MOBY(モビー)自動車はおもしろい!

MOBY[モビー] > ニュース > MaaSを日本で実現するには?課題と今後について
ニュース

更新

MaaSを日本で実現するには?課題と今後について

近代的な交差点
©chesky/stock.adobe.com

あなたはもし「MaaS」が日本で実現したならば、どう利用したいですか?MaaSとは「モビリティ・アズ・ア・サービス」の略称で、電車やタクシーなど自家用車以外の 交通手段による移動を一つのサービスにまとめた新しいシステムです。

MaaSが実現した場合、スマートフォン一台を持ち歩いてアプリを利用すれば手軽に移動ができるようになるとされています。アプリで交通手段やルート検索、運賃の支払いがまとめて可能となるシステムを作れるからです。

既に、フィンランドやドイツ、イギリスでは民間企業や公共団体の手により、MaaSの成功事例が存在します。日本でも、民間企業や各地自治体にてMaaSの構築が検討され、実験が始まっているのです。

今回は、日本でMaaSを実現するために必要な課題を紹介し、今後の展望もお伝えします。近い将来にやってくるMaaSの現状について知り、理解を深めましょう。

MaaS実現に必要な課題

自転車の道路標識
©rcfotostock/stock.adobe.com

日本でMaaSを実現するにあたって必要な課題を挙げてみました。現在、国土交通省ではMaaSの普及に向けた課題について検討されています。

  • 事業者間でのデータ連携の課題
  • 運賃料金の設定の課題
  • 地域特性を生かした街づくりとインフラ整備の課題

(参照元)国土交通省「MaaSの普及に向けた課題等について

運用する交通事業者が連携して顧客データを共有して、地域の特性を反映したインフラ整備に取り組まなければなりません。また、アプリの支払いを一括でできるようにするための工夫、運賃の設定を柔軟にできるよう取り組む必要があるのです。

引き続き、各課題をより詳しく紹介します。MaaSの実現に必要なポイントを考えてみましょう。

事業者間でのデータ連携の課題

オーストラリアシドニーのハーバーブリッジから見た風景
©Yuki/stock.adobe.com

MaaSを実現するには、交通事業者の間で利用者の行動データや事業者が利用者に提供するデータの共有化が求められています。

  • オープンデータ化の推進
  • データ形式、API仕様の標準化の推進
  • 情報を網羅したデータプラットフォームの実現
  • 災害時情報などデータの適切な提供

(参照元)国土交通省「日本版MaaSの実現に向けて

MaaSを実現するにあたって「オープンデータ」化を進める必要があります。利用者の利便性を高めるサービスとして成立していく必要があるからです。今までは個々の交通事業者がそれぞれで情報を提供。「多言語の対応」「移動制約者の対応」など利用者のニーズに応えられない部分が存在していました。

オープンデータ化によって、複数の交通機関を連動させた情報の提供が可能です。災害や生活、観光などの交通以外の情報と連携させ、利用者の利便性を向上させるサービスを作り出せるとされています。

しかし、オープンデータ化にはリスクも。データ構築の手間や運営方法、利用者の情報不正利用の監視に伴うコストがかかります。交通機関についての情報提供は交通事業者が担当すべきなどの考え方があるのです。

データプラットフォームによりデータを集約させることで、交通事業者間での情報共有が容易に。交通事業者のコストを軽減させるメリットにつながる可能性があるのです。

運賃料金の設定の課題

携帯電話で支払いをする女性
©Carlo/stock.adobe.com

運賃や利用料金を柔軟化できるシステムの形成が求められます。

  • タクシーの事前確定運賃システムの導入
  • サブスクリプションの導入
  • ダイナミックプライシングの導入

(参照元1)国土交通省「タクシーの事前確定運賃サービスがスタートします

(参照元2)国土交通省「MaaSの普及に向けた課題等について

タクシーの「事前確定運賃」システムの導入が求められています。システムの導入により、利用者がタクシー運賃に対する不安を解消する狙いがあるのです。

「事前確定運賃」は、配車アプリで指定した乗り降り場所により、地図上の走行距離と推計所要時間を踏まえてタクシー運賃を事前に算出できるシステム。国土交通省は、2019年10月25日付で事前確定運賃サービスを開始しています。東京や横浜、名古屋、大阪で事前確定運賃のシステムが運用されているのです。

「サブスクリプション」「ダイナミックプライシング」の導入が検討されています。サブスクリプションは、フィンランドの民間企業「MaaS Global」が開発したMaaSアプリ「Whim」で採用され、ヘルシンキで月額料金プランを実用化しているのです。

ダイナミックプライシングは、需要と供給に応じて利用料金を変動させる方法です。新幹線や飛行機では、GWや夏休み、年末年始などの需要に応じて料金が変動する仕組みが採用されています。一方で、生活に関わる鉄道やバスなどでは導入が進んでいません。国土交通省により、運賃や料金の認可制度が「上限認可制」で進められており、運賃を柔軟に変動させるのが難しいからです。

しかし、MaaSの実現に伴い、交通機関と、観光やショッピングなどのサービスをまとめて提供できるならば、ダイナミックプライシングを導入しやすくなるとされています。ショッピングポイントやクーポンの特典により、新しい利用者の確保につながる可能性があるのです。

地域特性を生かした街づくりとインフラ整備の課題

地域特性を生かした街づくりと、インフラ整備を連動させる取り組みが求められます。都市と地方を問わず、高齢者・障害者を含むすべての人々がモビリティサービスを利用できるようにシステムを作る必要があるのです。

  • 都市と交通網形成に見合ったサービス設計
  • 乗り換えのロスと障壁を減らせるか
  • 新しいモビリティサービスの普及が可能な交通インフラの整備

(参照元)国土交通省「一般乗合旅客自動車運送事業の運賃及び料金に関する制度

MaaSにより、交通機関の相互連携によって目的地の移動を簡単にします。加えて、利用者がショッピングや観光を楽しむ、行政サービスを受けやすくなるように価値の向上が求められているのです。「大都市」「地方都市」「観光地」によって様々ですが、目的に応じたインフラ整備により街づくりを活性化させる効果が期待されています。

まとめ

ここまで、日本でMaaSを実現するために必要な課題を紹介してきました。以下、簡単なおさらいをしましょう。

  • オープンデータ化推進による情報共有
  • サブスクリプションなどの料金設定柔軟化
  • 地域の特徴に合わせた交通インフラの整備

MaaSは既に民間企業や日本各地の自治体で、実用化および実証実験が進められています。それぞれ地域の特徴や環境が異なる中で、交通事業者が連携を図り、新しいモビリティサービスの形成に励んでいます。国土交通省は2019年6月に「新モビリティサービス推進事業」として全国で19件の事業を先行モデルとして選定。実証実験の検討が進んでいるようです。

今後各地での実証実験が進むと同時に、さらなる拡大も考えられるでしょう。近い将来、MaaSを身近に体験する機会がやってくるかもしれません。あなたも、MaaSの実現を一緒に考えてみませんか。

この記事の執筆者
MOBY第3編集部

関連キーワード