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成功?それとも失敗?復活車名を採用したスープラ、インサイト、エクリプスの命運

クルマの車名は販売にも影響する重要な要素で、イメージチェンジできる新しさを取るか、親しみやすいネームバリューの高さを取るか、メーカーでモデルチェンジや新型車を開発する際にも悩みどころだと思います。

さらには、売り出したい「車名」を冠につければ、新車販売ランキングでシリーズ扱いされて上位へランクインするのに有利という点もアリ。

そういう観点から難しいのが「一度は廃止した車名の復活」ですが、成功例と失敗例からその意義を考えてみます。

復活車名の成功例

実に36年ぶりの車名復活で、コンセプトがガラリ変わっても誰も気にしなかったダイハツ タフト

車名が復活した車のヒット作ですが、いくつかのパターンがあります。

1.そんなクルマあったっけ?からのヒット

ダイハツ タフト、ダイハツ ロッキー、日産 キックス

現行モデルがヒットしたものの、昔も同じ名前で売っていた車があったなんて、よほどのマニアでもないと知らない例です。

ダイハツのタフトは36年ぶり、同ロッキーは17年ぶりで、いずれもRVブームへ乗れないまま廃止された本格オフローダーであり、日産 キックスは8年ぶりと新しいとはいえ、三菱 パジェロミニのOEM供給を受けた日産軽オフローダーなど、知らない人も多いのでは?

共通しているのはいずれも、「どマイナーSUVが人気SUVの車名として帰ってきた!」という点で、過去の車が名前こそ出てきてもどんな車か、ほとんどの人は知りません。

2.よみがえった名車が満を持してヒット

トヨタ 86(GR86)、トヨタ RAV4、ホンダ ライフ、マツダ キャロル

かつての人気車種から名前をいただいて、あるいは海外で同車名のまま販売していた車が日本で復活というパターンで、おおむね過去の車両から受け継いだコンセプトが時代にマッチしていてヒット、昔の車名もスンナリ受け入れられたパターンです。

ライフのみ過去の軽セダンから軽トールワゴンへ大きく変わったものの、派生車にライフステップバンという軽トールワゴンの元祖的な軽商用車があったため、ギリギリセーフといったところでしょう。

3.約束された復活から、期待通りのヒット

日産 フェアレディZ、日産 GT-R

一旦は廃止されるものの、その時からあらかじめ復活が約束されていたパターンで、日産のR35GT-RはR34スカイラインGT-Rからの独立、Z33フェアレディZはZ32まであった2+2シーター仕様を廃し、2シータークーペへ専念して、どちらもヒットしています。

ほかに両車で共通していたのは、メーカーのブランド戦略を担うのにあまりに重要で、なくすになくせない、仮に一時断絶しても復活を約束しなければ、ファンがただではおかなかった車種だったことです。

似たようなポジションに見えても、シルビアはそこまでの車名でなかった事がわかります。

復活車名の微妙な例

新しいユーザー層をつかんで堅調なトヨタ ハイラックスだが、昔のユーザーからは「これじゃない」という声も

復活してそれなりの、よくいえば堅調、よくない意味で言えば「こんなもんだっけ?」という結果を残している復活車名には、次のようなパターンがあります。

1.この車はこれでいいんだっけ?

トヨタ スープラ、トヨタ ハイラックス

開発はトヨタ自身とはいえ、BMWの部品で作り、オーストリアのマグナシュタイアで生産する車を「スープラ」と言われて納得するか…かなり微妙です。

少なくとも、70/80スープラや、その前の日本名セリカXX以来なファンにとって、直6エンジンを積んだファストバッククーペなら何でもスープラでいいのか?と複雑な気分であり、ブランド力の維持効果は限定的に見えます。

ハイラックスも、過去のユーザーで同車のコミュニティ出身な筆者の義兄によると、「こんな高価で豪華なハイラックスじゃ、昔のようなカスタムベースになかなかできない」そうで、過去のファンをもう少し大事にした方がいいかもしれません。

