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【エコカー減税・グリーン化特例 2018年度最新情報】いくら?いつまで?制度丸わかり!
目次
車の税金とエコカー減税・グリーン化特例をおさらい

車の購入にあたって、お金の面で無視できないポイントの一つが「エコカー減税」です。名前だけなら知っているという人は多いですが、その中身について詳しく知っている人はどれだけいるでしょうか。また、対象となる条件や減税の幅は改正されているため、現在の制度の中身について改めて理解することも必要となります。
そこで、2018年最新版のエコカー減税の仕組みについて、いくら減税になるのか、いつまで適用されるのかといった点について解説します。
まず「エコカー減税とは何か?」ということについて解説するために、減税の対象となる「車の税金」について整理します。その上でエコカー減税とグリーン化特例について解説していきます。
車の税金とは?
車を購入する際にかかる税金としては「自動車税・軽自動車税」「自動車重量税」「自動車取得税」の3つの税金が挙げられます。
自動車税・軽自動車税とは?
「自動車税」および「軽自動車税」とは、毎年4月1日時点で自動車の車検証上の所有者に対して課税される税金のことです。実際の所有者ではなく「車検証上の所有者」であるため、車の個人売買や廃車の際には早めに手続をしなければなりません。
自動車税の税額は、「用途」および「排気量」によって異なります。例えば自家用乗用車の場合、排気量1リットル以下の場合は年額29,500円が課税されますが、1リットル超1.5リットル以下の場合は34,500円、1.5リットル超2リットル以下は39,500円と、0.5リットル刻みで税額が増えます(最大で6リットル超で111,000円)。
軽自動車の場合は排気量の影響を受けず、用途により税額が分かれます。自家用乗用車であれば排気量に関わらず一律で10,800円、営業用乗用車であれば6,900円、三輪は3,900円といったように規定されています。
自動車重量税とは?
「自動車重量税」とは、文字通り購入する車の重さによって税額が変わる税金です(軽自動車は一律)。自動車の新規登録と、車検の際に車検証の有効期限分をまとめて支払うという形をとります(新車の登録時に3年分、以降は車検のたびに2年分)。
税額は、購入する車の重量によって変動します。車両重量0.5トンごとに年額4,100円かかります(12年経過車まで)。例えば車両重量1.4トンの車を購入する場合、1.5トンまでに該当するので年額12,300円、新規登録時は3年分を支払うので36,900円が課税されます。13年~17年経過車の場合は0.5トンごとに5,700円、18年以上の場合は6,300円が課税されます。
軽自動車の場合は車両重量に関わらず年額3,300円、13年~17年経過車は4,100円、18年以上は4,400円が課税されます。
自動車取得税とは?
「自動車取得税」とは、車の購入時に課税される税金の一つです。原則として購入する車の値段に依存して課税される税金であるため、高額な車を購入するほどに自動車取得税も高額になります。
自動車取得税の税額は、新車の場合は取得価格の3%で計算されます。ここで注意したいのが「取得価格=実際に支払った代金ではない」ということです。取得価格の計算には「課税標準基準額」というものが利用され、これは車の価格の約90%に相当します。これに付加物(購入時に装備したカーナビやステレオなど)を加算したものを、自動車取得税の課税対象となる取得価格としています。
自動車取得税についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
エコカー減税とは?
「エコカー減税」とは、国土交通省が定める排出ガスと燃費の基準値をクリアしている、いわゆる「環境性能に優れた車」の購入に際して適用される税金の優遇制度のことを言います。対象となる税金は「自動車重量税」と「自動車取得税」の2つの税金であり、「自動車税」はこの制度の対象ではありません。
対象となる車種であればどの車種でも一律で同じ水準の減税措置を受けられるわけではありません。「2020年度基準」という基準があり、それにプラス何%を達成しているかによって、2つの税金の減税率が変化します。基準を大きく超えている車種の場合、非課税および免税の措置を受けられます。
以前の区分では「2015年度基準」が関係しています。しかし現行の区分では2015年度基準だけを満たしている車種はエコカー減税の恩恵を受けることはできません。
グリーン化特例とは?
