離婚の予定があり、現在別居中という人もいるでしょう。離婚となるとさまざまな手続きが必要になりますが、車の扱いについても忘れるわけにはいきません。
家と同じく、車も共有財産として所有していたカップルも多いでしょう。
その場合、別居中に車を処分したくなっても自分一人の判断では売れないことがあります。
僕も調停時はその状態でした。自宅は住まわせてあげないと仕方ないですが、車は別居中に強引に売却しました。車は譲ってあげる必要ないと思います。
別居は3年はしないと、訴訟で裁判官も、まぁまぁもう少しお互いに頑張ってみて・・、みたいなを取られて離婚できないので、早く3年経つといいですね。— りんく(50) (@happylink1102) June 12, 2023
別居中に車を売るならまず車の名義人を確認してください。そこで、車の名義人によってどのように対処するのがベストなのかを考えていきましょう。
この記事の目次
別居中に車を売るならまず「車検証の名義」を要チェック
車を買ったときには、おそらくほとんどの人は離婚するとは想像もしなかったことでしょう。
ですので、車の名義人を夫婦どちらにするかなど、それほど深刻に考えていなかった人は多いです。
しかし、別居中に車を売るには、その名義人が自分なのか配偶者なのか、また、それ以外なのかによって対処が変わってきます。
いずれにせよ、まずは車検証に記載されている車の名義人を確認してください。
さて、車検証の名義欄には誰の名前が記載されているでしょうか。ご自身か配偶者、もしくは、ディーラーおよびローン会社のうちのどれかです。
【名義人:本人】車は通常通り売却できる
車検証の名義人欄に自分の名前が記載されていれば、別居中であろうが法律的には自分の判断で勝手に売ってかまいません。
あとは必要な書類を用意して、買取店等に車の売却査定を依頼しましょう。
車を売る時の必要書類一覧
普通&軽自動車 売却時の必要書類一覧 |
|||
書類 | 普通 | 軽自 | 備考 |
実印 | 〇 | – | |
認印 | – | 〇 | |
印鑑証明書 | 〇 | – | 発行後1ヶ月以内のもの×2通 |
自動車検査証 (車検証) |
〇 | 〇 | 現住所、氏名の確認が必要 |
自賠責保険証明書 | 〇 | 〇 | |
自動車納税証明書 | 〇 | – | 有効期限の確認 |
軽自動車納税証明書 | – | 〇 | 有効期限の確認 |
振込口座情報 | 〇 | 〇 | |
リサイクル券 | 〇 | 〇 | |
住民票 | △ | △ | ※住所変更が一度の場合 |
戸籍の附票 または住民票の除票 |
△ | △ | ※住所変更が複数回あった場合 |
戸籍謄本 | △ | △ | ※結婚などで姓が変わっている場合 |
各買取店で作成する書類 (※準備必要なし) |
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書類 | 普通 | 軽自 | 備考 |
譲渡証明書 | 〇 | – | |
委任状 | 〇 | – | |
自動車検査証記入申請書 | – | 〇 |
【名義人:夫や妻など相手側】話し合いが必要
車検証の名義人欄に配偶者の名前が記載されていた場合、車を勝手に売ることはできません。
たとえ自分がお金を出していたとしても、法律では名義人に所有権があることになっています。勝手に売ろうとしても買取店が対応してくれません。
車売るにせよどちらかが乗り続けるにせよ、離婚の際には財産分与でどちらの名義にするか決める必要があります。
したがって、たとえ別居中でもまずは二人で話し合わなければならないのです。
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【名義人:夫や妻など相手側】話し合いが必要
【財産分与①】車を売却して現金化
夫婦で話し合った結果、車を売却して現金化することになった場合、車がいくらで売れるのかその価値を調べる必要があります。
車の価値を調べるなら、買取業者に直接査定してもらうのがおすすめです。
メーカーサイトなどで査定額のシミュレーションをやっているところもありますが、シミュレーションでは正確な価値はわかりません。
査定士に直接実車を見てもらうべきです。その際、複数業者に依頼すると査定額がアップしやすくなります。
