MOBY(モビー)自動車はおもしろい!

MOBY[モビー] > モータースポーツ > ジムカーナとは?競技内容とドライビングテクニックを解説
モータースポーツ

更新

ジムカーナとは?競技内容とドライビングテクニックを解説

ジムカーナとは?

ジムカーナ競技のコース
©Artur Shevel/stock.adobe.com

ジムカーナとは、速さを競う自動車レース競技のうちの1つです。

ジムカーナの競技スタイルは、主にタイムアタック(複数台で順位を競うのではなく、あくまで早いタイムを競う)になります。

トップから1秒以内に10台がひしめき合うということもザラにあり、ちょっとした判断の遅れ、ミスともいえないミスがその差になり、追い抜きやサイドバイサイドの派手で分かりやすいバトルとは一線を隔す「玄人志向」な競技ともいえます。

ジムカーナの代表的なコースは?

コースは、主にパイロンで作られます。
というのも、ミニサーキットのコース内にパイロンを置いて、コースの中を複雑に走る場合もあるので、主にという説明の仕方になります。

とにかく、場所さえあれば自由自在にコースをレイアウトすることができ、そのレイアウトで多彩なコーナーが出現してきます。この決まったコースを誰が1番速く走れるかというのがジムカーナという競技の全貌です。

ジムカーナの代表的なコーナーの例としては、スラローム、8の字ターン、フリーターンが有名ではないでしょうか。

アクセルとステアリングを絶妙なリズム感覚で操作するスラローム、スピンターンをするか、グリップで走るかで車の特徴が出る8の字ターン、いかに素早く180度向きを変え加速するか競うフリーターン、それぞれに別々の速く走る技術が要求されます。

また、直線部分が少なく、ハンドルがどちらかに切れている状態が長いのもジムカーナの特徴です。

ジムカーナの魅力とは

スポーツ走行の攻略の基本はどんな競技も一緒ですが、加速させる、減速させる、旋回させる、いずれをとってもタイヤを上手に使うというキーポイントがあります。

ストップアンドゴーの多いジムカーナでは、その基本を強く意識する機会が多く、走行ラインの組み立てもサーキットより、圧倒的に短い距離感で次の準備をしなければならないし、駆動方式による速いラインの違い、ギアのつながり、旋回しながらのブレーキングなど、短い時間の間にレーシングテクニックが凝縮された競技の1つです。

タイムアタックという特性上、相手が見えず体内時計のストップウォッチを感じるときのプレッシャーは、相手が見えているとき以上に強く感じます。

そのなか、パイロン1m以内で文字通りパイロンをなめるようにスピンターンをしたり、パイロンギリギリをスラロームで走り抜けたり、走行する組み立ての難しさ、といった部分がジムカーナの奥深さであり、醍醐味で玄人志向たる所以でしょう。

ジムカーナ車両ってどんなもの

レーシングカーの後方タイヤ
©fabioderby/stock.adobe.com

ストレートがほとんどなく、ターンの多いジムカーナに求められる性能は、異様なまでの加速性能やレスポンスであり、どんな操作にもクイックに動くような車両が作られます。

クイックな動きを実現するために、ジムカーナの車両では他のレースよりも特徴的に作られている部品があります。

それがタイヤです。
Sタイヤと呼ばれる競技用タイヤでは、大きく3種類にゴムの硬さが分けられ、短距離レース向きのソフトコンパウンド、耐久レース向きのハードコンパウンド、そして超グリップのGコンパウンドがあります。

多くのタイヤでは、グリップ力と寿命は反比例するので、競技にマッチしたタイヤ選択が重要になり、車を素早く動かすためにタイヤのグリップがいかに重要かよく分かります。

ちなみに、Sタイヤはラジアル構造をしていますので、一般的に装着されているタイヤとその構成は一緒です。大きな違いは市販のエコタイヤのトレッドウエア(表面ゴムの硬さの数値)が600前後なのに対し、80や120といった柔らかいゴムになっています。

タイヤのグリップは摩擦の大きさから生まれるものなので、強大なグリップ力を発揮します。その代償として、柔らかいゴムが、やすりのような路面と摩擦することで、摩耗が大きく、タイヤの寿命が短くなります。