「グリーン化特例」とは、排出ガス性能および燃費性能に優れた自動車に対して、その性能に応じて自動車税および軽自動車税の支払いを軽減する制度のことを言います。また、新規登録等から一定年数が経過した車(ガソリン車およびLPG車は13年超、ディーゼル車は11年超)に対しては重課する制度でもあります。
グリーン化特例の条件を満たしている場合、減税が適用されるのは購入時の自動車税ではなく、翌年分の自動車税に適用されます。
2018年度のエコカー減税はいくらに?

エコカー減税は、グリーン化特例を含めることで自動車税(軽自動車税)と自動車重量税、自動車取得税の3つの税金について減税もしくは免税の措置を受けることができます。いくら減税してもらえるかについては、対象となる車の環境性能によって区分されています。
まずは自動車税(軽自動車税)の減税について解説します。自動車税(軽自動車税)はグリーン化特例によって概ね50%~75%の軽減がなされます。対象となる条件と軽減措置は以下のとおりです。
対象・要件等 | 特例措置の内容 | |||
乗用車 | ・電気自動車 ・燃料電池自動車 ・天然ガス自動車 (平成21年排ガス規制NOx10%以上 低減または平成30年排ガス規制適合) ・プラグインハイブリッド自動車 ・クリーンディーゼル乗用車 (平成21年排ガス規制適合または 平成30年排ガス規制適合) | 概ね75%軽減 | ||
ガソリン車・LPG車 (ハイブリッド車を含む) | 排ガス性能 | 燃費性能 | ||
平成17年排ガス規制75%低減 または平成30年排ガス規制50%低減 | 平成32年度燃費基準+30%達成 | 概ね75%軽減 | ||
平成32年度燃費基準+10%達成 | 概ね50%軽減 | |||
重量車等 (バス・トラック) | ・ 電気自動車 ・ 燃料電池自動車 ・ 天然ガス自動車(平成21年排ガス規制NOx10%以上低減 または平成30年排ガス規制適合) ・ プラグインハイブリッド自動車 | 概ね75%軽減 |
燃費基準についての詳しい情報はこちら
次に自動車重量税の減税について解説します。自動車重量税はエコカー減税により、対象となる場合には25%~100%の減税措置が適用されます。なお、時期によって適用される措置が異なります。
2017年~5月1日 ~2018年4月30日 | 2018年5月1日 ~2019年4月30日 | |||
対象・要件等 | 1回目車検 | 2回目車検 | 1回目車検 | 2回目車検 |
・電気自動車 ・燃料電池自動車 ・天然ガス自動車 (平成21年排ガス規制NOx10%以上低減 または平成30年排ガス規制適合) ・プラグインハイブリッド自動車 ・クリーンディーゼル乗用車 (平成21年排ガス規制適合 または平成30年排ガス規制適合) |
免税 | 免税 | 免税 | 免税 |
2020年度基準+50%達成 | 免税 | 免税 | 免税 | 免税 |
2020年度基準+40%達成 | 免税 | 免税 | 免税 | – |
2020年度基準+30%達成 | 免税 | – | 75%軽減 | – |
2020年度基準+20%達成 | 75%軽減 | – | 75%軽減 | – |
2020年度基準+10%達成 | 50%軽減 | – | 50%軽減 | – |
2020年度基準達成 | 25%軽減 | – | 25%軽減 | – |
2015年度基準+10%達成 | 25%軽減 | – | 本則税率 | – |
2015年度基準+10%達成 | 本則税率 | – | – | – |
最後は自動車取得税のエコカー減税です。条件によって20~100%の減税措置が適用されますが、こちらも時期によって適用条件が異なります。
対象・要件等 | 2017年4月1日 ~2018年3月31日 | 2018年4月1日 ~2019年3月31日 |
・ 電気自動車 ・ 燃料電池自動車 ・ 天然ガス自動車 (平成21年排ガス規制NOx10%以上低減 または平成30年排ガス規制適合) ・ プラグインハイブリッド自動車 ・ クリーンディーゼル乗用車 (平成21年排ガス規制適合 または平成30年排ガス規制適合) | 非課税 | 非課税 |
2020年度基準+40%達成 | 非課税 | 免税 |
2020年度基準+30%達成 | 非課税 | 80%軽減 |
2020年度基準+20%達成 | 60%軽減 | 60%軽減 |
