公道を走行するには、2年毎(新車は登録から3年後)に車検を受ける必要があります。車検は安全性を確保するための検査でもあり、以下のような悩みを持っている方もいるでしょう。
- 何を基準に業者を選べばよいかわからない
- 車検料金を少しでも抑えたい
- 業者に対して不安がある
この記事では、車検業者の人気ランキングや選び方、車検料金を抑えられる業者などを紹介します。あなたのニーズに合う業者を見つけて、納得のいく車検を受けましょう。
国産車ディーラー車検や車検工場でおよそ15年自動車整備士、自動車検査員として勤務したのち、大手中古車販売店の本部に勤務。国産車から輸入車までの整備経験を活かし、販売車の保証判定及び技術相談に携わる。国家資格整備士と自動車検査員資格を保有し、レースから整備、車検、中古車、そしてメカニカルな分野まで幅広い知見を持つ。株式会社グラフィカ・ワン代表。
目次
車検業者はどこがいい?選ぶ際のポイント
車検業者は、サービス内容や料金設定などがそれぞれ異なります。車検に求める要望も人それぞれのため、自分に合った業者を見つける必要があります。
車検業者は、以下のポイントを基準に選んでみてください。
- 料金
- 整備の質
- 日数
- 安心感
- サービス
まずは、車検業者を選ぶ際のポイントを紹介します。
料金
車検料金を少しでも抑えたい場合は、料金設定をチェックしましょう。車検料金の内訳は、以下3つで構成されており「車検基本料金」は、業者によって料金設定が異なります。
- 法定費用:自動車重量税や自賠責保険など
- 車検基本料金:車検に合格できるかどうかの検査費用
- 整備費用:部品代や工賃
法定費用は税金や自賠責保険料が該当するため、どこで車検を受けても金額は同じです。整備料金は業者によって多少異なるものの、大きな差はありません。
ただし、車検基本料金は車検に合格できるかどうかの検査のほかに、業者によっては独自の点検項目を追加しているケースもあります。そのため、業者によって料金設定が大きく異なり、数万円の差がつくことも珍しくありません。
車検料金を抑えたい場合は、車検基本料金を低く設定している業者に依頼してみてください。
整備の質
車検後の車に安心して乗りたい場合は、整備の質をチェックしましょう。ほとんどの業者には、国家資格を保有している整備士が在籍しているものの、個々の経験や知識によって技術力に差があります。
また、工場内に完備されている検査機器や工具によっても整備の質に差が出ます。在籍している整備士の経験や知識が豊富かどうかに加えて、工場内の環境もチェックするとよいでしょう。
専門的な機器や工場環境を見極めることが難しい場合、基準になるのが待合室やショールーム、外から見える工場内などの整理整頓具合をチェックするのがおすすめです。
なお、車検に通ったからとはいえ、車の状態が必ずしも良好なわけではありません。車検のチェック項目以外の箇所が壊れているケースもあるため、安心して車に乗りたい場合は、全体を点検してくれる業者に依頼しましょう。
日数
車を預ける期間を短くしたい場合は、車検が終わるまでの日数をチェックしましょう。
車を預ける日数は業者によって異なり、3日程度かかるケースもあります。業者によっては、当日に車検を取得できる「1日車検」を実施しているため、参考にしてみてください。
また、車の整備工場は「認証工場」と「指定工場」の2種類に分けられます。認証工場は、工場内で車の分解整備の実施が可能なものの、車検の検査は運輸支局で行う必要があります。
一方、指定工場は工場内で車検の検査を行えるため、車を運輸支局に持ち込む必要がありません。運輸支局に持ち込む工数を減らせるため、比較的早く顧客に車を引き渡せます。
ディーラーや大型の中古車販売店などでは、車検を依頼する店舗が認証工場であっても、自社の指定工場で検査を実施している場合があります。
車を預ける期間を少しでも短くしたいなら、指定工場の業者に車検を依頼しましょう。
安心感
業者を選ぶ際は、安心感も重要なポイントです。記憶に新しい大手中古車販売店の保険金水増し請求により、改めて業者への信頼感が求められるようになりました。
公式Webサイトを見ても安心して車検を任せられるか判断しにくいため、業者の口コミや評判は必ず事前にチェックするべきです。信頼できる業者に車検を依頼して、トラブルを防ぎましょう。
なお、なかには立会い車検を実施してくれる業者もいます。立会い車検とは、整備士と一緒に車の状態を確認しながら受ける車検のことです。その場で整備内容を丁寧に説明してくれるため、安心して車検を受けられます。
サービス
提供されているサービスが、自分に合っているかどうかもチェックしましょう。車検後に提供してもらえるサービスは、以下のように業者ごとに異なります。
- A社:ガソリン割引券や洗車無料券を配布
- B社:車検を受けてから6ヶ月後に無料点検を実施
- C社:車検時に整備した箇所を一定期間保証
あなたのニーズに合ったサービスを提供している業者を選んで、お得に車検を受けましょう。
車検が安い業者の傾向はある?