ジムカーナは1分前後のタイムを競う場合が多く、1回ずつ1日数回のアタックを行います。その競技の特性上、タイヤの寿命は考えなくても良いということになります。
したがって、比較的グリップ力が高いタイヤを装着した車両が多くなります。

他の部分のセッティングでは、ギアはとにかく加速方向に主眼が置かれます。
そして、ハイグリップタイヤを使い切るために、車重のわりにやや硬めにセットされるサスペンションセッティング、強度が増されたボディー、ロスを減らすためやや高めにセットされたLSDのイニシャルトルクなどがあります。

どのレースでもセッティングに対する考え方は一緒ですが、例えば、フロントキャンバーがきつく、極端な前下がりで小さいターンの侵入を意識した車両や、リア下がりでキャンバーが少なく旋回中から立ち上がりのトラクションを意識したセッティングなど、速く走りたい区間を車両の特性や駆動方式と照らし合わせるアプローチをします。

ジムカーナでは、それが他のレースではあまりしない極端なセッティングがされている部分も車両の特徴です。
とはいえ、どんなレースも車の基本である「走る・曲がる・止まる」を極めたものがレーシングカーになっているという根本の部分は同じ方向を向いています。

実は敷居が低いぞ、ジムカーナ

車から出した手のサイン
©DimaBerlin/stock.adobe.com

レースや競技は敷居が高い理由として、車両にお金がかかる、装備を用意しないといけない、ライセンス、競技の速度域など、気になることが多く尻込みしてしまっている人も多いと思います。

ジムカーナは、サーキットやラリーと異なり、細かいターンが多く1分前後の競技が多いので、速度域も低く、車をコントロールすることを強く意識する競技です。

決まったコースを誰が1番速く走れるかという意味ではジムカーナの解釈は広く、スピンターンや、ちょっとしたドリフトなど、特殊な技術を必要としない敷居が低い競技がJAFでは開催されています。
「オートテスト」と呼ばれるこの競技はほとんどジムカーナで、スラロームや360度ターンの他にガレージと呼ばれる車庫入れなどもあり、そのタイムを競います。

したがってジムカーナでは、特別なサーキットライセンスなどは不要で、自動車運転免許を持っている方、普段の街乗り車でエントリーできる、ヘルメットやレーシンググローブも不要、同乗走行可能など、とにかく気軽にエントリーできる仕組みを採用するオートテストは非常におすすめの競技でもあります。

ジムカーナやサーキットレースと異なる点は、ガレージと呼ばれる車庫入れ区間があり、バックで走る区間が存在することです。
警察の交通機動隊で行う運転技術競技会があるのですが、それを一般人でもできるようなレベルまで下げた競技会ともいえます。

オートテストでは、運転の正確性をジムカーナ以上に重視した競技を目指しており、車庫入れが苦手とか、狭い道路とかがものすごく怖い、といったことを克服するためのドラテクを磨く場として期待できます。

ジムカーナでのドライビングテクニック

シフトレバーを握る手
©alexkich/stock.adobe.com

ドラテク(ドライビングテクニック)とは、直訳すれば運転技術ということであり、サーキットを速く走るための技術もドラテクだし、ドライブで同乗者が不安にならない運転というのもドラテクです。

ここではジムカーナで多様されるドライビング技術を少しだけ紹介します。

ヒールアンドトゥ

タコメーター
©MP_P/stock.adobe.com

シフトダウン時に行うヒールアンドトゥやブリッピングは、スムーズにギアチェンジするための手段です。

ブリッピングは、クラッチを切っているときにアクセルをあおり、回転を上げギアをつなぐ技術です。AT車でアクセルをグンと踏んだときのキックダウンがこれに相当します。

例えば、4速1,500rpm、40km/hで走行中に、3速にシフトチェンジしたい場合で考えると、3速2,000rpm、40km/hの出るギア比であれば、4速→3速にするときに+500rpmをブリッピングで調整してあげることになります。
そうすることで、回転が合っていないときに出るギクシャクした動きがなく、スムーズにギアを変えることができるわけです。

このシフトチェンジ時のギクシャクした動きは、車の姿勢が乱れる原因で、シフトロックと呼ばれる状態になり、スピンをしてしまったりする場合もあります。

そして、このブリッピングにブレーキを踏むという減速操作が加わると、ヒールアンドトゥになるのですが、ペダルが3つ(クラッチ、ブレーキ、アクセル)あるのに、足は2本しかありません。したがって、仕方なく右足のつま先とかかとでブレーキとアクセルを踏まなければならなくなります。

