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「スバリスト」は良く聞くけど…「鈴菌」は?他のメーカーファンに愛称はある?

左右対称バランスの水平対向エンジンとシンメトリカル4WD、優れた衝突安全技術や予防安全技術、あるいはかつて生産していた軽自動車のメカニズム、オリジナリティあふれる車づくりをしてきたスバルには、「スバリスト」と呼ばれる熱いファンがいます。

日本には他にも多くの自動車メーカーがあり、スバル車よりよほど売れている車ばかりなのにも関わらず、熱烈なファンに愛称がつくほどのメーカーはスバルだけなのでしょうか?

他メーカーのファンには、「スバリスト」に匹敵する愛称はある?

初代アルトワークスRS-X

スバル車をこよなく愛するファンは、いつしか「スバリスト」と呼ばれるようになりましたが、他メーカーのファンにも同種の愛称はあるのでしょうか?

単なる自動車マニアから、チューニングショップやパーツメーカーの関係者まで、自動車に長く関わる人たちに、「スバリストと同様の、特定のメーカーファンを指す愛称を聞いた事がありますか?」と質問してみました。

その結果、一番多かったのが「鈴菌(スズキのファン)」。次いでレース関係者からは「ティフォシ(フェラーリF1チームの熱狂的ファン)」、外国車関連からは「アルフィスタ(アルファロメオのファン)」という回答でした。

アルファロメオ ジュリア スプリントGTA

アルフィスタはイタ車乗りには定番の呼び方ですが、国産車では「強いて言えば鈴菌くらい」で、あとは「◯◯党」(トヨタ党、日産党)、「◯◯乗り」(ホンダ乗り)など、メーカー特有の愛称とは言えない呼び方があるくらいです。

どちらかといえば、メーカーというより特定の車種を指し、「◯◯使い」「◯◯乗り」という方が多いのは、車種ラインナップの多さゆえでしょう。

スバルの場合、普通車/小型車にせよ軽自動車にせよ、RVブームやSUVブーム以前はレオーネとレックスとサンバーくらいしかなかった時期もあるほど極端に車種が少なく、「◯◯使い」という呼び方をする必要が無かったのかもしれません。

「スバリスト」を生んだ、スバルのオリジナリティ

出典:flickr.com Author:Bill Abbott CC BY 2.0

株式会社SUBARU(スバル)、2017年4月まで富士重工業株式会社という社名だったこのメーカーは、戦前に設立され、陸海軍の軍用機メーカーとして三菱と並ぶ名門だった「中島飛行機」を始祖としています。

一式戦闘機「隼」や四式戦闘機「疾風」といった中島時代の名機、そして戦後の民需転換、占領軍による財閥解体といった混乱を経て、散り散りになっていた各部門が再結集して、富士重工を設立(一部はプリンスを経て現在の日産の一部になるなど、別会社)。

飛行機やロケットなど航空宇宙部門など、中島時代を思わせる事業も再開しつつ自動車産業へも参入し、2輪スクーター「ラビット」や、軽4輪の名車「スバル360」をヒットさせたのも、かつて名門航空機メーカーだった名残である技術をフル活用した結果です。

スバル1000 2ドアセダン

そして1966年、トヨタからカローラ、日産からサニーの初代モデルが登場し、「マイカー元年」と呼ばれたこの年に初の本格小型乗用車「スバル1000」を発売。

他の国産車メーカーが外国車やオートバイ、オート三輪用を元に発展させたエンジンを積む中、独自の水平対向4気筒エンジンを開発したFF車のスバル1000から始める事で、スバル車は日本車の中でも異色の自動車メーカーとして突き進みます。

フロントに縦置きしたエンジンとミッションへ後輪駆動機構を追加した、国産初、世界でもまだ稀だった4WD乗用車(レオーネ4WD)を開発すると、「水平対向エンジン+4WD」はスバルの代名詞へ。

レオーネ 4WD エステートバン

垢抜けない内外装デザインや、進化が難しかった初期の水平対向エンジン、まだ悪路走破性一辺倒だったパートタイム4WDがメインだった事もあり、決して広く一般ウケはしませんでしたが、スバル車に惚れ込むユーザーは少しずつ増えていきます。

1980年代には、メカニズムの旧態化で進化の限界に達し、主要市場の北米での不振で自動車メーカーとしての存続を危ぶまれた時期もありましたが、心機一転、完全新開発した新世代車のレガシィやインプレッサが大成功。

初代レガシィツーリングワゴンGT

直列4気筒エンジンや4輪独立懸架といった高品質な軽自動車と併せ、1990年代には「他の国産車メーカーとは一味違う、プレミアムブランド”スバル”」としての地位を確立しました。

WRC(世界ラリー選手権)やレースでの活躍により証明された高性能、年々高まる品質、2000年代以降は衝突安全技術や、運転支援システム「アイサイト」による予防安全技術によって、「安全性が高いスバル」としても、高い評価を受けます。

©STI

もちろん、オリジナリティ性の高さは高コスト体質と引き換えに得たものであり、2012年には不採算部門だった軽自動車の独自生産を終了。

燃費の悪さを敬遠されがちで、他に効率の高いパワーユニットを開発・生産する能力に欠けるがゆえに残った水平対向エンジンも、EV(電気自動車)化で消えゆく運命。

となれば、将来的なスバルのオリジナリティは、経験が深い4WDシステムと安全技術のみで、決して今後も安泰な自動車メーカーではありませんが、そうした非効率で不確実な「はかなさ」すらも、熱心な「スバリスト」を生み出す要因かもしれません。

今後も「スバリスト」は生き残れるか?

運転支援システム「アイサイトX」を搭載する最新モデル、2代目スバル WRX S4

国産車メーカー随一を誇る熱烈なメーカーファンを抱えるスバルですが、今後は残念ながら、「スバリストが愛したスバルの血」が、少しずつ薄まっていくのは避けられません。

まず2030年代半ばには純ガソリンエンジン車の新車販売が終わってしまうこと、そして他社と異なりハイブリッドなど低燃費車種が乏しいスバルでは、「CAFE」と呼ばれるメーカー総量燃費規制をクリアできない、昔ながらのハイパワーな水平対向ターボではもうやっていけません。

今後は水平対向エンジンのハイパフォーマンスモデルが残るとしても、燃費とのバランスを取って高回転志向や最高出力を控えめにしたり、トヨタから供給されるTHS(トヨタハイブリッドシステム)なしでは存続不可能といえます。

スバルがトヨタと共同開発した電動SUV「ソルテラ」

EVはトヨタとの共同開発になり、自慢の「アイサイト」もスバル単独での開発継続は困難。少なくとも完全自動運転の時代まで生き残れる技術ではありません。

おそらく10~20年後のスバル車は、「伝統の4WD技術と安全性能」をEV時代でも売りにした、今より限定的な意味でのプレミアムブランドとしてのみ、存続可能になるのではと思われます。

それでも、過去を懐かしむユーザーを中心に熱心なスバリストは残るはずですが、その心の拠り所をスバルの新型車へ求めるのは、次第に難しくなっていきそうです。

スバルが新型EV「ソルテラ」を世界初公開

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執筆者プロフィール
兵藤 忠彦
兵藤 忠彦
1974年栃木県出身、走り屋上がりで全日本ジムカーナにもスポット参戦(5位入賞が最高)。自動車人では珍しいダイハツ派で、リーザTR-ZZやストーリアX4を経て現愛車は1989年式リーザ ケンドーンS。2015年よりライタ...
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