくれる業者を選びたいものです。
買取価格は業者ごとに異なるため、複数から査定を受けるという人は多いでしょう。その際には、車一括査定のサービスを利用するのが便利です。
それぞれの業者ごとに査定の申し込みをすることは可能です。しかし、複数のサイトで同じような情報を何度も記入しなければいけません。
時間も労力もかかってしまいます。車一括査定なら、一度記入すれば複数の業者へ査定依頼ができます。
車一括査定をすることで、複数の業者から査定を受けることができ、どの業者が最高値で買い取ってくれるかが分かります。
【2024年5月最新版】
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大手買取業者 | 〇 | △(一部参加) | 〇 |
同時査定依頼数 | 30社 | 20社 | 1社 |
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まとめ
結婚期間中に取得した車は、夫婦共有の財産と見なされるため、離婚の際には財産分与の対象となります。
離婚前に売却して現金化したうえで分与する方法だけでなく、相手の取り分を現金で支払う代償分与や、モノで支払う分与方法などもあります。
車を売却する際の手続きや費用面を考えると、離婚前に済ませておくのがベストです。
もし離婚後に売却するのなら、離婚協議書を作成し、後からトラブルにならないような工夫をすることをおすすめします。