できることなら車検料金は少しでも抑えたいものですが、実は車検業者の業態によって以下の順番で安くなる傾向があります。業者選びの際に参考にしてみてください。
- 車検専門店
- ガソリンスタンド
- カー用品店
続いて、各業態の特徴も確認しておきましょう。
1:車検専門店
車検専門店とは、車検に関するサービスを主に提供している店舗のことで、車検館や車検のコバックなどが該当します。車検専門店の車検基本料金は、1万円〜3万円程度と業者のなかで最も低く設定されています。
早期予約やWeb予約をすると割引を受けられる場合もあり、より安く車検を受けることが可能です。料金設定もわかりやすく、おおよその車検料金を事前に把握できます。
また、車検専門店はディーラーのように他の整備を兼任する必要がないため、短期間で車検が終わる特徴があります。「1日車検」を実施している店舗もあるので、車を預ける日数を短くしたい人は活用してみましょう。
2:ガソリンスタンド
エネオスやコスモ石油などのガソリンスタンドでも車検を受けられます。ガソリンスタンドの車検基本料金は、1万円〜3万5,000円程度です。
遅い時間まで営業しているケースが多いため、仕事帰りでも車検を受けられます。また、ガソリン代の割引券や洗車機の無料券などがもらえるケースがあり、おトクさも感じられます。
ただし、管理コストや店舗スペースの観点から、代車の貸出を行っていないガソリンスタンドもあります。代車が必要な場合は、事前に問い合わせて確認しておきましょう。
一部の大型旗艦店を除き、敷地内に整備工場を持たない場合が多くあります。その場合、自社、もしくは提携している整備工場で車検を行うため、時間がかかる可能性があります。
3:カー用品店
オートバックスやイエローハットなどのカー用品店でも車検を受けられます。カー用品店の車検基本料金は、1万円~4万5,000円程度です。国家資格を保有した整備士が在籍しているため、安心して車検を依頼できます。
また、店内には車検に対応した部品が揃っており、不適合な場合でもすぐに対応できるメリットがあります。店内に用意されている部品は社外品のため、部品代を抑えることも可能です。
ディーラーほど強くおすすめされることはありませんが、カー用品店でも消耗品や予防整備の案内をされることがあります。自分で判断できない場合は、担当整備士やフロントに相談するのがおすすめです。
車検業者おすすめランキングTOP8
車検業者おすすめランキングは、以下のとおりです。
順位 | 業者 | 特徴 | 日数 | 代車 | 支払い方法 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1位 |
ニコニコ車検
|
車検基本料金が安い 割引・特典あり |
1〜2日程度 | あり ※有料 |
なし | 現金 クレジットカード オートローン |
2位 |
buv.LABO
|
輸入車専門店 ディーラーより低価格 |
1〜3日程度 | あり | ○ | 現金 銀行振込 クレジットカード オートローン |
3位 |
ホリデー車検
|
立会い車検が可能 適切な交換時期をアドバイスしてくれる |
最短60分 | あり ※有料 |
店舗によって異なる | 現金 クレジットカード |
4位 |
オートバックス車検
|
割引適用あり T-POINTが貯まる |
最短1日 | あり ※店舗によっては有料 |
なし | 現金 クレジットカード 電子マネー プリペイドカード 商品券 |
5位 |
ENEOS Dr.DRIVE
|
最寄りのENEOSで車検を受けられる 車検後も定期的に無料点検を実施 |
最短1日 | あり | なし | 現金 クレジットカード |
6位 |
コミっと車検
|
料金設定がわかりやすい ガソリンやカー用品の割引クーポンを配布 |
2〜3日程度 | あり | なし | 現金 クレジットカード |
7位 |
マッハ車検
|
車検作業をリアルタイムで確認できる 徹底的に車の状態を点検 |
最短45分 | あり | 店舗によって異なる | 現金 クレジットカード 電子マネー |
8位 |
車検の速太郎
|
車検基本料金が一律 整備保証あり |
最短45分 | あり | 店舗によって異なる | 現金 クレジットカード |
続いて、各車検予約サイトの特徴を紹介します。