【財産分与②】車をどちらかが乗る
夫婦のどちらかが車を乗り続けることになった場合、車を所有する人は相手に相応の財産や代償金を支払うことになります。
その場合でも、車の価値を正確に知る必要があるので、買取業者に査定を依頼しましょう。
離婚後も車に乗り続ける側は、財産分与において車の評価額を受け取ることになります。
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《注意》車が財産分与の対象とならないケースも…
財産分与の割合は夫婦で半々が基本ですが、車を買ったのが結婚する前の場合、最初に購入した人の財産になります。
そのため、先に説明した財産分与の対象にはなりません。
また、結婚しているときに買った車の場合でも、その購入代金の一部を夫婦どちらかの親が出してくれたのなら、その金額分を引いて財産分与することになります。
【名義人:ディーラー】まずはローンの返済から
車検証の名義人欄にディーラーの名前が記載されていた場合、その車の所有権はまだディーラーにあります。
ローンの返済が終わるまではディーラーが所有者なのです。まずはローンの返済に努めましょう。
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【名義人:ディーラー】まずはローンの返済から
車の所有者の名義変更のための必要書類。
手続き | 用意する人 | 必要なもの | 費用 | 日数 |
---|---|---|---|---|
車庫証明の取得 | 新しい所有者 | 自動車保管場所証明申請書 保管場所の配置図 保管場所使用権原疎明書面 保管場所使用承諾書 運転免許証 |
約3,000円 | 3~5営業日 |
必要書類の準備 | 新しい所有者 以前の所有者 |
印鑑証明書 委任状 譲渡証明書 車検証 車庫証明 住民票(※車検証と印鑑証明の住所が異なる場合) 戸籍謄本(※車検証と印鑑証明の氏名が異なる場合) |
400円 | 即日 |
運輸支局での手続き | 新しい所有者 | 申請用紙 ナンバープレート |
約2,000円 | 即日 |
【財産分与①】査定額がローンの残高よりも高いケース
車を査定してもらった結果、評価額がローンの残高を上回るのであれば特に問題はありません。
ローンの残債を引いた金額が売却額となるので、それを二人で分配するだけです。
車を売らずにどちらかが乗り続ける場合でも、ローンの残高より査定額が高いのであれば、査定額からローンの残債を引いた金額が、車を所有する人に分配される財産になります。
そのときは相手に同じ価値の財産や代償金を払いましょう。
【財産分与②】査定額がローンの残高よりも低いケース
査定額がローンの残高より低い場合、以下の3つの方法が考えられます。
目次(クリックでスクロール)
査定額がローンの残高よりも低いケース
【ローン残高より低い①】車売却でローンの残りを同額で負担し合う
一つ目は、車を売却して残ったローンの残債を、二人で公平に負担するという方法です。
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【ローン残高より低い②】車をそのまま乗る方がローンも負担
二つ目は、車に乗り続ける方がローンの残債も負担するというやり方です。
たとえば、夫婦の共有財産として車を所有していたとしても、車を使うのはほとんど夫(妻)だったというケースもあるでしょう。
そういうときにはこのやり方が適当です。
【ローン残高より低い③】車は売らずに財産分与の対象として扱う
三つ目は、車を売らないでローンの残債も含めて財産分与の対象にするという方法です。
車以外にも夫婦の共有財産がある場合、車の評価額からローンの残債を引いた金額を、車以外の共有財産の価値から引きます。
その残った財産を二人で分配するのです。
まとめ
離婚を視野に別居している夫婦は、車の扱いも早めに考えておく必要があります。
車売ることができるのは車の名義人だけですから、離婚が成立する前に二人で話し合ってどうするか決めておきましょう。
離婚が成立してから車を売ろうと思っても、車を持っている方が名義人でない場合、必要な書類も増え手続きがややこしくなってしまいます。
スムーズな手続きのためにも、まずは車の名義人を確認しましょう。