車を処分する際にちょっと注意したいのが、取り付けてあるETC車載器をどうするかです。そのまま買い取りに出すか、それとも外したうえで買い取りに出すか。
それが査定金額にどれだけ影響するかだけでなく、どんなメリット・デメリットが生じるかもよく考慮したうえで最終的に判断する必要があります。
そのためにも中古車市場におけるETCの扱いや立ち位置について知っておきましょう。
車の買取査定が電話で完了、契約成立。ネット上で振込先口座入力、写真アップロード、車両引取…もうあとは振込待ち。あっけなすぎて不安だったw
カーナビとかETC、タイヤ、キズとか一切関係ないみたい。— ゆに🎰含み益は幻 (@yuni_fullslot) February 18, 2023
この記事の目次
ETC車載器の査定評価は小さいから付けたまま車売却
結論から言えば、ETC車載器が車査定の額に大きな影響を及ぼすことはありません。要するに「あってもなくてもそれほど変わらない」のです。
ですからできるだけ早く車を処分したい、処分する際に面倒なことはしたくない、という方はETC車載器をそのままにして買い取りに出してもとくに大きな問題は生じないでしょう。
日常的に車を乗っている人が自分の車を買取りに出す場合、次の車の購入を検討している事が多いものです。
ですからできるだけ高い金額で買い取ってもらうだけでなく、早く、スムーズに買い取ってもらうことも重要視されます。
車売却時にETC車載器ありだと査定額UPするのか
ETC車載器がついていても車の買い取りに大きな影響は及ぼさないと書きましたが、実際に車載器をつけたままだとどれだけ査定額がUPするのかについては状況によっても異なります。
一般的には「1万円程度」と言われています。
「たったそれだけ?」と思う方も多いかもしれませんね。だからこそ気にせずにつけたまま売却した方が面倒もかからずに良いと言えるのです。
ETC車載器を付けたまま売る時のメリット&デメリット
ETC車載器を付けたまま売る最大のメリットは、繰り返しになりますが「手間が省ける」ことです。これがつけたまま売るかどうかを決める最大のポイントとなるでしょう。
続いて大きいのが、外した後に別の車に取り付ける手間や費用がかからないことです。
単に取り外しただけでは無駄な手間がかかるだけで、当然次に乗る車に装着することになるわけですが、その際にも取り付けの手間とそれなりの費用がかかります。
デメリットとしては、せっかくETC車載器が取り付けてあるのに査定額にほとんど反映されない、つまりETC車載器を安く買い叩かれてしまう点が挙げられます。
また次に購入する車に、別途ETC車載器を取り付ける手間と費用がかかるのも見逃せません。
ETC車載器を他の車に取り付けてから売るメリット&デメリット
ではETC車載器を新しく購入した車など、他の車に取り付けてから売るとどうなるのでしょうか?次の車で引き続きETC車載器を使用できるメリットがまずひとつ。
それから後述するように、ETC車載器を単体として売却することで利益を出すチャンスも得られます。
デメリットとしてはやはり取り外し&取り付けが面倒、しかも車の査定金額にほとんど影響しない点、つまり「骨折り損のくたびれ儲け」になってしまう可能性が高くなる点でしょう。
他の車に取り付けてから売るくらいなら、つけたまま売ってETC車載器ごと新しい車を購入して心機一転したほうがいい、と考える方も多いはずです。
ETC車載器をパーツ単体で転売する時のメリット&デメリット
ETC車載器をパーツ単体で売るメリットとデメリットは背中合わせにあります。なぜなら販売額はピンからキリまでだからです。
高く売却することができればそれがメリットになるでしょう。
先述したようにつけたまま売っても1万円程度のUPにしかなりませんから、単体でそれ以上高く売ることができればそのままメリットになります。
しかし安くしか売れなかった場合、それこそ骨折り損のくたびれ儲け、それどころかつけたまま売ったほうがETC車載器も高く評価されるケースさえもでてきます。
「数百円の可能性も…」ETC車載器の買取相場
このデメリットの部分は、多くの人が思っている以上に大きな影響を及ぼす可能性があります。
すっかりETC車載器が普及した現在では、ETC車載器単体に大きな価値が出るケースは少なく、場合によっては数百円程度でしか売れない可能性もあります。
例えばナビと連動している、ETC2.0に対応しているといった市場の需要に応える機能を持ち合わせている車載器なら高い価値がつく可能性もあります。
注意ポイント
ETCの取り外し料金&取り付け費用やセットアップ手数料
問題なのは、ETCの取り外し・取り付けとセットアップにどれだけの費用がかかるかです。業者に依頼した場合、それぞれの作業に数千円程度かかってしまいます。