1位:ニコニコ車検
ニコニコ車検は、以下に店舗を構える車検専門店です。
- 東京都
- 神奈川県
- 埼玉県
車種を問わず国産車は「1万1,000円」輸入車の場合は「2万2,000円」と、車検基本料金が低く設定されているため車検料金を抑えられます。
また、法定24ヶ月点検で定められている点検は56項目です。車検基本料金が低く設定されているのにもかかわらず、ニコニコ車検では倍の112項目を実施するため、愛車を徹底的に点検してくれます。
車検後のアフターフォローも以下のように充実しており、満足なサービスを受けられます。
- ガソリン代:2年間1Lあたり5円割引
- 整備保証:2年間
- 6ヶ月点検:無料 ※車検後から半年
- 18ヶ月点検:無料 ※次回車検の半年前
- オイル交換:2年間1,100円
- タイヤローテーション:無料
なお、Webや電話で無料見積をすると、以下の特典を受けることも可能です。
- 車検料金:1,000円割引
- 車検時のオイル交換:無料
ニコニコ車検で車検を依頼する場合は、Webや電話で無料見積をするとよいでしょう。ニコニコ車検は、費用をとにかく抑えたい方や、割引や特典でお得に車検を受けたい方におすすめです。
2位:buv.LABO
buv.LABO(ブーヴラボ)は、輸入車の整備や車検を実施している業者です。輸入車は国産車と異なる仕組みやシステムを持っており、一般の修理工場では対応できないケースもあります。
しかし、buv.LABOは輸入車に特化している業者のため、トラブルの原因をすばやく特定し、適切に整備を行ってくれます。また、整備にかかる中間コストを削減しており、ディーラーより20〜30%程度車検料金を抑えることが可能です。
ディーラーレベルの品質で整備もしてくれるため、安心して車検を依頼できます。buv.LABOは、費用を抑えて輸入車の車検を受けたい方におすすめです。
3位:ホリデー車検
ホリデー車検は、全国に約210店舗展開している車検専門店です。点検中に立会い車検をしてくれるため、整備に対する不安を解消できます。具体的には、リフトに上がっている車を見ながら、部品の消耗具合や適切な交換時期のアドバイスをしてくれます。
たとえば、今回の車検では問題ないものの、溝がすり減っているため「次回はタイヤ交換が必要」といったアドバイスです。アドバイスは顧客に合わせて説明をするため、知識がない方や女性でも安心です。
また、立ち合い車検をもとに部品を交換するかしないかの判断を自分で行います。業者による過剰整備を防げるため、納得して車検を受けることが可能です。交換しなかった箇所は、適切な交換時期を電話やハガキで案内してくれます。
ホリデー車検は、納得して車検を受けたい方におすすめです。
4位:オートバックス車検
オートバックスは、全国に500店舗以上展開している大手のカー用品店です。車検は基本的に1日に終わり、必要があれば代車を借りることも可能です。
また、純正部品ではなく社外部品への交換が可能なため、車検料金を抑えられます。早期予約をしたときやアプリ会員の場合は、割引が適用されることも車検料金を抑えられる理由の一つです。会員ランクに応じて、T-POINTも付与されます。
なお、車検を実施すると、以下の工賃が1年間無料になる「メンテナンスカード」を受け取れます。
- エンジンオイル交換
- オイルフィルター交換
- エアフィルター交換
- ワイパー交換
本来は、発行するのに550円〜1,100円程度の料金が発生するため、お得に車検を受けられます。オートバックス車検は、車検料金を抑えたい方やT-POINTを貯めたい方におすすめです。
5位:ENEOS Dr.DRIVE
ENEOSは、日本で最も店舗数が多いガソリンスタンドであり、敷地内のDr.DRIVEでは車検や整備も実施しています。普段給油で立ち寄っている店舗で受けられるため、車検に対してわずらわしい気持ちを軽減できます。
車検実施後は、6ヶ月ごとに無料安全点検を実施してくれるため、車検後も安心して車に乗れるでしょう。
また、車検は基本的に1日で終わるため、車を預ける日数を減らせます。たとえば、朝に車を預けて夕方には車検が完了するといったイメージです。ただし、車の状態によっては1日で終わらないケースがあることに留意してください。