2.気合がいまひとつ空回り

ホンダ シビック、スズキ アルトワークス

誇りある歴史と伝統をアピールして復活するも、肝心な過去の姿とは似ても似つかぬものとなってしまい…という意味で、メーカーに空回り感があるのがこの2台です。

シビックは日本での販売末期時点ですでに「愛されるコンパクトカー」としての姿を失い、国内販売が復活するまでに大きくなって、タイプRなどそう簡単に買えない高価な車になってしまいました。

「MTへ乗ろう」と呼びかけたアルトワークスも、盛り上がりに欠かせないライバル不在では独り相撲もいいところで、ユーザー層も消失しておりワンメイクレースも不発、、車名復活というより浦島太郎のようで、新型アルトで再び廃止されたのも無理はありません。

3.復活前をどれだけ覚えているか…

三菱 エクリプスクロス、ホンダ バモス

車名復活でエクリプスクロスは苦戦しつつもクリーンディーゼルを思い切って廃止、PHEVに切り替えたことで堅調なセールスへ移行し、バモスはN-BOX登場までホンダに売れる軽スーパーハイトワゴン不在な事もあり、重要な役目を堅実に果たしました。

問題はかつて三菱にエクリプスというアメリカ製スポーツクーペが、ホンダにバモスという遊び心満載な軽オープントラックがあった事を、どれだけ覚えている人がいるか…という事です。

それゆえ全くコンセプトの異なる車へ復活した車名をつけられましたが、あまりに過去とかけ離れすぎ、車名復活の意味はあまりありません。

復活車名の失敗例

かつてあらゆるモータースポーツで活躍した面影は全く感じさせない、三菱 ミラージュ

車名を復活させたものの、明らかな失敗例としては、以下に典型的な例を紹介します。

1.明らかに名前倒れ

ホンダ Z、三菱 ミラージュ

「水中メガネ」と呼ばれるリアウィンドウが特徴的だった、1970年代の軽スペシャリティ、ホンダ Zは1998年にアンダーフロアミッドシップのSUV(というより、アクティ系4WDに大径タイヤとボンネットを与えた車)へ。

モータースポーツのあらゆるステージで大活躍した傑作スポーツコンパクト、三菱 ミラージュは2012年にタイ製低価格コンパクトカーへ。

両車とも、かつての傑作からすれば見る影もない凡作としてユーザーからの評価は厳しく、Zは1代限り、ミラージュもお先真っ暗で、過去の名前を復活させるに相応しい車とはとても言えません。

2.車名もコンセプトも迷走

ホンダ インサイト、スズキ セルボ

インサイトは初代がコンパクトなファストバッククーペ、2代目小型セダン、3代目ミドルクラスセダンと復活のたび大きくなり、常にハイブリッド専用車として評価されたものの販売は芳しくなく、現高の3代目も来年で廃止されます。

セルボは2000年代に復活するも、軽スペシャリティなのかトールワゴンなのかハッキリしないコロンとしたデザイン。

いずれも断絶を挟んで代を重ねるたびコンセプトがコロっと変わるうえに、元の車を忘れた頃に復活するわけでもないため、その車名を与える必要性が疑問でした。

記憶に新しいかどうかで、車名復活の是非は決まる

まとめると、「復活前からせいぜい10年程度か、名車として記憶に残る場合はコンセプトを変えなければ成功」、「既に復活前から15年以上経つか、超マイナー車で誰も覚えていなければ、コンセプトを変えても完成度さえ高ければ成功」です。

車名復活の結果が微妙か、明らかに失敗ば場合はその逆を行ってしまうことが多く、特に「なんでその車にその名前を復活させてまで与えてしまったの?」という場合は、ほとんど失敗すると思って間違いありません。

大抵はデビュー時点で、「ああ、こりゃマズイ」と思ったイメージのまま没落していくため、メーカーとしても発売前、特に過去の車名を復活させる場合は入念なリサーチをするべきでしょう。

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...
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