取り外しは3,000~5,000円程度、取り付けがとくに高く4,000~1万円程度、セットアップは3,000円くらいです。
取り付けの費用が高いのは、正しく取り付けないと電波を正常に受信することができず、料金所を通ることができないといった問題が生じるためです。
これは作業に慣れない人が自分で取り付ける際には注意が必要になる理由でもあります。
【注意】コストカットで自ら取り外すのはNG
自分で取り付けるだけでなく、取り外すのも要注意。よほど慣れている人でない限りNGと考えるべきでしょう。
ETCの新しいタイプ「ETC2.0」とは
ETC車載器を単体で買い取ってもらうときに挙げたETC2.0とは、2016年に搭乗したETCの新しいシステムのことです。
基本的な機能に加えて高速道路の混雑情報などをチェックできるため、より快適な運転に役立ちます。
さらに重要な問題点となっているのは、ETC2.0とそれ以前のETCでは使用されている電波の種類が違うことです。
ETC2.0は5.8GHz帯の電波を使用しているのに対して、それ以前のETCは2.4GHz帯が使用されています。
実は2022年12月にETCの使用電波を5.8GHz帯に統一されており、それ以前のETCは使えなくなりました。
つまり、ETC車載器を単体で売却しようにも、搭載しているタイプによっては「そもそも価値がない」可能性があるのです。
買い替えた車でETC車載器を再セットアップ
これまで使用していたETC車載器が2.0なら、取り外したうえで買い替えた車に取り付けて使用する選択肢も出てくるでしょう。
先述したように取付作業は自分で行わずに業者に依頼するようにしましょう。その際に再セットアップも頼んでおけば確実です。
なおセットアップ情報の消去や登録解除のための手続きなどは不要です。
ETC車載器が変わってもETCカードはそのまま利用可
また、ETC車載器が変わってもこれまで使用していたETCカードはそのまま使用し続けることが可能です。
ですからETC車載器を取り付けたまま車を処分する際には、必ずETCカードは自分の手元に回収しておきましょう。
実は中古車買取の際にはこのミスが非常に多く見られます。
注意ポイント
ETC再セットアップに必要な書類一覧
ETC再セットアップの際には車検証と運転免許証が必要です。これは必ず用意したうえでプラスETC車載器本体と電源ケーブルを忘れないようにしましょう。
なお、本人に代わって家族が再セットアップを行う場合には、本人の車検証と運転免許証のコピーに加えて、家族であることを証明する身分証明証、さらに委任状が必要になります。
ETCカードを解約する方法
ETCカードを解約する際には2通りの選択肢があります。まずETCカードそのものを解約する方法、もうひとつは紐づけしているクレジットカードそのものを解約する方法です。
ETCカードのみを解約する場合にはクレジットカード会社に問い合わせたうえで必要な手順を踏んで行っていくことになります。
通常は各クレジットカード会社の電話専用窓口に問い合わせ、指示に従って必要な作業を行いましょう。
注意点としては、この電話での解約手続きを完了した段階でそのETCカードは利用不可になることです。
ETC車載器のセットアップ情報の消去&登録解除手続き
ETC車載器そのものには個人情報は登録されていないため、セットアップ情報や登録解除といった手続きは必要ありません。
この点もETC車載器を取り付けたまま買い取りに出した方がよい理由の一つとなっています。
つまり、ETC車載器を取り付けたまま車を売却しても次の所有者に個人情報が漏洩してしまうといった問題は生じないわけです。
ETC車載器の廃棄方法や処分の仕方
ETC車載器には個人を特定されるような情報は登録されていませんから、廃棄や処分についてもそれほど難しく考える必要はないでしょう。
処分が面倒だから、という理由で車載器をつけたまま買取りに出す、というのも一つの選択肢です。
単体として処分・廃棄する場合には通常の「燃えないごみ」として出すことも可能です。
ただしこの点については各自治体ごとにゴミ出しに関するルールが異なりますから、それに基づいたうえで正しい形で処分することが求められます。
まとめ
このようにETC車載器が搭載された車を買取りに出す場合には、「基本的にはつけたまま売却する」ことになります。
これまで挙げてきたように取り外すことで得られるメリットよりもデメリットの方が大きいからです。
一方でETC車載器を別の車に装着する場合には、取り外し・取り付けやセットアップの際に業者に依頼する必要があるなど、手間やコストがかかるので注意が必要です。
こうした点を踏まえつつ、車を処分する際にETCをどうするか、よく検討したうえで判断するようにしましょう。