なお、ENEOS Dr.DRIVEでは国家資格に加えて、高度な技術と知識を持つ整備士が車検を実施します。整備の質が高いうえに、特典や接客にも力を入れているため気持ちよく利用できるでしょう。
ENEOS Dr.DRIVEは、車検を近所で受けたい方や1日で終わらせたい方や方におすすめです。
6位:コミっと車検
コミっと車検は、ガソリンスタンドのコスモ石油が運営しています。アプリやWebで見積から支払まで完結するため、忙しい方でも手軽に車検を受けられます。
アプリは会員登録不要なうえに、ガソリンの割引やカーケア用品のクーポンを受け取ることも可能です。また、部品代や工賃は車検基本料金に含まれており、料金設定がわかりやすいため車の知識がない方でも安心して車検を依頼できます。
たとえば、エンジンオイルやバッテリー、ブレーキパッドなど車検時によく交換される消耗品の部品代や工賃が含まれています。ただし、一部の部品や作業は有料なため予約時に詳細を確認しましょう。
なお、交換した部品は車検を受けてから6ヶ月、または走行距離が1万キロまで保証が付帯されます。コミっと車検は、料金設定がわかりやすい業者に依頼したい方におすすめです。
7位:マッハ車検
マッハ車検は、全国に約70店舗展開している車検専門店です。法定24ヶ月点検の56項目に加えて、独自の44項目も点検してくれるため、徹底的に車の状態をチェックしてくれます。最低限の点検だけでは不安な方でも、安心して車検を受けられる特徴があります。
また、マッハ車検の大きな特徴は、対話型フロントシステム「マッハタッチ」を導入している点です。マッハタッチは、モニターで車の点検状況を確認できるほか、整備や交換が必要な箇所は黄色や赤で該当箇所が表示されます。
整備や交換が必要な理由も記載されているため、車に関する知識がない方でも安心です。「いつの間にか部品が交換されていた」ということもないため、車検後のトラブルを防げます。
なお、マッハタッチの導入により最短45分で車検が終わるため、待合室で長時間待つ必要もありません。マッハ車検は、車を徹底的に点検して欲しい方や、リアルタイムで車検の状況を確認したい方におすすめです。
8位:車検の速太郎
車検の速太郎は、全国に140店舗以上展開している車検専門店です。車検基本料金は車種を問わず1万4,300円と、わかりやすい料金設定になっています。ただし、輸入車の場合は1万1,000円プラスになるため、全車種が1万4,300円ではない点に注意が必要です。
また、点検や整備は国家資格を保有する整備士が2名体制で行われます。2名で点検や整備を行うことにより、最短45分で車検が終わるため当日に車を乗って帰れます。
車検時に整備を行った箇所は、6ヶ月または1万キロまで保証されるため、安心して車検を受けることも可能です。車検の速太郎は、短時間で車検を終えたい方におすすめです。
最適な車検業者を手軽に見つける方法
車検予約サイトを使用すれば、あなたに最適な車検業者を手軽に見つけられます。車検業者は全国に多数いるため、1社ずつ確認すると最適な車検業者を見つけるのに、時間や手間がかかります。
一方、車検予約サイトは地域や条件などを絞り込んで検索でき、最適な業者を見つけたらそのまま車検の予約をすることが可能です。たとえば、以下などの条件ごとに業者を検索できる車検予約サイトもあります。
- 土日祝日OK
- 1日車検
- クレジットカード払い可
車検参考価格も記載されているので、各業者の車検費用を手軽に比較できる特徴もあります。車検予約サイトを活用して、スムーズに車検を受けましょう。
おすすめの車検予約サイト
おすすめの車検予約サイトは、以下のとおりです。
- 楽天Car車検
- EPARK車検
上記は地域ごとに車検業者を検索できる点は同じものの、それぞれ違った特徴があります。続いて、各車検予約サイトの特徴を紹介します。
楽天Car車検
楽天Car車検は、楽天グループが運営している車検予約サイトです。掲載店舗数は5,600店舗以上あり、オートバックスやエネオス、車検のコバックなど業界大手の業者も掲載されています。各店舗の口コミも掲載されているため、多くのユーザーの声を参考に車検業者を見つけることが可能です。
また、検索時には各業者ごとの参考車検価格が記載されています。費用を問い合わせる必要がないうえ、各業者の料金を手軽に比較できる特徴があります。
