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中国からの刺客!?日本の軽自動車を脅かす【40万円中国製EV】の正体とは
レアメタルや半導体需要が高まり、近年では中国なしにバッテリー事業、半導体事業を語ることができません。それらの部品を多数利用する電気自動車も同様です。
高い生産力を誇る中国が作る電気自動車は近年増加しており、売上トップ20社のうち7社は中国メーカーという調査結果もあります。
この辺りの報道が大きく報じられないことが、日本がガラパゴスと世界から揶揄される所以かもしれません。
そんな中、中国で大きく販売台数を伸ばしている「40万円で購入出来るEV」が話題になっています。今回はその気になる電気自動車の詳細についてお伝えします。
40万円EV【宏光MINI EV】とは

宏光MINI EVを販売する「上汽GM五菱汽車」は、中国広西チワン族自治区に本拠地を置く「GM(ゼネラルモーターズ)」「上海汽車」「広西汽車集団(旧:五菱集団)」の3社による合弁会社となっています。
2009年には年間売上台数100万台を初めて突破した中国メーカーとなり、2012年まで販売台数は変わらず推移するなど安定した業績を残しています。

出典:上汽通用五菱車HP
宏光MINI EVは、そんな中国の大手というべき自動車メーカーが作った「小型EVモデル」。
サイズは、三菱自動車が生産終了を決定した「i-Mive」より少し小さい、全幅1.49m、全長2.91mで、とてもコンパクトです。
40万円下位グレードでも航続距離は120km!
法律の違いもありますが、ベンチャー企業が群雄割拠の中国においても驚異的な安さを誇っています。例えば、宏光MINI EVのエアコン無しなどとした、2万8800元(約46万円)で、120kmの走行が可能。
搭載電池量を拡大した、170km走行可能なモデルは、3万8800元(約62万円)となっています。
三菱i-MiEVとの比較でその凄さが分かる

日本の量産型小型EV唯一の存在といえた、三菱 i-MiEVですが、残念ながら2021年3月に生産終了が発表されました。
そんな国産唯一である軽自動車EVのi-MIEVと、今回の宏光MINI EVを比較してみます。両者のスペックは以下のとおりです。
宏光MINI EV | 三菱 i-MiEV | |
---|---|---|
電気容量 | 9.3kWh(13.9kWh) | 16kWh |
モーターパワー | 20kWh(約27馬力) | 47kWh(約64馬力) |
トルク | 85N/m | 180N/m |
航続距離 | 120km(170km) | 160km |
価格 | 約46万円~ | 約300万円~ |
宏光MINI EVに関しては、論理計算距離で実走行は100km前後となっているようです。
価格は三菱 i-MiEVの10分の1程度
とはいえ新車で300万円したi-MIEVと比較すれば価格はその1/10程度で、近所のちょい乗りが可能になる乗り物を買うことができます。
モーターの出力やトルクに関しては、正直軽自動車規格よりはるかに低くなっていますが、価格を考えれば我慢できるのではないでしょうか。
20kWという最高出力がどれくらいかというと、電動バイクで大型自動2輪車に分かれる基準となっています。およそ400ccといった排気量と紐づけるのが良いイメージといえます。
性能さえ目をつむれば、価格は圧倒的です。
日本車は大丈夫?自動車業界はますますEV化が進む

自動車工業会の会長の発言もあるように、自動車業界は脱ガソリン化を目指していますので、EV化の波は進むと考えられます。とはいえ、それを進めるための問題を解決するために乗り越えなければならない問題は多数残されています。
例えば、電力の問題、バッテリー性能の問題、材料調達の国際的な問題など、車業界だけにとどまりません。総合的に考えれば、かなり難しい状況ではありますが、少しづつでも進めていくと考えられています。
そんな中、既に話題となっている海外のEVやEV化が進む背景を紹介します。
クラシックなEV

世界には、ちょっとアイコニックな電気自動車は沢山作られています。特にベンチャー企業による参入が多くあります。
そのひとつが、アメリカ・カルフォルニア州にあるアルファモーターで、エースクーペは特に、70年代ごろのアルファロメロジュリアのようなデザインをうまくオマージュした、クラシカルな雰囲気を漂わせています。
近未来デザインのEV

先のアルファモーターとは違う別のアプテラモーターズでは、社名を冠した「アプテラ」というソーラーEV車を販売しています。
車輪を3輪にしボディもかなり空力を意識し、ドラッグ(空気の剥離)を少なくするデザインになっています。
背景には騒音規制も!?

電動化が進む背景のひとつに騒音問題があると考えられています。
燃料電池化するにせよ、バッテリー化するにせよ、その電気を基にモーターで走行を行うようにすれば、エンジンより音が静かで、規制をクリアしやすくなるといわれています。
また、今後の改正ではタイヤの走行ノイズも視野に入るとされ、内燃機だけでなく、タイヤメーカーや道路の素材も無視できないものになってくるのではないでしょうか。
まとめ

調達可能な材料の問題やそれにかかる費用など、日本はEVにおいてはあまり優位な立場にあるとはいえません。
自動車技術という観点で見れば、日本の自動車には世界と対等に渡り合える技術があるのに、とても惜しいことと考えられます。材料が少ないゆえに研究がなかなか進まないのが日本の現実です。
国際社会と足並みを揃えようと、国が主導し脱ガソリン社会に舵を切った政策を打ち出した限りは、今まで以上に費用面でのサポートを充実させることも必須になってくるのではないでしょうか。
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- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...