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外車の維持費はどうして高い?外車の維持費を下げる・安くする方法はあるのか
目次
外車の維持費が高いと言われるのはなぜ?

巷には外車は高いというイメージが存在します。そして、車種の違いによりますが、外車は国産車よりも維持するのに費用がかかりやすいのも事実です。車検の費用は確かに国産車よりも高い傾向にあるといえます。
しかし、外車の維持費が高くなることを理解するには、税金の種類や車検費用の仕組み、そして国産車とは異なる外車の特徴、任意保険の仕組みを知ることが重要になります。
外車も国産車も支払う税金の種類は同じ

外車・国産車に関わらず、課される税金の種類は同じです。5月になれば自動車税納税書が送られてきますし、継続車検では法定費用(自賠責保険料・重量税・法定手数料)を支払います。法律上、外車も国産車も「平等」と判断して良いでしょう。
ただし、外車と国産車のスペックの違いが、支払う税額に変化を及ぼします。特にエンジン排気量、車両重量に起因するものです。詳しく見てみましょう。
エンジン総排気量で税額が決まる自動車税
登録されている自動車に対して1年ごとに課される自動車税では、当該自動車のエンジン総排気量によって税額が決定されます。自家用乗用車の自動車税額を表にまとめると次の通りで、排気量が大きくなればなるほど高額になる特徴です。
なお初回登録から13年経過した自動車、及び18年以上経過した自動車は重課の対象となりますので、納付税額が漏れなく割増となります。
総排気量 | 2019年9月30日以前に 初回登録された自動車 | 2019年10月1日以降に 初回登録された自動車(新車) |
1.0L以下 | 29,500円 | 25,000円 |
1.0超 ~1.5L以下 | 34,500円 | 30,500円 |
1.5超 ~2.0L以下 | 39,500円 | 36,000円 |
2.0超 ~2.5L以下 | 45,000円 | 43,500円 |
2.5超 ~3.0L以下 | 51,000円 | 50,000円 |
3.0超 ~3.5L以下 | 58,000円 | 57,000円 |
3.5超 ~4.0L以下 | 66,500円 | 65,500円 |
4.0超 ~4.5L以下 | 76,500円 | 75,500円 |
4.5超 ~6.0L以下 | 88,000円 | 87,000円 |
6.0L超 | 111,000円 | 110,000円 |
車両重量が基準となる重量税
乗用車の場合、車検のときに支払う法定費用の1つの重量税(自動車重量税)は車両重量に応じて税額が決められています。表にまとめると次のようになっています。
なお初回登録から13年経過した自動車、及び18年以上経過した自動車は重課の対象となりますので、納付税額が漏れなく割増となります。
車両重量 (t:トン) | エコカー (本則税率) | 新車登録から13年未満 | 新車登録後13年超18年未満 | 新車登録から18年超 |
0.5t以下 | 5,000円 | 8,200円 | 11,400円 | 12,600円 |
〜1t | 10,000円 | 16,400円 | 22,800円 | 25,200円 |
〜1.5t | 15,000円 | 24,600円 | 34,200円 | 37,800円 |
〜2t | 20,000円 | 32,800円 | 45,600円 | 50,400円 |
〜2.5 | 25,000円 | 41,000円 | 57,000円 | 63,000円 |
〜3t | 30,000円 | 49,200円 | 68,400円 | 75,600円 |
また、この表にはありませんが、国産車特有のカテゴリである「軽自動車」は車両重量に関わらず重量税が同じとなります。
外車は排気量・車両重量が大きいから税金が高い?
まとめると、外車・国産車で税制度の違いはないものの、排気量やボディサイズの大きい外車を選んで購入すれば国産車よりも税金が高くなるといえるでしょう。
実際に、国産車と比べて外車(といっても欧州車がほとんどですが)はエンジン総排気量が大きい傾向にあります。それはいろいろな自動車のエンジンスペック表にある通りです。
さらに13年以上経過した自動車となれば重課対象ですので、外国産クラッシックカーで大排気量のエンジンが搭載された車種の自動車税、重量税はなかなかの「良いお値段」になってしまいます。
また、外車には軽自動車の区分がないことも、税金が高いというイメージを助長しているかもしれません。
しかし、現在では排気量やボディサイズの小さい外車も多くラインナップされていますので、必ずしも「外車=税金が高い」とは言えません。
外車の部品代・整備工賃は高い?