なお、楽天Car車検経由で事前見積と車検を実施すると、500Pの楽天ポイントを受け取ることが可能です。店舗によっては2,000P以上受け取れるため、楽天ポイントを貯めたい方は、該当の業者に依頼しましょう。
楽天Car車検は、自分に合った業者を手軽に見つけたい場合や、楽天ポイントを貯めたい方におすすめです。
EPARK車検
EPARK車検は楽天Car車検と同様に、業界大手の業者や参考車検価格が記載されています。「国家資格を保有した整備士が在籍している業者」に限定して掲載しているため、安心して予約することが可能です。
また、EPARKに掲載されているすべての業者は、法定24ヶ月点検も実施しています。法定24ヶ月点検とは、エンジンやブレーキなどそれぞれ決められた56項目の検査を行うことです。
保安基準に適合しているかどうか検査をする車検と内容が異なるため、車のコンディションを良好に保てます。なお、EPARK車検では以下の割引クーポンが発行されており、車検基本料金も抑えられます。
- 超お宝クーポン:50%以上割引
- お宝クーポン:10〜49%割引
EPARK車検は、安心して依頼できる業者を手軽に見つけたい方におすすめです。
車検の流れ
車検は以下4ステップで完了します。
- 業者を決める
- 予約
- 入庫
- 引き渡し
流れを事前に把握して、スムーズに車検を受けられるようにしましょう。続いて、各ステップの詳細と注意点を説明します。
1.業者を決める
まずは、依頼する業者を決めます。整備の内容や料金設定が異なるため、十分に比較したうえで自分に合った業者に依頼しましょう。
また、ほとんどの業者は車検の事前見積を実施しています。事前見積は、車を業者に持ち込んで交換が必要な箇所をチェックします。
実際にかかる金額を事前に把握できるほか、必要な部品をあらかじめ発注しておけるため、車検日数を減らすことが可能です。時間に余裕がある場合は、事前見積をするとよいでしょう。
2.予約
業者を決めたら、電話やWebなどで車検の予約をします。ほとんどの業者は予約必須で、飛び込みで車を持ち込んでも断られてしまうので注意しましょう。
また、3月はほとんどの自動車販売店で決算を実施しており、車の登録台数が最も多い時期です。そのため、3月は車検対象車両が多く、整備工場でも混雑が予想されます。混雑を避けるためにも、なるべく早く車検の予約をしましょう。
なお、車検は車検満了日の1ヶ月前から受けられます。たとえば、車検満了日が2024年3月25日の場合、2月25日以降から車検を受けることが可能です。車検満了月が3月の場合は、2月に前倒しで受けることをおすすめします。
3.入庫
車検の予約が完了したら、必要書類を持参して指定された日に車を持ち込みます。受付を済ませたら、ETCカードや車内の貴重品を取り出して業者に車を預けます。
車検は基本的に1〜3日程度かかるものの、業者によっては待合室で待ったり用事を済ませている間に終わるケースもあるため、事前に車検日数を確認しておきましょう。
車検が数日かかる場合は、帰るまでの足や通勤時の移動手段を確保しておかなければなりません。業者によっては代車を無料貸し出しているケースがあるので、事前に問い合わせておきましょう。
4.引き渡し
車検が完了したら、車を引き渡してもらいます。引き渡し時に車検料金の支払いが発生するので、精算方法を事前に確認しておきましょう。
業者によっては、クレジットカードで車検料金を支払えるケースがあります。ただし、自動車重量税や自賠責保険などの法定費用は現金での支払いが一般的です。車検料金の全額をクレジットカードで支払えるわけではないため、注意しましょう。
また、引き渡し時は整備内容の説明のほかに、メンテナンスのアドバイスをしてくれる業者があります。車のメンテナンスについて不明点や不安がある場合は、ついでに相談してみるとよいでしょう。
なお、更新後の車検証や車検ステッカーは、後日郵送されるケースがあります。郵送の場合は、車検証を車検証入れに保管し、指定の場所に車検ステッカーを貼り付けるのを忘れないようにしましょう。
車検時に必要なもの
車検時に必要なものは以下のとおりです。
- 車検証
- 自賠責保険証明書
- 自動車税納税証明書
- 認印