2020年度基準+10%達成 | 40%軽減 | 40%軽減 |
2020年度基準達成 | 20%軽減 | 20%軽減 |
2015年度基準+10%達成 | 20%軽減 | – |
また、中古車の取得に対して「中古車特例」が適用されます。条件を満たした中古車を取得する場合、条件次第で取得価格から一定額を控除することができます。
対象・要件等 | 2017年4月1日 ~2018年3月31日 | 2018年4月1日 ~2019年3月31日 |
・ 電気自動車 ・ 燃料電池自動車 ・ 天然ガス自動車 (平成21年排ガス規制NOx10%以上低減 または平成30年排ガス規制適合) ・ プラグインハイブリッド自動車 ・ クリーンディーゼル乗用車 (平成21年排ガス規制適合 または平成30年排ガス規制適合) | 45万円控除 | 45万円控除 |
2020年度基準達成+50% | 45万円控除 | 45万円控除 |
2020年度基準達成+40% | 45万円控除 | 45万円控除 |
2020年度基準達成+30% | 45万円控除 | 35万円控除 |
2020年度基準達成+20% | 25万円控除 | 25万円控除 |
2020年度基準達成+10% | 15万円控除 | 15万円控除 |
2020年度基準達成 | 5万円控除 | 5万円控除 |
2015年度基準達成+10% | 5万円控除 | – |
なお、自動車重量税および自動車取得税のエコカー減税適用の条件として、電気自動車等以外は上記に加えて「排ガス性能2005年排ガス規制75%低減または2018年排ガス規制50%低減」が必要になります。
エコカー減税・グリーン化特例で税金は実際いくらに?
では実際に、人気の高い車種を2つピックアップして、現行の減税制度でどれくらい税金がお得になるのかを検証してみます。その他の車種については各メーカーが減税対象車種と減税内容を紹介しているので、気になる車種の減税について調べることができます。
トヨタ アクア(L 2WD)
自動車税 | 自動車重量税 | 自動車取得税 | 優遇合計 | |
トヨタ アクア(L 2WD) | 約 25,500円 | 約22,500円 | 約44,600円 | 約92,600円 |
この車種は車両重量税および自動車取得税に対して非課税・免税が、自動車税に対しては概ね75%の減税が適用されています。結果、3税合計で9万円以上の減税が適用されています。
ホンダ N-BOX(N-BOX G・EX Honda SENSING)
自動車税 | 自動車重量税 | 自動車取得税 | 優遇合計 | |
ホンダ N-BOX (N-BOX G・EX Honda SENSING FF) | 約2,700円 | 約3,800円 | 約10,700円 | 約17,200円 |
この車種は車両重量税が50%、自動車取得税が40%、軽自動車税が概ね25%の減税が適用されています。ちなみに上記の減税効果は駆動方式が「FF」の場合であり、駆動方式が「4WD」の場合の減税は重量税25%、取得税20%、自動車税は減税無しとなります。
エコカー減税の適用期間はいつまで?
エコカー減税は、自動車重量税は現行の制度が2019年4月30日まで、自動車取得税は2019年3月31日まで適用されます。自動車税(軽自動車税)に関わるグリーン化特例は、2019年3月31日まで適用されます。
エコカー減税の制度はいつまで続く?
このように、エコカー減税およびグリーン化特例等は環境性能の良い車を購入する際の税負担を軽減してくれます。車を購入したい人にとって金銭的負担を軽減して、購入する車種の選択肢を増やせる余地があるのは良いことです。
しかし、エコカー減税には一部否定的な意見があることも事実です。エコカー減税はもうすぐ10年の歴史を刻むことになりますが、対象となる車種が増えるに従って徐々に減税の条件が厳しくなっています。今までは免税や高額な減税を受けられていた車種も、新しい基準では減税の幅が小さくなっていることも珍しくありません。
2018年の3月末および4月末を境として、減税率が改正されています。既に購入を検討していたエコカーがある場合、減税率が低くなっている可能性が考えられます。あらためて車のメーカーのホームページ等を確認して、現行の減税率がいくらになっているのかを確認しておきましょう。
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