なぜ、そんな状況でシフトダウンするかというと、厳密に言えば侵入するコーナーの曲率に合わせ、適切なギアと速度に合わせるためとなりますが、簡単に理解するのであれば、エンジンブレーキを強く使いたいという一言につきます。
エンジンブレーキを利用する理由は、できるだけ短い距離と時間で目標の速度まで減速できる可能性があるからです。

したがって、レースにおいて短い距離で減速できるのであれば、その直線区間はアクセルを踏んでいる距離が長くなります。旋回速度が一緒なのであれば、そういった区間が積み重なり、速いドライバーと普通のドライバーの差になってくるのです。

エンジンブレーキが強くかかることで、フットブレーキ以外に機械的な減速を加えることができ、ブレーキだけに頼った減速と大きな差になるわけですが、一般的にフットブレーキとエンジンブレーキの割合を調整することで、結果的にフットブレーキの消耗を抑えることとなり、ブレーキの負荷を下げ、ペーパーロック現象を回避することができます。

カウンターステア

上空から見たドリフト走行
©Kalyakan/stock.adobe.com

そして、一般ドライバーに勘違いされがちなのがカウンターステアで、逆ハンなどといわれたりしますが、進みたい方向と逆にハンドルを切るなどという人が居ますが、誤解です。
なぜならハンドルは、常に車の進みたい方向に向ける、操作装置だからです。

リアがスライドするドリフト走行などでよくあるカウンターステアですが、理論上はフロントタイヤの走行ラインは、グリップ走行と同じ軌跡をたどります。

例えば、左に曲がるときにグリップ走行では、車の中心線は外向きになっており、中心線より進みたい方向が左にあるため、左にハンドルを切ります。
ドリフト走行ではリアがスライドし、中心線が内側を向くことになります。すると左に曲がる結果になるにせよ、中心線より行きたい方向が途中まで、中心線より右側に存在することになります。

そして、グリップ走行では左に曲がり終わるころにはハンドルを真っすぐにします。ドリフトもカウンターステアを真っすぐに戻していかないと、ハンドルを切っている方向に進んでしまうからです。

ドリフトなんてやらないし、「カウンターステアなんて」という方も多いと思いますが、これは万が一スピンしてしまったときに、ダメージを減らす助けにもなります。
特に、最近のミニバンの横転転覆事故は重心が高いことに加え、車の挙動が分からず無理な操作があるから横転するケースが多いのです。

万が一スピンしてしまったときは、自然とぐるぐる回るハンドル(セルフカウンターステアと呼ばれます)をグッと抑えて、ハンドルを動かないようにすることがまずすべきことです。
そして、アクセルを急に戻さないことも重要です。

急激にアクセルを戻すとエンジンブレーキが発生し、前輪に荷重がかかり、急激にグリップが回復した前輪によって、ハンドルの向いている方向に急激に進みます。(これをコントロールするのが、振り返しと呼ばれるドリフトの技術です)ですので、スピンを止めたい場合はゆっくりアクセルを離し、ゆっくり減速していきましょう。

最終的に制御ができる速度まで、パニックにならずに自然と減速するのを待つというのが、ポイントです。

ジムカーナで運転技術を学ぼう!

運転する女性
©lzf/stock.adobe.com

何となく自動車教習所で習った知識でも車は運転ができます。ただ、今一度認識してほしいのは、車は凶器にもなり得る道具です。

突然の大雨や降雪によるスリップ、周りの車の急な挙動など、想定していないケースは予期せぬタイミングで発生します。

そんなときに車の挙動を抑えるためにどうすれば良いのか。
同乗者にケガを負わすことなく車の挙動をコントロールするためには、いわゆる車の基本である「走る・曲がる・止まる」を自らが理解して運転する必要があります。

車を運転する上でしっかりと学ぶべき知識を学ぶことは、結果として安全運転につながります。
大切な人を乗せるドライバーとして、ジムカーナでドライビングテクニックをさらに磨いてみてはいかがでしょうか。

すべての画像を見る (7枚)

画像ギャラリー

コメント

利用規約

関連する記事

この記事の執筆者
MOBY第3編集部