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上級国民はなお無罪を主張するのか…池袋暴走事故飯塚幸三被告の第2回公判が開かれる
2019年4月19日に発生した池袋暴走事故の第2回公判が本日、東京地裁で開かれます。第1回公判で被告が無罪を主張したことでネットが炎上。第2回公判では、加害車両の後続車ドライバーら、事故の目撃者の証人尋問が行われる予定です。事故の概要や、第1回公判での被告側の主張、裁判はどれくらい続くかなどをまとめました。
今日(12月3日)第2回公判が開かれる

「上級国民」という言葉がトレンドにもなった、池袋自動車暴走事故。本日第2回の公判が東京地裁で開かれます。初公判は約2ヶ月前の10月8日で、加害者である飯塚幸三被告とその弁護人による無罪主張が行われました。
第2回公判では、加害車両の後続車ドライバーら、事故の目撃者の証人尋問が行われる予定です。
池袋自動車暴走事故は、2019年4月19日に発生。東京メトロ東池袋駅付近の交差点で暴走した車が、赤信号を無視して横断歩道に突っ込むなどして、加害者含む10名が負傷。さらに、3歳の女の子と31歳のお母さんが亡くなったことで、多くの人からの悲しみや怒りの声が噴出。インターネットでは加害者への強いバッシングが起きています。
被害者遺族である松永拓也さんは事故後、記者会見を開き、娘さんと奥様の写真や装画を公開。その後もTwitterを通じて情報発信や署名活動を行ったりしています。
加害者ドライバーが高齢だったことも話題に……
加害者ドライバーが事故当時87歳だったことから、事故原因は「高齢ドライバーによる操作ミス」「自動車の不具合」どちらなのかという点にも注目が集まっています。また、加害者の男性は事故の約1年前から脚が不自由で、杖を使うこともあったとの主張もなされています。
さらに、加害者が逮捕されなかったことや、「容疑者」ではなく「通商産業省 元職員」という肩書で報道されたことも、ネットの炎上を煽る火種となったのです。
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前回(第1回公判)ではまさかの無罪主張

2020年10月8日に行われた第1回公判では、加害者ドライバーは無罪を主張。「アクセルペダルを踏み続けたことはない」と起訴事実を否認しました。
あくまで自身の操作ミス(アクセルとブレーキの踏み間違い)ではなく、車の制御システムに何らかの異常が生じたために暴走したとのことで、弁護人も「被告人に過失はなく、過失運転致傷は成立しない」と同じく無罪を主張しました。
過失運転致傷(自動車過失運転致死傷罪)とは、故意がなく不注意によって相手を怪我・死亡させた場合にも成立する可能性があるもの。「事故を避けられる可能性があった」とされた場合は過失が認定されてしまいますが、車の異常が認められれば「どうやっても事故を回避できなかった」ということになります。
ちなみに、過失ではなく自動車で故意に相手を死傷させた場合は、危険運転致死傷罪が適応される可能性があります。
池袋暴走事故の判決はいつまで続く?

発生から1年半以上が経過している池袋暴走事故。判決内容が気になるところですが、複雑な事件ではないため1審判決は2021年3月ぐらいまでには出る可能性があるとのこと。最高裁まで争うとしても、2022年の秋ごろまでには判決が確定しているという見通しだそうです。
示談ができないのであれば、禁錮3年6ヶ月~4年の求刑になる可能性があるとのこと。判決が出てもネットは荒れそうです。
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池袋暴走事故に対するみんなの反応
今日12月3日は池袋暴走事故の第2回公判だそうです。いまも胸が痛み、腹立たしい。
池袋暴走事故で明日12月3日に証人尋問があるが、この尋問で裁判の行方が変わる。どんな尋問になるか注目したい。証言に対し飯塚幸三側弁護はどう述べるか。
松永さん、みんな応援していますよ。必ず亡き妻子の無念を晴らすよう願っています。
無罪主張をするのは自由です。ただ高齢者が自分は過ちを犯していないと決めつけている事が問題では?もしかしたら自らのミスではと考えられない高齢者が増えたら大変です。
そんなんで無罪になるなら交通ルール要らなくないか?
車がエンジン全開で暴走すれば、体育会系の20代の男がブレーキを踏んでも踏み込めません。足の悪い高齢者では尚更だと思う。
人は間違いを起こす、のはいいけど、人の命を奪うようなエラーは未然に防ぐように努力すべきだし、リカバリできるように対策すべき。
ネットの声の多くは、加害者ドライバーへのバッシングや批判です。また、事故を機に運転免許を返納したという高齢ドライバーも多いようでした。自分ではきちんとしていたはずなのに誤操作による事故が起き、人の命を奪ってしまう可能性があることを、改めて考えるきっかけになったのかもしれません。
自分の運転を過信せず、安全運転を

高齢ドライバーが幼い子どもとお母さんの命を奪った、という点でも世間からの注目を浴びた池袋暴走事故。事件の悲惨さが目につくあまり、つい感情的になってしまいますが、重大事故につながらずとも踏み間違いは誰しもに起こりうること。
日頃から安全運転への意識を高く持ちつつ、運転で疲れた場合は休憩する、具合が悪いときは無理して運転をしないなど、リスクを減らすカーライフを送りたいものです。
- 執筆者プロフィール
- MOBY編集部
- 新型車予想や車選びのお役立ち記事、車や免許にまつわる豆知識、カーライフの困りごとを解決する方法など、自動車に関する様々な情報を発信。普段クルマは乗るだけ・使うだけのユーザーや、あまりクルマに興味が...