車検証と自賠責保険証明書は、車内に保管されているケースがほとんどです。紛失している場合は、以下で再発行手続きを行う必要があるため、事前に確認しておきましょう。
- 車検証:運輸支局または軽自動車検査協会
- 自賠責保険証明書:加入している保険会社の窓口
また、自動車税納税証明書は直近のもの1枚で問題ありません。たとえば、2024年3月に車検を受ける場合は、前年度の2023年5月に支払った納税証明書が必要です。直近で納税した分の納税証明書を用意して、業者に提出しましょう。
平成27年4月から納付確認が電子化されました。そのため、間違いなく納税していれば、納税証明書の提出は不要です。ただし、納税していないと新しい車検証の発行ができないため、証明書の提出を求める業者も一部存在します。
車検を受ける際の注意点
車検を受ける際は、基本的に業者の案内に従えば問題はありません。しかし、注意点を事前に把握していないと、スムーズに車検を受けられない可能性があります。
以下の注意点を事前に把握して、スムーズに車検を受けましょう。
- 自動車税を納税していないと車検を受けられない
- 早く受けすぎると損をする
- 代車を借りられないケースもある
続いて、車検を受ける際の注意点を紹介します。
自動車税を納税していないと車検を受けられない
自動車税を納税していないと、車検を受けられないため注意しましょう。自動車税は4月1日時点の所有者に課せられる税金であり、毎年5月31日までに納税する必要があります。
納税しないと運輸支局で車検証の更新手続きを受け付けてもらえません。
また、自治体によっては納税確認を電子的に行えるため、自動車税納税証明書が不要なケースもありますが、自動車税納税証明書が不要だからとはいって納税しなくてもよいわけではありません。車検を受けるには自動車税を納税していることが前提となるので、混同しないよう注意しましょう。
車検を早く受けすぎると損をする
更新を忘れないようにと車検を早く受けすぎると、逆に損をしてしまうので注意しましょう。
車検は、1ヶ月前から満了日までに受けることが一般的です。1ヶ月前から満了日までに車検を受けると、次回の車検満了日は2年後です。
一方、1ヶ月以上前に受けた場合、次回の車検満了日は実施日から2年後になります。つまり、次回の車検までの期間が短くなるため、1ヶ月以上前に受けてしまうと損をします。たとえば、以下のタイミングで車検を受けた場合です。
- 車検満了日:2024年3月25日
- 車検実施日:2024年2月20日
- 次回車検満了日:2026年2月20日
上記の場合、2月25日以降に車検を受ければ損をしません。損をしないためにも、満了日の1ヶ月以上前から車検を受けないようにしましょう。
代車を借りられないケースもある
業者によっては代車を借りられないケースがあるため、車を預けている間の移動手段を考慮する必要があります。
車検は、ほとんどの場合2〜3日程度かかります。仕事や日常生活で車が必要でも車検に預けている間はその車は使えなくなるため、代車を借りなければなりません。車検中も車が必要になる場合は、代車を貸し出している業者に車検を依頼するとよいでしょう。
ただし、代車を貸し出しているとはいえ、確実に借りられるわけではありません。代車の数は限られており、車検当日に希望しても空いていないことがあるため、予約時に空き状況を確認しておきましょう。混雑によりどうしても代車を借りられないようなら、1日車検を実施している業者を検討してみるのもよいでしょう。
まとめ
車検業者はサービス内容や料金設定などが異なるため、自分のニーズに合った業者に依頼する必要があります。たとえば、以下のように選ぶと自分に合った業者に依頼できます。
- 車検料金を抑えたい:車検基本料金を低く設定している業者
- 車を預ける日数を減らしたい:1日車検を実施している業者
- 徹底的に点検して欲しい:点検項目を多く設けている業者
- 安心して車に乗りたい:整備の質に自信がある業者
それぞれの特徴を把握し、自分に合った業者に車検を依頼しましょう。
また、車検業者は全国に多くいるため、さまざまな条件で検索できる車検予約サイトが便利です。なかには口コミや車検料金も掲載されており、手軽に業者を比較できる車検予約サイトもあります。1社ずつ比較する時間がない場合は、車検予約サイトを活用してみてください。