外車の部品代や整備工賃は国産車と比べて高額になるケースが多いです。国産車とは異なる設計になっているため、国産車の整備知識・技術となる異なるものが必要となり、そこに付加価値が載せられていると考えることができます。
例えば某大手カーショップの作業工賃表を観てみると、外車のエンジンオイル交換作業が上抜き限定であったり、ATF(オートマオイル)交換不可などの記述を確認できます。このように国産車と比べて扱いが異なっており、整備業者が限られます。
ですので、整備を依頼するとなればディーラーや、外車に強い専門ショップなどが一般的です。中には自分で整備する猛者もいます。
部品代に関しては、国産車・外車変わらず新車価格が高ければ高いほど部品代も高くなるのが一般的です。タイヤサイズが大きければタイヤ代も高くなりますし、特に外車はブレーキディスクの消耗速度が早い(メルセデス車のオーナー談)という話も聞きます。
その他、エンジン使用燃料に無鉛プレミアムガソリン(いわゆるハイオク)が指定されているモデルが多く、燃料代が高くつくことは否めません。
外車の車検費用は?
車検費用は法定費用と整備費用に分けられます。法定費用つまり重量税と自賠責保険料の税額は、先に説明した通りです。しかし、整備費用は整備工場や車両の状態により変化します。総じて、国産車の整備費用よりも高くなることが多いです。
部品交換(部品+工賃)を除くと、車検の整備費用の内訳は車検基本点検料(24ヶ月点検)、検査料、車検代行手数料、の3項目で構成されています。
外車の整備工場・ディーラーのこれら3つの費用は、比較的高めです。そして部品代も車両価格相応に高いわけですから、同カテゴリーの国産車に比べて車検費用は高くなります。
外車の任意自動車保険は高い?

任意自動車保険は対人・対物・傷害・車両の4つの補償がありますが、外車に車両補償を設定すると保険料が高くなります。部品代や工賃が国産車よりも高額になりやすいからです。
ちなみに任意保険には、車種ごとに料率クラスというものが定められていて、それが保険料を決定する基準になります。料率クラスは事故の発生数等で変化し、毎年更新されますから、よく事故を起こしている車種や巷でよく見かける車種の料率クラスは総じて高くなりやすいです。
このことから、気になる自動車の料率クラスを調べて、できるだけ低い車種を選ぶと、保険料節約に幾分か効果的です。
実際に同カテゴリーの車種で比較してみる
フォルクスワーゲン T-Crossとトヨタ ライズ

百聞は一見にしかずということで、似たような系統の車種を比較してみましょう。
「重量税2021年上半期輸入車No.1」と宣伝されているフォルクスワーゲン T-Crossと、国産コンパクトSUVの中でも人気が高く街中でよく見かけるトヨタ ライズは、どちらも直列3気筒ターボエンジン(ガソリン)が搭載されているコンパクトSUVです。
新車価格・エンジン種類・車両重量・燃料を比較すると、次のようになっています。
車種 | 新車価格 | エンジン種類 | 車両重量 | 燃料 |
T-Cross | 2,867,000〜3,555,000円 | 1.0L直列3気筒ターボ | 1,270kg | 無鉛プレミアムガソリン |
ライズ | 1,679,000〜2,282,200円 | 1.0L直列3気筒ターボ | 970〜1,050kg | レギュラー |
T-Crossの新車価格はライズより最大でおよそ120万円高いです。自動車税はどちらも同じですが、ライズが車両重量1トンを切っているのに対してT-Crossは1トン超えとなっています。1トン以下では16,400円、1,5トン以下では24,600円ですから、8,200円の差額です。

また、T-Crossのエンジンの使用燃料は無鉛プレミアムガソリンです。レギュラーガソリンと比べて1リッターあたり10円くらい高く、それでいて燃費のカタログ値(WLTCモード)はライズのほうが優れています。
- 最新「ライズ」中古車情報
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本日の在庫数 2263台 平均価格 205万円 本体価格 126~318万円
外車の維持費を安くする方法はある?
任意保険の契約を見直す
任意保険の契約内容を必要最小限にすれば保険料も安くできます。例えば保険の適応範囲をオーナー限定にする、車両保険をつけないなど。その他、日頃のメンテナンスを自分で行ったり、ユーザー車検で継続車検を通す等も有効です。いろいろ工夫できます。
排気量の小さい外車を選ぶ
排気量の小さい外車を選ぶという選択肢もあります。これは国産車と同じで、排気量が小さくて税金が安く、なおかつ車両重量も軽く、新車価格も総じて安いです。国産車と比べれば割高かもしれませんが、外車のカテゴリーの中では比較的安くなることが期待できます。
4ナンバー化、1ナンバー化を検討する
荷物を乗せる部分の面積が一定以上である等の条件を満たせる車両であれば、貨物自動車として登録する方法があります。5ナンバー車両なら4ナンバー、3ナンバー車両なら1ナンバー化するということです。
自動車税と重量税をかなり安く抑えられる可能性が高くなります。高速料金が高くなる・自賠責保険料が上がるなどのデメリットもあるので総合的に考える必要はありながらも、人によってはかなり有益な手段です。
高級品のステータスの1つでもあると同時に、国産車にはないスペックやデザインなど魅力を持つ外車は、誰しもが一度は必ず憧れるであろうものです。
現金一括で購入するとしても、マイカーローンで購入するとしても、国産車よりも費用が嵩む可能性はありますから、身の丈に合わせた価格帯のものを選ぶことも忘れてはならない大切なポイント。心穏やかな外車カーライフを目指しましょう。
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