車査定では、車の傷やへこみ、その他さまざまな不具合が発覚するたびに、マイナス評価となってしまいます。
エアコンについても同様です。
10年前に近所の中古車屋に査定してもらったらエアコン壊れてるから2万ですって言われた◯゛ミ。 pic.twitter.com/TFoqgJ490C
— よっしー@ (@A183A_STARION) April 1, 2019
となると、気になるのがエアコンの故障によって減額される金額です。実際はどうなのか、詳しくお伝えしましょう。
この記事の目次
車のエアコンが故障中で最大『4万円前後』減額
エアコンの故障があれば、車査定で大きなマイナスは避けられません。具体的には、軽い故障で1万円前後、動作しないなど大きな故障で4万円前後の減額が予想されます。
エアコンは夏場には絶対に欠かせないものですし、冬場の暖房のためにもやはり必需品と言えるでしょう。
昔はエアコンのない車もありましたが、今の時代、エアコンのない車を選ぶ人はほとんどいないのではないでしょうか。
気候の変動もありますが、それだけ人々の車へのニーズが変わったということです。したがって、エアコンの故障で大きな減額があるのも致し方ありません。
査定基準となるJAAIによるエアコン故障の減点評価
では、なぜエアコンの故障が1~4万円前後の減額となるのでしょうか。それは、JAAI(一般財団法人日本自動車査定協会)の定める査定基準で、そのように決まっているからです。
JAAIからは車査定のハンドブックも出ており、それを見れば、どんな不具合がどのぐらいの減点になるかがわかります。
それによると、エアコンの故障に関しては、ガスチャージの故障が10点減点、エアコン自体の故障が40点減点です。なお、1点あたり1,000円前後の換算となります。
査定評価で”1万円程度”減額のケース
JAAIの査定ブックでは、エアコンの故障でもガスチャージの故障に関しては10点減点、つまり約1万円の減額と定められています。
具体的にはどのようなケースが当てはまるのかを確認しておきましょう。
目次(クリックでスクロール)
査定評価で”1万円程度”減額のケース
【ケース①】エアコンは動くが温度の上昇&下降が遅い
エアコン自体は動作することが前提です。そのうえで、風の出が悪い、もしくは風が冷たくならないなどの症状がある時、ガスチャージに不具合があると推測されます。
カーエアコンは内部の冷却ガスによって空気を冷却する仕組みですので、ガスチャージに故障があると、風は出ても空気は冷たくなりません。
ガスチャージさえ正常なら問題なく動作するため、1万円程度の減額で済む、軽い症状と言えるのです。
【ケース②】風が臭い
エアコンから冷たい風は出るものの、それが臭い場合も減額対象です。
エアコンの風が臭くなる理由にはいくつか考えられますが、対処自体はそう難しいことではありません。
フィルターを交換するだけで解決するケースがほとんどです。フィルターの交換もそれほど難しい作業ではないため、大きな減額とはならないでしょう。
査定評価で”4万円程度”減額のケース
次に、4万円程度の減額となるエアコンの症状を考えましょう。
先ほどの約4倍もの大きな減額ですから、それだけ症状が重く、修理の難易度や費用もアップすることが予想されます。
エアコン自体が動かない
減額が4万円程度になるのは、エアコン自体が動かないという本格的な故障のケースです。スイッチを入れても風が出なければ、致命的だと思ってよいでしょう。
エアコンが動作しない場合、内部のコンプレッサーに問題があると考えられます。コンプレッサーとは、エアコン内部で冷却した空気を循環させるのに必須の部位です。
これを交換するだけでも、工賃に数万円はかかることが予想されます。それゆえ、減額金額も4万円程度は最低見ておいた方がよいでしょう。
エアコン故障中の車は査定前に修理すべきではない
ガスチャージの故障で1万円程度、エアコン自体の故障では4万円程度の減額です。
これだけ減額されるとわかっているなら、事前に修理してから査定してもらった方がよいのではないかと考えたくなります。しかし、その必要はありません。
【パーツ別】エアコンの修理費用一覧表
ガス漏れ・チャージ | 5,000円~30,000円 |
コンプレッサー修理 | 30,000円~50,000円 |
ファン・モーターなどの修理 | 40,000円~60,000円 |
点検費用 | 10,000円~15,000円 |
ポイント
《重要》車買取前にエアコン故障は修理しなくてもいい
上記のパーツ別エアコンの修理費用でもわかるとおり、エアコンの修理にはかなり費用がかかります。
故障して動かないエアコンの場合、それを元通りに動くようにするには、少なくとも10万円の費用が必要でしょう。
それを考えると、マイナス査定になるとわかっているからといって、わざわざ査定前に修理する必要はないことがわかるはずです。
仮に修理費用に10万円かかり、4万円の減額を防ぐことができたとして、結局は差し引き6万円のマイナスになってしまいます。
また、ガス漏れの修理だけだとしても、5千円から3万円はかかります。
しかも、これは車の電装系に強い電機店での値段です。ですので、査定前にエアコンを修理する必要はないと言えます。
注意ポイント
エアコン故障は車買取・下取り時に黙って売却するとどうなる
査定前にわざわざ修理する必要がないとはいえ、1~4万円もの減額は決して無視できる金額ではありません。
それならいっそ「故障を隠したまま査定してもらったらどうか?」と考えたくなるのではないでしょうか。その可否を考えます。
目次(クリックでスクロール)
エアコン故障は車買取・下取り時に黙って売却するとどうなる
《警告》瑕疵担保責任に問われる可能性も
エアコンについて尋ねられなかったために、故障していることを知りながら、それを隠して査定してもらったとしましょう。この場合、査定だけなら問題なく済むこともあります。
車査定だけでは売買契約を交わすことにはなりません。たとえば、自分の愛車の価値を知りたいという理由で、売る気はないけれども査定してもらうようなケースもあるはずです。
この時、エアコンの故障を黙っていても特に問題はありません。しかし、下取りのために売買契約を結ぶのなら、問題は大ありです。
-
旧車王とネクステージは何が違う?おすすめは どっち?2社を徹底比較!
旧車やクラシックカーの買取専門業者である『旧車王』。 古い車を高く売りたい方にとって旧車王は気になる業者ですが、一般的な車買取業者と比べた場合、どのような違いがあるのでしょうか。 車をどこで売るかによ ...
続きを見る
エアコン故障は正直に申告する
損害賠償請求などの大事になってしまっては、わずか1~4万円の減額を回避すためにエアコンの故障を隠すなど、まったく無意味です。
車査定の場合、そのための出張費や人件費、すでに車を引き渡しているのなら陸送費など、さまざまな費用がかかります。
悪質な場合は営業妨害と見なされ、さらに多額の慰謝料を請求されることもあるでしょう。賠償総額は数十万円もの大きな負担になってしまいます。
まとめ
車にとってエアコンは必需品であり、それが故障中では大きな減額は避けられないことがわかりました。
ガスチャージの故障で1万円程度、エアコン自体の故障で4万円程度の減額になると予想されます。
しかし、査定前に修理する必要はありません。修理費用の方が、減額金額よりも大きくなってしまいます。
エアコンの故障がある時は、査定の際にそのことを正直に伝えましょう。
-
査定士が評価する【12ポイント】今すぐプラス査定を狙う3つのコツ!
車の買取価格を決定する車査定ですが、意外と短時間で終了します。「本当にすみずみまでチェックしたのかな?」と思ってしまいそうです。 ところが、査定では押さえるべきポイントがだいたい決まっています。そのた ...
続きを見る